知的障害者を持つ家庭が身近におられたりします。
何かのキッカケで「実は・・」と打ち明けられるまでは
そういった雰囲気を全く感じてなくて、意外だったりしますが。
で、その実態を知ってみると実に壮絶なのです。どちらも。
よくぞ耐えていらっしゃる、、、と。
去年、京都で親が息子を殺害したという殺人事件がありました。
誰もが「なんてひどい親だ」と一瞬思ったでしょうが
よく読んでみると、息子には知的障害があり、その世話が
想像を絶するような日々であり、追い詰められた末の事でした。
その息子が生きている限り、果てしなく続くワケですから
経済的にも追い詰められていたのなら分からなくもありません。
例えば、身近で実際に聞いた話では・・
背格好の大きい知的障害のある息子が、毎日のように
スーパーで同じ物を大量に買ってきてしまう時期があったそう。
当然、親御さんは何とかなだめて止めさせようとしたそうです。
すると、何の言葉に反応したのか大暴れをしてしまい、戸など
相当のモノを破壊してしまったようで、その修理だけで
十数万円もかかってしまったそうです。
(スーパーの件だけでなく何が起こるか分からないそうです)
「同じ物を買ってきてしまう」というのは、認知症の介護では
割とよく聞く話です。
母もある時期、スーパーに行く度に「りんご」を買ってきて
冷蔵庫の中にりんごが大量にたまっていたことがありました。
おそらく、本人は「赤いりんごを買う」という行為が
うれしくて仕方がなかったのでしょう。
知的障害の方も、おそらくその行為がうれしくて仕方がない・・
子育てをした方なら覚えがあるでしょうが、小さい幼い子供は
興味の向いた、気に入ったコトがあると延々とそれを続けます。
いわゆる「ハマる」ということですが、人間の基本的な脳に
そもそもプログラムされた「快感の仕組み」なのでしょう。
「ドーパミンの沼」でしょうか。
「ヒューマニエンス」で解説していましたが、ドーパミンは
エサを得るために必須の快楽ホルモンである、とのこと。
(正確には、ドーパミンは報酬予測誤差に対して反応する)
本来なれば、「エサを獲得した」という瞬間に強烈な快感があり
そのために「永遠にエサを捜し続けたくなるように」という
「生きる仕組み」がドーパミンによる強烈な快感。
幼い頃に、サッカーでゴールにシュートを突き刺した!という
強烈な快感を得た子供が、ずっとサッカーが好きなのも・・
幼い頃に、難しい問題を見事に解いて、みんなから称賛され
強烈な快感を得た子供が、生涯勉強好きなのも・・
幼い頃に、自分より弱い子供をイジメて、その子がひれ伏して
自分は強い!と強烈な快感を得た子供がボスママになるのも・・
大人になってから、ずっと地味な子供だったのに、異性に対し
性的な誘惑をしたらみんながすり寄ってきて「自分はすごい!」
と強烈な快感を得た人がその後異性を騙し利用し続けるのも・・
誰もかれもが、目に見えないほどの極少物質であるドーパミンに
いいように振り回され、時には犯罪まで犯している人間たち・・
ですが、ドーパミンに振り回されない人たちもいます。
前頭葉が充分に機能し、衝動や感情をコントロールできている
頭がいい、賢い人たちです。
逆に言えば、知的障害者や幼い子供や人格障害傾向の人や
かなり頭が悪い人たちは、ドーパミンの奴隷になっています。
欲しい!と思ったモノを衝動買いしてしまい、邪淫に走り、
子にキラキラネームをつけてしまい、弱い者虐めをやめられず、
悔しさまぎれの嫌がらせをやめられず、マウントを取り合い、
出来ないのに出来るフリがやめられず、衝動的にウソを言い・・
などのどれか、とか複数とか・・・
実際、まあそうなんでしょうが
じゃあ、どうしたら知的障害者の家族を救えるのでしょう。
(人格障害やLDなどの発達障害、知能が低いサイコパスも)
知的障害者を持つ本人の顔を思い浮かべると
「何とかする方法はないのか?」と、切実な気持ちになります。
老親の認知症の場合は「いずれ、近い将来に亡くなる」のですが
自分と同世代以下の年齢の場合は一生続くということですから。
当事者は、意外に多いような気がします。