佐渡さんは心に響く美しいソプラノで、グリザベラ(キャッツ)、クリスティーヌ(オペラ座の怪人)、マグダラのマリア(ジーザス・クライスト=スーパースター)、宋愛玲(異国の丘)、アムネリス(アイーダ)、ローズ(アスペクツ・オブ・ラブ)など数々のヒロインを演じました。佐渡さんのグリザベラは歴代のグリザの中で一番好き クリスやマリアやローズや愛玲も素晴らしかったです アムネリスは残念ながらCDでしか聞いていないのですが。
同じく四季にいた高木美果(チェ ウンシル)さんがゲスト出演。ウンシルさんもクリスティーヌとマリアをやりました。『エビータ』のミストレス、『ウェストサイド物語』のマリア、『美女と野獣』のベルなどでも美しい歌声を聞かせてくれました。母はウンシルさんのファンだったので、2人でウキウキと出かけました
会場は汐留のライブハウス&レストラン『BLUE MOOD』。浜離宮のすぐそばのビルに入っているお店です。ビルの前の大きな通りの向こうには、海劇場の入っている電通のビルが見えました。
地下鉄の地上出口を出て、道なりにまっすぐでしたが、遠かった 築地市場の脇を歩いて行ったですが、日が暮れたあとの築地は場外のお店もしまっているところが多いし、人通りがほとんどないし、ビルが多いので道も暗いし、余計に遠く感じました。
帰りは汐留に出て地下道から新橋に出たけど、こっちの方が人通り多いしお店もたくさんあって道が明るいから、近く感じました。行きも新橋から歩けばよかったわ。
18時半オープン19時半スタートで、席は先着順の自由席。
18時に会場前に着いた私たちは一番乗りで、ど真ん中の舞台かぶりつきの席をゲットしました
1ドリンク+アンティパスト付きだったのですが、腹ペコだったので別料金のパスタとフライドポテト、ソーセージの盛り合わせをオーダー。
1ドリンクはアルコールにして、追加注文もしたので、ライブが始まる頃には私も母もいい感じに酔っ払ってました
佐渡さんとお店のコラボメニューもありました。
"キャリー・スノウのオイルサーディンのパスタ"と、"ジョージの思い出カクテル"。
キャリーは佐渡さんが四季に入る前に『回転木馬』というミュージカルでやった役で、スノウさんという漁師さんと結婚するそうです。
ジョージは、佐渡さんがヒロインのローズを演じた四季のミュージカル『アスペクツ・オブ・ラブ』の登場人物です。亡くなった妻の思い出に浸る趣味人で、主人公アレックスの叔父。色々あって(本当に色々ある)、ローズの夫になりますが、物語の途中で亡くなってしまいます。
ジョージは葡萄園を持っていて、そこをこよなく愛し、もし自分が死んだら葡萄園で獲れたワインと歌とダンスで陽気に自分を送ってほしい、と遺言していました。劇中には、そんなジョージの葬儀の場面もあります。
私がオイルサーディンが苦手なのでパスタはオーダーしませんでしたが、カクテルをオーダーしてみました。
添えられた赤ワイン色のお花がおしゃれで、趣味人のジョージらしい。赤ワインの深みと柑橘系の爽やかさがいい感じにミックスされて、飲みやすいカクテルでした
客席は満員でした。なんだか年齢層高めだったような。佐渡さんの昔からのファンが多かったのかな。
ホールの一番奥が少し高くなっていて、ボックス席のようになっていたんですが、開演時間の少し前に、そこにマスクをした明るい色の髪の男性が座りました。口元を隠していてもハンサムさんだとわかるし、他の人とは明らかに違うオーラを放っていました。
まさか俳優さん?と思って、私たちのテーブルからは遠いことをいいことに、その男性をよく見たら…。
なんと、鈴木涼太さんでした
涼太さん、京都の『オペラ座』に出演中なのに。
13日は休演日だから京都から駆けつけたのでしょうか。
佐渡さんのクリスティーヌと組んだことあるし、『キャッツ』でも一緒だったもんね。
