こんばんは。


公開中の映画『東京組曲2020』(監督・三島有紀子)について。
僕は出演しているわけではありませんが、観たあとずっと引きずり考えてしまう、そういう作品です。
どうしてズルズル考えてしまうのだろう?
と、考えてました。

ドキュメンタリー映画という予備知識だけで観たのですが、出演者が全員役者さんによる半ドキュメンタリー映画、でした。
2020年4月緊急事態宣言が発令され人々の生活が一変したコロナ禍初期、『ザ・不要不急』と揶揄されるような役者業の男女がもがく日常を切り取り、それらをつないで浮かび上がる、記録には残らないような孤独。孤独の本質に男女も職業もない。
そんなものを三島監督はのこしてくれている気がします。

で、自分もまた役者であり他人事ではない(むしろ完全に自分事)なこの映画は、とてもキツかった。
苦しくて、席を立とうかと思ってしまうほど。

でも最後まで観て良かった。

映画があんなに苦しかったのは、、、
そうか、と後から思いました。


役者なんだからさ、役者の仕事を選んだからには、救いがたい孤独とか焦燥とかそれももれなく仕事ですよね、ゴクっと呑み込み撒き散らさずにいきましょうね。
と、僕は自分に言い聞かせてきたように思うのです。
役者の仕事を始めたとき、おそらくそう教育(刷り込み)されたのでしょう、師匠に。
それは一つの正解だろうし。

なのですが、、、
やっぱりこのコロナ禍という特殊な状況下で、少なくとも僕は呑み込みきれず、日常のどこかでチラホラ撒き散らしていたように思います。
そういう自覚があります。情けないかな。

だから、この映画が苦しかったんだろうなと。
自身の現在を、半ドキュメンタリー映画のなかで表出する(せずにはいられない)役者に対する少なからぬ驚きと、そのくせ認めたくないけど認めざるを得ない「自分も同じ」というリアル。
やられた。。。

何よりも、
この役者たちの様を、愛をもって見つめつなぐことのできる監督・三島有紀子(というか人間・三島有紀子)どんだけ大きいんだ。。。

あぁやられました。

長々とすみません。
ここにこう書いて、ああそうかと勝手に思いました。


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