ワールドカップの保存版的な好試合やお気に入りの映画などが
外付けHDDにはたくさん録画してあります。
じゃあ、それを見るのか?といえば
本当にごく稀にしか見ることはありません。
地上波で好きな映画が放映されると、すでに録画してあっても
他に好い番組がなければテレビでまた見てしまいます。
その中でもジブリ作品は再視聴率がかなり高いのですが
そういう日本人はかなり多いのではないでしょうか。
(ジブリ、といっても駄作も意外に多いけど・・)
千と千尋の神隠し・・・
ストーリーとしては、ごくシンプルな成長物語であって
「邯鄲の夢」のごとくに、ただの夢だった、、なのですが
善い心や愛を基本にしていて、千尋だけでなく坊やカオナシも
心が成長していきます。毒親から自立することも含めて。
その過程が、家庭外の大人と関わって働くことであったり
子供の集団の中で遊ぶことであったりします。
アイデンティティのないカオナシはまるで赤ちゃんでした。
自分が何をしたいのか、何を望んでいるのかも分からず
ただボ~っとしているだけ。ボ~っと人を見ているだけ。
誰でもいいから相手にされたいだけ。
一つ覚えたことをバカの一つ覚えのようにエスカレートさせ
他人の気持ちなど全く関係なく、自分のわがまましかなく
思い通りにならないと暴れます。
それが、千に拒否されなかったことで千についていき
自分の「存在がいけないこと」ではないことに気付きます。
千は一人っ子の設定だったようですが、好奇心が強くて
慎重すぎではなく、末っ子キャラのような行動力がありました。
(実在の人物ととてもかぶります)
元々の人間の素生がいい、というのか素直なので
ハクやリンや釜爺やススワタリなどから相手にしてもらえます。
経験が好い方向に積み上がっていくタイプですね。
坊は完全に毒親育ちの赤ちゃんです。
が、銭婆に魔法にかけられ「ハエドリ」という友達が出来て
ススワタリたちと遊んで、赤ちゃんから幼稚園児くらいに成長。
疲れたハエドリのために自分で歩き出すシーンは感動的です。
釜爺は、映画を見てもよく分からない、少々鈍い層に対する
補助説明役のキャラのようで、直接的すぎるセリフを発します。
いいなあ、愛の力だなあ。
この作品に限らずですが、「人間は根本的には善人であり」
「人間が人間たるのは愛を持っているから」という
いわば性善説のようなことがベースになっている作品なので
多くの人々の心にひびくのだろうと思います。
「千と千尋の神隠し」・・・
何回見ても、初めて見た時のように新鮮に感動できます。
登場人物たちの素直な心や成長する姿が気持ち好いです。
いい作品ですね。