それに、ウンシルさんとも『オペラ座』で組んでたし、『ウェストサイド物語』でも恋人同士でした。
涼太さん、かつて恋人だった歌姫たちを見守りに来たのね 素敵っ
ライブは、トーク部分はフリーアナウンサーの立花裕人氏をMCに対談形式で進んで行きました。
立花氏は今までもミュージカル俳優さんを招いてこういうトーク&ライブを開催して来たそうです。今後も予定があるみたい。
1幕は、佐渡さんが歌いながら客席から登場してスタート。曲は、『Someone to Watch Over Me』(クレイジー・フォー・ユー)。
お召し物は、鮮やかな赤のマーメイドラインのドレスでした。デコルテ周りにお花のモチーフが付いていて、胸元にスリット、背中が腰の少し上まで開いていてセクシー
セットリスト。
(ピアノは中林万里子さん)
【1幕】
1. Someone to Watch Over Me
(クレイジー・フォー・ユー)
2. プリュメ街
(レ・ミゼラブル)
3. 名も知らぬ人
(異国の丘)
4. 引き裂かれた心
(異国の丘)
5. 私はイエスがわからない
(ジーザス・クライスト=スーパースター)
6. ロジャース&ハマースタインメドレー
もしもあなたを愛したら(回転木馬)〜I Have Dreamed(王様と私)〜何かよいこと(サウンド・オブ・ミュージック)
7. 孤独が来る
(アスペクツ・オブ・ラブ)
8. 私だけに
(エリザベート)
【第2幕】
ゲストのウンシルさんは2幕から登場。
佐渡さんはお色直しで、セパレート風の白と黒のドレスで登場。
1. 私のお気に入り
(サウンド・オブ・ミュージック)※ピアノソロ
2. わが家
(美女と野獣)※ウンシルさん
3. シンク・オブ・ミー
(オペラ座の怪人)
4. 墓場にて
(オペラ座の怪人)※ウンシルさん
5. どんな時も離れはしない
(サイドショウ)※佐渡さん&ウンシルさん
6. 祈りの彼方に
(国立看護大学校校歌[作詞・作曲:小椋佳])
7. 人生ひとりではない
(回転木馬)
『回転木馬』『レ・ミゼラブル』『王様と私』など東宝時代に佐渡さんが出演した作品と四季でやった役のナンバーだけでなく、出演したことのない作品のナンバーも歌ってくれました。私は四季以外のミュージカルにはあんまり詳しくないので、初めて聞く曲も多かったです。
でも、どの曲も佐渡さんの心のメッセージが込められていて、初めて聞いた曲なのに胸が熱くなって、目がウルウルしっぱなしでした。
佐渡さんの歌声は、私の心にものすごく響きます。心だけでなく、身体中に響いて、佐渡さんの声が私のすべての血管に流れていくような感覚にとらわれるのです。佐渡さんの歌声を堪能できて、幸せなひとときでした。
それにしても、JCSとオペラ座は私の中でタイムリー過ぎでした。どっちも四季のを観て来たばかりなので、一緒に歌いたいのを抑えるのが大変でした
ウンシルさんのベルは私も大好きだったので、また聞けて嬉しかったです
ウンシルさんの歌声って、透き通るソプラノだけど芯があって力強い。それが役にも現れていて、ウンシルさんの演じるヒロインは、可憐でありながらしっかりとした意志を持った女性でした。
佐渡さんとはとっても仲良し お二人ともサバサバした性格なようで、毒舌トークが楽しかったです 佐渡さんはウンシルさんを「小僧」と呼んでいるそうですが、本当に妹分というより弟分のようでした。
ウンシルさん、韓国に帰って4年になるそうですが、周りに日本語を話す人がいなくて話す機会もないから、日本語がヘタになったと言ってました。やっぱり言葉は習うより慣れろですよね。
佐渡さんのクリスとウンシルさんのクリスを一緒に聞けたのには大感激 なんて贅沢な聞き比べでしょうか
