業界の常識は、「非常識」である場合がけっこうあります。
その業界では、ごく当たり前に行われていることでも、
少し離れて見てみると「なんであんなことやってんだろ・・・」というのはよく言われることです。
ビジネスのいろいろな業界でも、それぞれ異なる文化や慣習があり、
ある意味では「非常識」なことをやっている業界も多いはずです。
異なる見方ができるという観点からすると、
非常識を取り入れるということは有効な方法になりうると考えられます。
たとえば、野球の内野手の動きにサッカーやバスケットボールの練習方法を取り入れてみることや、
ランナーの動きに短距離走の練習方法を取り入れてみることなど、
異なるスポーツの考え方や動きを参考にできるというのは、よくある話です。
もっと極端に考えると、スポーツにビジネスの考え方を応用して組織的にしたり、
目標設定の方法を見直していくなど、異業界から多くのことを学ぶことができる可能性があります。
その業界では当たり前のことでも、異なる業界で行うことで、「革新的なもの」になることがあります。
とある業界では「あぁ当たり前にみんなやってるよね」ということが、
違う業界に行くと「そんな考え方あったのか!?すごい!こんな革新的な考えがあるなんて」
となったりします。
これらの異業界、異業種へのコラボレーションを、
僕は「簡易的イノベーション」と名付けました。
すでにあるものを使うので、非常にお手軽なんです。
少し他人と異なる見方をするだけで、イノベーションを起こすことができます。
(その是非は置いといて・・・)
もともとあるものを使うので、「0から1を創る」というわけではありません。
僕の中では、「1から1.5を創る」イメージです。
これ自体はすごく大切なことで、業界全体のビルドアップに欠かせないことです。
教育業界にビジネスの考え方を取り入れていくということが、
今後のひとつのトレンドになってくるのではないかなと思っています。
平成29年の神奈川県の教員向けリーフレットにも申し訳ない程度ではありますが、
ビジネスの考え方について記載がありました。
(たしかロジックツリーとMECEとSWOTだったような・・・)
さっぱり本質的な記載ではなかったものの、時代の流れを感じさせてくれました。
よく載せようと思ったな・・・という感じの内容ではありましたが。
ビジネスの考え方とは言いますが、元々はコンサルティング業界の考え方という方が正しいと思います。
いつの間にか、コンサル系の考え方がビジネスの世界で流行し、ひとつのトレンドになっています。
主にマッキンゼーやボスコンの卒業生が、様々な文献を出したり、社会的なテーマに立ち向かう中で、
トレンドになってきたのかな~という気はしています。
いつの間にか当たり前になっていることでも、実は源流は・・・みたいなことってありますよね。
僕が特に感じるのは「PDCA」です。
個人的にはあまり好きではないのです。
「Plan⇒Do⇒Check⇒Action」ですかね。「計画⇒実行⇒検証⇒改善」・・・こんな感じですか?
元々「PDCA」は、生産管理の手法であったと聞きます。つまり工場の生産管理方法にあたるのでしょう。
と、いうことは・・・少なくとも「教育」には全く合わないものであることが推察できます。
教育は、同じ物をたくさん作る業界ではないので。
ビジネスの世界(特に営業の世界)でも、PDCAはさかんに言われていることです。
営業の世界にもPDCAの考え方は合っていないと、僕は思っています。
(僕は営業しか知りませんが・・・)
社内研修や通信教育でも「PDCA」はよく出てきます。
単語が独り歩きをして、中身のないものになっているように感じます。
だから僕は仕事のサイクルをこのように考えています。
「現状分析⇒仮説設定⇒実行⇒検証」
日本語にしましょう。わかりやすいですから。
検証は、仮説があってはじめて成立すると考えています。
よって、この「仮説設定」というところが大切かなと。
さて、脱線しましたが・・・。
いまビジネスの世界で言われているPDCAやロジカルシンキングなども、
細かく言うと元々は異なる「業界」のものでした。
つまり「簡易的イノベーション」を繰り返し、いろんなものが定着してきているのでしょう。
異なる業界に異なる考え方を持っていく、ここに価値があるのです。
簡易的イノベーションを起こすためには、他人と異なる視点を持ち、
他人と異なる行動をしてみましょう。
いまいる業界にはない考え方を学びましょう。きっとおもしろいことに繋がります。