名探偵コナンから、平和な2人を
通常運転走り書き

初恋


ここもええなぁ、こっちはどう?
工藤くん、どっちが好みやろか
蘭ちゃんはー

元気にあれこれ言うて、悩みまくっていた和葉
の声が、少しずつ小さくなって

すうっ、と言う寝息が聞こえたかと思うと、そ
の身体が揺れ始めた

慌てて腕を回して、横にしてやると、丁度ええ
塩梅を見つけたんか、爆睡し始める

そろそろ、ちょっとは意識、してくれへんかな

頬にキスをして、今夜はいつもより近くに陣取
り眠る事にした


桜舞い散る樹の下で、鞠をついていた可愛ええ
女の子は、いつのまにか成長して、時々可愛え
えからキレイやなぁと言う表情を見せるように
なった

昔から明るくて、やんちゃで、優しくて、世話
好きで

じっとしとんのが苦手で、オレと一緒に飛び回
っていて

オレが出来る事は、自分も、と
何でも一生懸命に頑張って、ひとつずつ自分の
モノにしていくのが和葉や

曲がった事は嫌いやし、親父らの仕事を誰より
も誇りに思うてる

真っ直ぐで、努力家で
そんな和葉を、好きやし、尊敬もしとる

オレには無いもんを持ってんねん
本人は、あんまり気付いてへんみたいやけど

昨夜、工藤も言うてたんや

和葉に怒られて、背中叩いてどやされて、目が
覚めたって

大事な事、思い出させてくれたって

それは、オレも同じや

ずっと、和葉を護って来たと思うてたけど
実は、オレが一番護られて来たんやと思う

それは、とても贅沢な事やと工藤は言うてた
オレも、ホンマにそうやと思う

せやから、ここから先は、全力でオレも行く
つもりや

覚悟しとけや?

すうすう眠る和葉の近くで身体を丸めて眠りに
ついたオレは、まだ知らん

翌日から怒涛の日々が待ち構えていた事を

この夜が、嵐の前の静けさやっちゅう事に、全
く気付いてへんかったんや

翌朝、夜明け直前に嵐はやって来たんや

to be continued