名探偵コナンから、平和な2人を
体調悪化のため、何も出来ず
大遅刻の2024年バレンタイン話です


大遅刻のバレンタイン


明け方、目が覚めて、びっくりした

疲れ果ててろくに電気もつけず飛び込んだ
ベッド

目を覚まして、そのデカさにびっくり

広過ぎやろ、コレは

ダブル?いや、クイーンか?

カーテンの隙間からの灯りで、微かに見える
室内は、まだ殆ど家具が無い

ベッドとサイドボードがある側の反対側は、
棚とかしか無いし、何も入ってへん

大阪の自室の何倍あんねん
隣の和葉専用の客間と合わせても足りないや
ろが


京都にある服部家別邸は、親父が両親から継
いだ不動産のひとつで

服部の爺ちゃんとばあちゃんは、最期をここ
で過ごしたんや

オレや和葉は、何度も呼ばれて遊びに来たし
泊まりもした

楽しい思い出しかない大切な場所

オカンと親父は、親父が退官したらここに、
と言うて、少しずつリフォームしていたのは
知っていたけれど

ここまで完成しているとは思わへんかった

オレの部屋やと言われたけれど
半分ホンマで、半分嘘やな

恐らく、将来的には、和葉と2人でと言う広
さやろ

はぁ、とため息を吐いて、またベッドに沈ん
だオレは、また一気に眠り込んでしまった

オカンに叩き起こされたオレは、慌てて部屋
を飛び出した

「和葉?」

ぐずぐず泣きながら眠る和葉を起こした

ふえ、と言うて目を覚ました和葉を、そのま
ま抱き上げてバスルームに運び、出たら声を
かけろと言うて離れた

「明け方から何や魘されとるみたいでな」

オカンが声を掛けたらしいんやけど、目を
覚さなかったらしい

「わかった」

オカンもまだ床上げには早いで、と言うて
和葉はオレが相手しとくしと言うて、先に
寝かせた

風呂上がりの和葉の髪をドライヤーしてや
って、軽くクリップで留めるだけにした

一緒にお茶を飲んで、少し落ち着かせてか
ら抱え上げた

オカンの寝室もベッドが広いので、真ん中
に和葉を寝かせ、オレも隣に潜り込んだ

リビングにあった料理雑誌を一緒に見て、
次はあれを食べてみたい、作ってみたい、
と話して

あれ?と思うた

今日、何日や??

とっくに過ぎてしもうてるやないか
バレンタイン

「なぁ、今年はくれへんのか?」

隣で料理雑談を見ていた和葉が、へ?と言う

オレ、貰ってへんけど、と言うと、びっくり
した顔をした和葉

せやかてへーじ、甘いのもチョコも苦手やっ
て言うてたやん

と言う和葉

あぁ、インタビュー記事の話やな、とわかる

あれは、雑誌社に送りつけられへんように、
予防線を張ったんや

まぁ、甘いのは得意やないけど、和葉が用意
してくれるのは、食べられるし、美味しいと
思うてる

多分、オレの好みに合わせ、相当調整してく
れとるんや

和葉が作る冷やし小豆も好きやし、白玉やら
団子も蒸し饅頭も美味い

生クリームは苦手やけど、チーズケーキもな
あ、美味いねん

「チーズケーキは、平次が生クリームとかが
苦手や言うから、ヨーグルトとか、カッテー
ジチーズとか、チーズにもこだわってん」

クリーミーなもんより、さっぱりした方が好
きやろ?

でも、素材の味がしたり、濃厚なんも好きや
から、難しいねん、色々と

雑誌をめくりながら思案顔の和葉

今年もバレンタインは色々と案はあったけど
試作品を作る前に色々あったから、まだ何も
用意出来てへん、と

しゅんとした顔をした

「ええやん、それで」

和葉に、完成してへんでええ、と言うた
作るところから見たい、と

自分も、どうやって作ってもろうたもんを食
べて来たんか知りたいと思うねん

オレが活躍を褒められるのは、オレが動ける
身体やからし

オレはオカンや和葉の飯で育ってるし

せやから、今年は一緒にやりたいと言うと、
驚きながらも嬉しそうな顔をした

何にしようかな、と考えながらうとうとし始
めた和葉とオレも少しだけ寝て

その日の夕方

珍しい客人と共に親父とおっちゃんが現れた
んや

to be continued