「量子論」の「マクロ経済学」への応用について考える | ユウ坊の経済を考えるブログ

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 今回は、まず量子論についてハイゼンベルグの「不確定性原理」及び量子論の歴史の一部について基本的な話をしてから、「量子論」の「マクロ経済学」への応用について考えてみる。

「不確定性原理」はハイゼンベルグによる量子論における概念の1つであり、その内容は“原子核の周りに存在する電子の正しい位置を確定できないというもの”である。通常の物理学、すなわち、ニュートン力学 (マクロの世界を扱う物理学、ちなみに量子論はミクロの世界を扱う物理学) では位置と運動量はともに正確に測定できる。しかし、量子論では、位置と運動量の大きさを両者をともに正確に測ることはできない、すなわち、位置を正確にはかろうとしてより多くのエネルギーを注ぐと電子のような小さな素粒子は位置がずれてしまう。つまり、トレード・オフ関係にあると思われる。アインシュタインは量子論の主張者と論争を繰り広げたが (有名なのは、ニールスボーアとのコペンハーゲン論争である)、結局敗れたものと解釈されている。なぜ、アインシュタインは敗れたのか、その点について著名な物理学者である佐藤文隆氏 (京都大学教授であった。また、アインシュタイン方程式におけるサトウ・トミマツ解 (球対称でなくかつ回転するブラックホールを記述するもの)で、裸の特異点といわれているもので有名な方) は、著名なSF作家である小松左京氏の質問 (「彼はヘブライズムだったのでしょうか」という質問) に対して、「いや、彼は決定論者であったのではないか」と返答している。その際に佐藤氏は「確率について (マックス・ボルンの確率解釈みたいなものと個人的に考える) 物理学に最初に導入したのはアインシュタインであるが、それは、最終的な結論を得るための導入部分と考えている」と述べている。アインシュタインの有名な言葉に「神はサイコロを振らない」というものがあり、アインシュタインは決定論者ではなかったのではないかと佐藤氏は結論している。

 量子論の歴史について述べるのは、このくらいにして、「量子論」の「マクロ経済学」への応用について考えてみる。最初に断っておくが、この考えのベースとなっているのはサイエンスライターの竹内薫氏の発言 (確かブログだったような気がする) である。彼は (詳しく覚えていないが「量子論を経済学に応用できないか」と何かで述べていたことがあり、なるほど、応用できそうと個人的に思ったのである。竹内氏がどこでそのようなことを述べたのか正確に覚えておらず、また、応用の内容については述べていなかった覚えがあるので個人的意見を言わしていただく)。

 個人的な考えでは、「不確定性原理」が経済学に応用できると考える。すなわち、国という物体を想定し、その物体の構成要素として企業や消費者を素粒子と想定する。企業を原子核、消費者を電子と考えると企業 (原子核) の周りには、多数の消費者 (電子) が存在する。しかし、消費者の購入(電子の位置)は特定できない。すなわち、消費者が企業の製品を購入するかどうかは、実際に購入されてみてからでないとわからないということである。その点において、企業を原子核、消費者を電子と仮定する場合、「不確定性原理」が当てはまると思われる。よって、それら観点からGDPの大きさは確率的にしか予測できないといえ、前回記述したようにGDPは期待値 (確率的) によって決まる (=想定される) ものと思われる。

追記:前回のGDPの期待値はマクロ・モデルの観点から、今回はなぜ確率的になるのかを考えている。