名探偵コナンから、平和な2人を

体調回復が遅れており、走り書き継続中



無題



「あら、平ちゃん!」


若いイケメン高校生が、私への面会に来ている

と聞いて、もしかして?と思うたら


愛娘の幼なじみ

私達夫婦の、親友夫妻の一人息子


「おばちゃん」


ホンマに、びっくりさせんなや、と顔を顰める

平ちゃんは、静華似の顔が更に精悍さを増した


「大きくなったなぁ」


ふふふ、と笑う私のベッドの傍に椅子を寄せる

と、どさっと座った


静華から預かって来たと言う大荷物を、テキパ

キと片付けながら、珍しくお喋りな平ちゃん


やんちゃで、明るくて、優しくて

賢い、聡い子や


「平ちゃん」


大丈夫やで、平ちゃん


おばちゃんは、あの和葉を産んだんやで?

ちょっとやそっとじゃ、ヘコたれへんよ


だから、そんな顔、せんでええ

アンタは笑うてなさい

せっかくのイケメンなんやし


学ランの背中を向けているその背を、そっと

叩いた


どんなに聡い子でも、まだ高校生や

大人でもない、子どもでもない

不安定で、未熟さもある年頃




先日、ある事件に巻き込まれた私

ケガで入院したんやけど


検査の中で、ちょっと大きな病気の疑いが出

てしもうたんや


今、精密検査中やねん


銀司郎さんに連絡した時、近くに服部さんが

居たみたいでな


和葉を行かせると言うのを止めたんや

今、静華も入院中で、和葉が付き添うてんの

を知ってたから


和葉には、時を見て、自分から言うからまだ

何も言わないで、と口止めしたんや


「和葉、怒るで、きっと」


「せやねぇ、怒るやろな

平次独り占めしてズルい、お母ちゃんって」


そんなん言うワケないやん、と拗ねる

あら、平ちゃん、そんなに魅力無いん?

和葉に、ヤキモチ妬いてもらえへんの?


不貞腐れる顔は、幼い頃と変わらへん

可愛ええな、ホンマ


何故、和葉には最後まで言わへんのや?と言

う平ちゃんに、教えてあげた


私は、母親として一緒に居られへんかった

和葉にたくさん我慢させて、自分のやりたか

った仕事を優先させて来た


自分勝手な私を、尊敬してるって言うてくれ

る優しい娘


「私の願いはな、和葉には、和葉の夢中にな

れる何かを見つけてもらって、真っ直ぐに走

って行ってもらいたい」


その時に、私の事を心配したり、優先したり

してもらいたくないんや


あの子、そう言うところ、昔から優しいやん


せやな、と即答する平ちゃんも、なかなかや

と思うけどなぁ


「せやから、内緒やで?」


わかった、と言う平ちゃんと久しぶりにゆっ

くりお喋りを楽しんだ