久しぶり韓国映画の大作を見ました。2007年にアフガニスタンで起こった韓国人23名の人質事件が主題の映画です。
『極限境界線 ー救出までの18日間』イム・スルレ監督 (原題:교섭)
映画は外交官と現地の工作員がタリバンから人質を救い出すまでを行き詰まる迫力で描きます。この23名はキリスト教の宣教団。タリバンに支配されていたアフガニスタンには韓国政府が渡航制限をかけていました。ところが彼らは第三国経由で渡航制限の網をかいくぐり、観光だと称して現地に入ります。すると入国してまもなく、タリバンの手で拘束されてしまいます。青天の霹靂みたいな事件に韓国政府は仰天、現地の有力者を通しての交渉はうまく行きかけます。しかし韓国の衛星放送から一行が宣教目的であったことが露見、一気にタリバン側の印象が悪化、23人全員の命の危機が迫ります。いったい人質の運命はどうなるのでしょうか。
アフガニスタン現地の状況が克明に描かれ、最初から最後まで目が離せない映画でした。 ファン・ジョンミン、ヒョンビンという大御所の安定した演技で娯楽作品としても十分楽しめました。
そして映画を見ていくつか思ったことがあります。
まず韓国政府が即座に救出に乗り出したことです。先日もイスラエルで韓国政府が邦人も救助してくれたことを思い出しました。少なくとも後手後手の日本政府の対応よりも、韓国政府の対応の方がはるかに進んでいるようですね。
またアフガニスタン現地の状況やイスラム教に対する知識もなく、宣教の熱意だけで渡航することの危うさです。現地語の通訳も連れず、簡単な英語だけでなんとかなると思うお気楽さ。おそらく現地の宗教よりも自分たちの信仰の方が尊いと固く信じて行ったのでしょう。でもこれで相手の共感を得られるとは思いません。自分が主張するだけでなく、相手への理解もなければ交流はないことを改めて思いました。
人質をとって交渉なんて論外だとは思いますが、国際理解とはやはり相互の信頼関係が一番だと思った次第です。個人的な人間関係と同様、自分は絶対正しいが、お前は間違っているという態度では争いしか起こりません。いろいろな意味で考えることの多い映画でした。
