ある銀行の支店に行ったとき、ショックを受けたことを記述する。

 

 その日は土曜日で、給料を小切手で払われる人々で窓口に並ぶ人で長い列ができていた。その列は店外に続いていた。真っ青な空に輝く太陽、午前九時には三十五度を超えていた。このエリアで普通の気温である。通常並ぶ列は二種類ある。一つは先述の小切手の現金化のための列。もう一つは口座の開設、閉設、カード再発行などのための列。私は後者の列に並ぶ。私の前には三人いたが、案内係は二時間待ちという。店内に待っている人が何人かいるのだろう。通常こういった手続きには時間がかかる一人あたり最低一時間は見積もる必要がある。

 

 予定通り二時間半ほど待ったあたりから、眼の前が白くなってふらついた。周りにいた人が親切に行員に知らせてくれて店内の涼しい場所に案内された。そこでしばらく座って待っていると。斜め前に座っていた四十代のくらいの女性が突然いびきをかき隣の人にもたれた。その隣の人は驚き、少し体をずらすとその女性は座っているベンチに倒れ込んだ。そして、体中を痙攣させていた。もはやそれは眠り込んだのではない。行員にそれは知らせれ、知らされた行員はその女性をゆすり起こした。彼女はかすかに意識を戻した瞬間、その行員は救急車を呼ぶかどうか聞いている。どう見ても緊急の医療処置が必要に見えるが、彼女に救急車を呼ぶかどうかを決めてほしいようだ。なんとか揺り動かし、もう少し座り心地のいい椅子に彼女を案内した。そして、迎えに来てくれる家族の連絡先を訪ねていた。家族が到着するまで、彼女は眠りこんだり、嘔吐したり、を繰り返していた。

 

 この銀行の対応を攻めることはできない。そこには医者はいなかったのだから。もし、私に同じことが起きたらどうしようかと不安になった。私はこの国に家族はいない。