佐渡さんはスカーフを持って、舞台のクリスの動きを再現してくれました ラウルの「♪あれは〜クリスティーヌ〜」のところはピアノ伴奏のみだったけど、も〜〜あの後ろのボックス席が気になって
振り返りたいのを必死に堪えながら、心の中で「涼太さん 出番ですよ」と叫んでました
ウンシルさんは感情が入り過ぎたのか、途中から目に涙が。あとで、佐渡さんが「この曲を歌うと大変だったことを思い出しちゃうんだよね」と優しくフォローしてました。
トークでは、四季に入る前の佐渡さんのことがたくさん聞けました。
『回転木馬』は日本初演だったので、岩谷時子さんが現場で海外スタッフの意見を聞きながら日本語の歌詞を付けていたそうです。岩谷さんが訳した歌詞を佐渡さんが実際に歌ってテストしながら、日本語版のナンバーを作っていったんですって。
小椋佳さんとも仕事をしていて、小椋さんのコンサートにゲスト出演したり、CMソングにコーラスで参加したりしたそうです。国立看護大学の校歌も、小椋さんの作詞作曲ということで歌ってくれました。とても優しい歌詞とメロディーの曲でした。学生さんもこんな校歌なら覚えて歌いたいと思うでしょうね。
四季時代の苦労話も色々。浅利慶太さんは、噂には聞いていましたが、前の日に「お前、明日からこの役で舞台に立て」と言うらしいですね。佐渡さんも、そんなことを何度か経験したそうです。
そして、佐渡さんは高校生の頃、保坂知寿さんの大ファンで、保坂さんの出待ちをしていたそうです。お花を直接渡したくて待っていたけれど、ついに会えなかったんですって。
四季に入って、保坂さんと同じく舞台に立った日に、やっと保坂さんに花束を渡すことが出来たそうです。愛玲とマリアとローズは、保坂さんから引き継ぐことが出来た役なので嬉しいとおっしゃってました。そういえば、ライブのオープニングに選んだ曲も、保坂さんが四季の舞台で歌った曲ですね
佐渡さんのエピソードを問題にしたクイズコーナーもあって、意外なお話もたくさん聞けました。楽しかった〜
終演後は佐渡さんがお店の外でお見送りをしてくださいました。
私は以前、一度だけ佐渡さんの声楽ワークショップに参加したことがあったのですが、私のことなんてもう憶えていらっしゃらないだろうと思っていました。
ところが、佐渡さんは私を見て「お久しぶりです」と声をかけてくださいました
私が「まさか、憶えていてくださったんですか?」と言ったら、「もちろんです」と優しい笑顔。大感激でした
更に、「佐渡さんのローズが聞けて嬉しかったです。私、『アスペクツ・オブ・ラブ』大好きなんです」と私が言ったら、「ええ、たくさん観に来てくださいましたものね」ですって。うわあ、恥ずかしい
確かに佐渡さんがローズをやった2012年の自由劇場には通いました。イベントにも参加しました。でも、今のグヨルさんがいる時の『ライオンキング』ほどのペースではなくて、約3ヶ月の公演期間で10回は観ていないはず。それに、最前列の席でなんて観たことなかったし。
たぶん、佐渡さんは『キャッツ』や『オペラ座』に通っていた私と母を知ってらしたのでしょう。それで、AOLでも気付いてくださったんだわ。
恥ずかしかったけど、嬉しかったで
佐渡さんの歌を聞いて、私も歌いたくなってしまいまいました。
帰り道は、人通りが少ないのをいいことに、母と2人で歩きながらミニコンサート。JCSやオペラ座の曲を歌いまくりました はたから見たら酔っ払いみたいだったと思います
そうよ、私たちは佐渡さんとはウンシルさんの歌声に酔いしれたのよ
佐渡さんの声楽ワークショップ、最近は都合が合わないのと、少し勇気がないのとで参加してませんでしたが、次の機会には思い切って参加してみようと思います。『孤独が来る』を教わりたい
私のレポって、どうしていつもダラダラ長くなっちゃうのかしら。
最後までおつきあいくださった方、ありがとうございました。