名探偵コナンから、平和な2人を
端末入れ替え中のため、走り書き


無題


“I am always here for you.
All my good wishes are with you!!”


飛行機が離陸したら、開けと言われた青い封筒
便箋には、和葉へ、平次より、として
このメッセージだけが書いてあった

封筒の中に一緒に入っていたのは、2枚の写真

1枚は、昔、平次の爺ちゃんの家で撮影された
向日葵を前に頬をくっつけて満面の笑みで映る
無邪気な浴衣姿の私達

もう1枚は、左手に在る指輪を贈られた初めて
のデートの時に平次が自撮りした写真
私をバックハグした平次と私が爆笑してる


進路問題で、平次が旅立ち私が見送る想像は
何万回としたけれど

まさかその逆になるとは、想像してへんかっ
たんや

ダメ元で応募していた交換留学の試験に合格
したと知った時

喜びよりも、戸惑いが勝ってしもうて
素直に喜べ無かったんや

でも、合格と、将来の夢を話した時
平次とおばちゃんが、背中を押してくれた

「心配せんと、好きなだけ勉強して来い
オレもちゃんと準備してから追いかける」

オレは、和葉と一緒に、夢も未来も追うつも
りやし、離れるつもりは無い

平次は、京都にあるお父ちゃんらが卒業した
あの大学に進学して待ってるから、と

私の渡英準備を積極的に手伝ってくれて、そ
れだけやなく、忙しい合間にあちこちデート
やって言うて連れ出してくれて

何遍も、言うてくれたんや
ちゃんと待っとるから、頑張りって

物理的に傍に居られへんからって、初デート
の日に揃いの指輪を贈ってくれて、ちゃんと
両家の親を揃えて挨拶してくれてん

私が不安にならへんよう、保険も掛けたいと
言うた平次が、もう一つ、大切なものもくれ
たんや

家族の手で提出された書類によって、私は、
遠山ではなく、服部姓で渡英する事になって
手続きは大変やったけど、何とか間に合った

留学中は、哀ちゃんと一緒に暮らすんや

哀ちゃんは大学へ、私は高校へそれぞれ通う
んやけど、暫くの間は哀ちゃんの護衛担当も
同じアパートに居住する事になってん

哀ちゃんと護衛担当の方はもう渡米先から
直接渡英しとって、待っててくれとる

せやから、全くのひとりになるワケとはちゃ
うんやけど

気軽には会えなくなる平次との別れは
想像以上に寂しくて、不安やった

自分で決めた事とはいえ、こんなに寂しいと
は思うてた以上でびっくりしとる

でも、初めてもらったこの指輪と手紙
名前を大事にして、しっかり勉強して成果を
ちゃんと残す

そう決めて、気合いを入れ直した