名探偵コナンから、平和な2人を

連載再開


kiss me and kiss you 



「和葉ちゃんと喧嘩でもしたか?」


こっちは息が上がっとるっちゅうに

涼しい顔で面を外した沖田は、笑うとそう言

って来た


相変わらずの強敵


柔剛を巧みにしなやかに使い分ける剣裁きは

また更に凄みを増していて


油断すると、応戦一方になってしまう


まだまだやな

これでは圧勝は程遠い


何やようわからんけど、コイツ、姉ちゃんに

も粉かけよって、紅葉の事はおっぱい呼びや

ねん


当然、例の執事は嫌な顔をしとんのやけど、

それも涼しい顔して受け流す強者や


工藤に似た顔しとんのやけど

中身はだいぶ違う様子


和葉の事も、いつのまにか和葉ちゃん呼びや

しな


油断も隙も無い


今のオレにとっては、要注意人物のひとり


それでも、剣術の腕前と言う点では、無視出来

ひん相手


最近、腕が鈍っている気がして、無茶を言うて

沖田の家の道場を訪ね、稽古を受けさせてもろ

うたんや


次の試合は、和葉との事がかかっとる

オレにとって、一世一代の大勝負


出来る事は何でもして、支度をせなアカン


府警も警視庁も、道場破りして訪ねて来たんや

けど、パワープレイを主とする面々はたくさん

居るんやけど、沖田のようなタイプは少なく


稽古のバランスを取るためにも、とやって来た


その甲斐はあったんやけど


やっぱり自分の弱点もわかって、更なる課題も

見えてしもうて、これから試合まで、どうやっ

てその課題をクリアすべきか悩ましい


「雑念が多過ぎるんや」


服部は、欲張りやなぁ、と笑う沖田は、そう言

うて、シンプルにやったらええやんかと言うて

手を振って見送った



雑念が多過ぎる、か


確かに、と思う


絶対に負けられへん戦いやし

ここは素直に忠告に従って、少ない試合までの

日数、稽古に精進するしかない、と思うた