令和六年 大相撲五月(夏)場所<5/12~5/26> 於:東京 両国国技館

 

世間では大型連休の真っただ中の本日、五月場所の番付が発表された。

 

照ノ富士は変わらず東の正横綱。

先場所は負けが込んで途中休場となった横綱だが、さて今場所の調子はどうだろう?

筆者としては、やはり少し休んでも万全な状態で場所を迎えてほしいと思っている

 

 

さて、4大関となって2場所目となるが、琴ノ若が四股名を「琴櫻将傑」に改名した。

祖父でもあり、猛牛と称された昭和の名横綱・琴櫻の四股名が実に50年ぶりに復活したのだ。

幼少期、生前の祖父と「大関以上になったら四股名をもらう」という約束を交わしていたが、

これを実現させたのも素晴らしい。

父で師匠でもある琴ノ若の四股名を大関に上げたいという思いで先場所は1場所限りの

「大関・琴ノ若」

となったが、これで先代師匠の四股名を正式に継承することとなった。

「名は体を表す」と言うが、これで横綱昇進に向けて準備は整った。

更に精進を続けていってほしいものだ。

貴景勝は先場所何とか勝ち越してカド番を脱出したが、まだ本調子ではないものの、

今場所の奮起に期待したい。

霧島は昨年九月場所以来2度目のカド番となったが、霧島のことなので、今場所はきっと

調子を取り戻してくるだろう。

先場所は何か歯車が狂ったような感じだった。

陸奥部屋から元横綱・鶴竜の音羽山部屋への移籍もあり、心機一転頑張ることだろう。

 

若元春は2場所連続の関脇で三役も2場所連続となった。

一旦平幕に落ちてはいたが、この力士も既に三役の顔だ。

そろそろ優勝に絡む戦いを見せてほしい。

阿炎も令和4年五月場所以来2年ぶりとなる久々の関脇復帰だ。

三役も2場所連続で安定した実力を発揮している。ここのところ引く相撲が見られないので、

ハマれば怖い存在だろう。

そして、令和元年11月場所以来となる再小結となった朝乃山。

三役も3年前の九月場所以来だ。

苦労してきた分、ここから大関再昇進目指して頑張ってほしい。

巡業でケガをしたようだが、それが心配だ。

ケガをしても出場してくる朝乃山なので、そこはきちんと見極めてほしいところだ。

先場所優勝争いに加わった大の里が新小結を射止めた。

現師匠の二所ノ関部屋からの新三役昇進は初めてのことであるし、幕下付け出しデビューから

所要6場所での新三役は昭和以降2位のスピード昇進となる。

また、先場所は尊富士が新入幕で活躍したが、この大の里も新入幕から所要2場所以内での

新三役は、平成26年11月場所、あの逸ノ城以来となる記録となっている。

その出世の早さにまだ髷も結えていないザンバラ髪の新三役力士となりそうだ。

その出世の早さ故なのか、場所前には部屋の未成年の新弟子に対して飲酒を強要するという

点もあったが、これは猛省すべき点だろう。

自身が下っ端からやってきていない分、その気持ちは理解出来ない部分もあろう。

本人にとっては「イジリ」でもやられている方からしたら「イジメ」なのだ。

ここは師匠の稀勢の里もしっかりと教えておくべきだし大の里も大いに反省をしてもらいたい。

 

最近では三役の顔になっている大栄翔だが、先場所負け越して平幕に下がった。

勝ち星にムラがあるが、1場所で戻ってくることだろう。

平幕上位にも実力者や躍進の若手が名を連ねる。

先場所見事な優勝を飾った尊富士も東6枚目まで番付を上げた。

先場所でのケガが心配であるが、ここらで一気に三役を狙えるだろう。

 

新入幕には鳴門部屋の欧勝馬。

現師匠が部屋創設して初の幕内力士となる。

素行不良が噂される欧勝馬だが、入幕を機に心も入れ替えてほしいところだ。

そして時津風部屋の時疾風。

時津風部屋からは既に引退した豊山以来となる久々の幕内力士だ。

再入幕には水戸龍、友風、宝富士。

 

新十両には筆者期待の阿武松部屋の阿武剋(おうのかつ)。

押尾川部屋から現師匠が部屋を創設して初めてとなる風賢央。

春日野部屋から、やっと上がってきたか…の塚原改め栃大海。

海のない、埼玉県越谷市出身だが、海の文字の四股名が入った。

既に幕内で活躍している王鵬たちとは埼玉栄高校の同級生でもある

同級生の活躍を傍で見ていて悔しい思いもあったろう。

このチャンスを活かしてここから這い上がっていきたいところだ。

そして、千代丸が1場所で十両に戻ってきた。

 

いい季節の五月場所となるが、今場所もいい相撲を期待したい。

先場所は入幕間もない力士たちが活躍したが、やはり上位が勝たないと締まらないのだ。

初場所で照ノ富士が優勝を決めた時も「あぁ、横綱がきっちり締めてくれたな」という

気持ちになった。

横綱・大関、あるいは最低でも三役から、優勝力士を輩出してほしいところだ。

でもそろそろ、髙安、若元春らの初優勝も見たいぞ。

チケット即完売となった五月場所ですが、筆者も何とか一日は確保。

いろいろ期待して五月場所を待ちたい。

                    2024/4/30

(文・呼出 民男)