名探偵コナンから、平和な2人を
以前書きかけたメモから手直し


西の名探偵との遭遇


“Everything is practice.”


サッカーの神、ペレの名言だけど
確かにそうだな、と笑うしかない


軟禁生活の中でも、和葉ちゃんはかるたや
合気道の自主練は欠かさない

特にかるたは、静華さんが一緒の時は、歌の
意味まで含めて、しっかり稽古していた

合気道は、マジでカッコいい
青子が、自分も習おうかな、と真剣になった
くらいだ


「和葉、ホンマは剣道も中々なんや」


合気道の稽古をしている和葉ちゃんを、離れ
たソファから眺めていると、服部が呟いた

服部が剣道を始めた時、和葉ちゃんも一緒だ
ったらしく、小学校高学年で、和葉ちゃんは
合気道一本になってしまったと言った

何でも、父親の遠山さんはかなりの腕前らし
くて、服部は未だに勝てないと言い、和葉ち
ゃんは、自身の父親や服部の親父さんから、
教わったので、所作もきれいだと言う

「オレは油断するとアカンのやけど
和葉は、クソ真面目っちゅうか、素直っちゅ
うか、その辺は絶対に手を抜かないんや」

青子にも丁寧に型を教えながら、稽古をする
様子を、静華さんが記録係よろしく撮影して
いる

「もしかして、服部より和葉ちゃんの方が
凄いのか?」

「せやな、アイツのはちゃんとコツコツ積み
重ねて得た技術や知識や
オレは要領だけで擦り抜けてるからなぁ」

オカンらも、和葉の将来、楽しみにしてん

くしゃみをして、お茶を啜る服部は、まだま
だ体調万全では無いが、運び込んだ時のヤバ
い状況は完全に脱却した様子

腹減ったー、と言ってるからな

「今日のお昼は元気出るよ」

ふふふ、と笑った稽古終わりの和葉ちゃん
香りでなんとなくわかったけど

「うわぁ!美味そう!」

牛すじたっぷりのカレーだったんだ

とろとろになった牛すじたっぷり入っていて
ジャガイモはしっとりホクホク
にんじんも甘くて
スパイスの香りもいい、ピリ辛だけど野菜の
甘味もある

服部の好物らしく、満足そうな顔で食べる姿
を、優しい笑顔で見ていた和葉ちゃんは、や
っぱりきれいだと思った

青子はバッチリレシピをもらったと喜んでい
て、警部にも作ってあげる、と言っている

「和葉ちゃんってさ、料理、好きだよね」

「うん、小さい頃から、教えてもろうたのが
上手に出来ると嬉しくてな、次、ほな次って
なって、気がついたら」

ふふ、と笑う和葉ちゃん

服部家や池波家のばあちゃんから受け継いだ
レシピもいくつかある、と言って

食べる事は、生きる事

大事に作って、それをちゃんと食べてもらえ
たら嬉しいやん?と言った

服部がイチオシなのは、だし巻きらしい
和葉ちゃんが、服部が上手だと言ったのは、
たこ焼きだった

服部も元気になったので、と
オヤツに焼いてくれたんだけど

これがめちゃくちゃ美味いんだ
外はカリカリ、中はふんわり
出汁も効いた生地も、タコも美味い

「だろ?」

ドヤ顔の服部は、材料さえあればいつでも
出来ると言った

お好みも焼いてくれたんだけど、こっちは
ふんわりで美味しい

青子とオレも焼き方を教えてもらった

「うん、美味しいで!バッチリやん」

和葉ちゃんに合格をもらった青子が、これも
警部に自慢出来ると喜んだ

「せや、忘れへんうちに」

静華さんが、ミニアルバムをくれた

チビの頃、服部邸にお邪魔した青子の写真だ

うわっ、可愛いい!
青子も、和葉ちゃんも、服部も
一緒に映る男の子も

無邪気にはしゃぐ4人の笑い声が聞こえるよう
な写真だった

晃と言う服部や和葉ちゃんの幼なじみは、今
も同じ高校に通っていると言った

翠ちゃんと言う和葉ちゃんの友人と付き合っ
ているらしく、いつかまた再会出来るよ、と
和葉ちゃん

青子は、懐かしい!と写真を捲っていた

「あんまりアルバムとか無いから、嬉しい」

ありがとうございます、と頭を下げた青子を
静華さんは、今回もたくさん撮影したから、
またあげます、と言って笑った

「カメラ、やってみようかな」

アルバムを捲りながら、青子がそう言うと、
教えてあげます、と言う静華さんと、苦笑し
ながら眺める服部と和葉ちゃん

なんか、いい風景だよな、と
自分もシャッターを切りたくなった
そんな夜だった


to be continued