鑑定士と顔のない依頼人
劇場公開日
2013年12月13日
流オークション鑑定士「ヴァージル・オールドマン」は、人間嫌いで潔癖性だ。
いつも手袋を身につけ、レストランの食器は自分専用のものを使うほどである。
彼は、女性が苦手で一度も恋人をつくったことがない。そして、自宅の秘密の部屋には、恋人代わりの「美女の肖像画」をコレクションしているのだ。生身の女性は大嫌いなのだ。
その反面、自分が担当するオークションでは、友人「ビリー」と共謀して、高額な作品を本来の価値よりも安く競り落とさせ、転売で儲けるという悪質な手法を性懲りもなく行うのだった。
そんな「ヴァージル」のもとに、新たな鑑定の依頼が持ち込まれた。古い屋敷中の骨董をまるごと鑑定してほしいという依頼人「クレア」は、電話でのやり取りばかりでなかなか姿を現さないのだった。
そんな状態では、鑑定の手続きを進められないと問い詰めると、彼女は広場恐怖症で人と会うのが怖いという。
そのために彼女は、屋敷に閉じこもっているのだった。
人に会うことを恐れて閉じこもる「クレア」と、女性との関わりを避け続けてきた「ヴァージル」は互いに似たところがあった。
二人は、次第に惹かれ合うのだが--
味わい深いミステリー作品だ。
なお、「前田敦子」が自身の映画手帖で『最後に鳥肌がたった』と、感想を残している。