名探偵コナンから、平和な2人を
以前書きかけたメモから手直し
西の名探偵との遭遇
“Never be so busy as not to think of others.”
Mother Teresa
敵意剥き出しで猛追して来た西の名探偵に、
敢えてのメッセージを送った
東の名探偵の不在を怪しみ始めた一部の報道
陣を煙に巻くためか、急激に露出を増やした
西の名探偵
そのせいか、彼の多忙は危険水域ギリギリだ
ろうに、本人は無自覚のまま、暴走特急と化
していて
オレは彼女が気になって、様子を見に行った
案の定、身を案じる彼女の言葉にも耳を貸さ
ずに、無責任な大丈夫を繰り返す姿を見た
そんな彼の脇の甘さを、大岡家の執事らお嬢
様応援隊が見逃すはずもなく
情報提供を武器に、好き放題、彼を振り回し
始め、彼女から引き離しにかかっていたんだ
その様子を眺めながら、オレは苛立ちを覚え
ていた
自分と、西の名探偵では立ち位置が違えど、
幼なじみに対する裏切りと言うか、酷い扱い
は、どこか似ていたからだ
オレは、キッドの秘密を隠し
アイツは、己の恋心を隠している
ま、ちっとも忍んではねーけどな
少なくとも、彼女は本当にその恋心には全く
気がついていない様子
これは、拗れたらヤバそうな匂いがした
彼女は事態が服部にとってよからぬ方向へと
転がり始めた事を察知していて
このままでは、彼の日常が完全に破壊されて
しまうと危惧していて、
本気で何とかしないと、と、陰ながら奔走し
ているが、
肝心の西の名探偵は、今が勝負時と決めたの
か、一向に露出を控える様子はなく
むしろ、更に加速する方向へと舵を切ったの
か、彼女の真剣な話にも、のらりくらりで、
改める気は無さそうだった
何せ、東の名探偵からもそろそろセーブした
方がいいと言う助言も無視してるからなぁ
まぁ、大方
名前と顔を売って、活躍した実績を携えて、
彼女に告白しようと言う魂胆なんだろうけど
「今じゃねーだろ、服部」
この状況で何を言われたとしても、元々が自
分は服部の恋愛対象外だと思ってる彼女から
したら、不審以外の何でもねーだろ?
事件の推理は得意でも、
恋心の推理はお手上げか?
しっかりしてくれよ、名探偵
寺井ちゃんや、工藤優作さんからのリークで
ヤバそうな噂を耳にしたオレとしては
「動くなら、今、か?」
白昼堂々と、西の名探偵の目の前に現れて
その最愛の「秘宝」を攫ってみせた
それはもう、怒り狂った服部の猛追が凄いけ
れど、それよりも、何よりも、素直に大人し
く攫われてはくれない姫の対応に四苦八苦
予想通り、敵に回してはならないのは、彼女
だった
当初の予定からは大幅に変更したけれど、
オレは何とか西の名探偵の秘宝を奪取して、
姿を消す事に成功したんだ
to be continued