名探偵コナンから、平和な2人を
以前から描きたかったお話を
ちょっと短く
Cara
(イタリア語で、愛しい人)
ピザパーティー状態やった翌日
午後、工藤の両親が駆けつけて来た
「?」
工藤は、父さん?母さん?と言うて、首を傾
げていたけれど、それは仕方ないやん
7歳の記憶しかない工藤にとって
現れた両親は、10歳、年齢を重ねているんや
自分の記憶にある両親と、少しズレとっても
当たり前やっちゅうねん
どんなにあの両親が今でも若いとはいえ、
10年前とは多少なりとも違うやろ
人間なんやし
少し、家族だけで過ごすよう、客間に家族だ
けにして、
兄ちゃんとオレと和葉は
和葉と兄ちゃんがすっかりハマってしまった
パン作りに励み、
オカンは府警に差し入れに出かけて行った
今日は、ドーナツに挑戦すると言うてる2人
「ホンマに家でふわふわドーナツ、出来る
やろか」
出来たら嬉しい、と言う和葉
ポアロの兄ちゃんも、レシピをあれこれ検索
しとる
府警に差し入れした食事パンも見事な出来に
仕上がって、ちょっと手伝っただけのオレで
さえ、かなりのハイテンションになった
ちょうど良さそうやってレシピを見つけ
手分けして作業に入る
発酵させた生地を成形して、順番に揚げて
プレーン生地は
シンプルなきび砂糖をまぶしただけのもの
間に甘さを抑えたクリームを挟んだものの
2種にして
生地にラムレーズンを混ぜてあるものは、
和葉が表面をチョコレートでコーティング
生地にレモンピールを混ぜたものは、
表面をグレーズでコーティング
どんどん並べて完成したものを、和葉の指示
でラッピングした
「大滝ハン!」
オカンを送って来てくれた大滝ハンに、和葉
が紙袋いっぱいのドーナツを渡すと
めちゃくちゃ喜んだ
この間、子供と奥さんに買って帰ると向かう
たドーナツショップでな、商品が殆ど無くて
サプライズしてやれへんかったーって
言うてたんや
たまには家族にしてやりたいんやけどなって
いつも世話になっとるし
オレや和葉は、生命の恩人やし
あんなに喜んだ大滝ハンを見たのも久しぶり
やな、と
オカンや和葉、兄ちゃんとオレは、工藤一家
にも声を掛けて
みんなでコーヒー片手にドーナツを食べる
工藤は大はしゃぎや
中でもレモンピールのものが気に入った様子
レモン、好きなんやろか?
確か、姉ちゃんのつくるレモンパイも好きや
なぁ、工藤は
その夜、客間は工藤一家に譲って
和葉の部屋を兄ちゃんに譲って
(オカンは親父の世話をしに、帰宅してん)
オレと和葉はリビングのソファベッドに寝る
事にして、推理モノを観る事にしたんやけど
結局、オレと和葉とポアロの兄ちゃんで、
海外の推理ドラマにどハマりしてしもうてん
布団を持ち込んで、結局3人で寝落ちするま
で見倒したんやけど
ボクも観たい、と翌朝工藤が言うたもんやか
ら、翌日は終日鑑賞会になり、
工藤が寝落ちしてから、漸く工藤夫婦から話
を聞く事が出来たんや
to be continued