名探偵コナンから、平和な2人を
体調優先、ゆるりと連載


狂想曲 11


13歳の工藤、か

あのゲレンデでの遭遇より前らしく
やっぱりまだオレの事も、和葉の事も知らん
様子で

和葉に助けられた時、ホンマにホッとした、
と言うてただけで、その理由に心当たりは全
く無い様子

姉ちゃんに会いたいとしきりに言うてるけど
13歳の工藤が会いたいのは、13歳の姉ちゃん
やし、

中身は13歳でも、外見は7歳のままやからなぁ

コナンである事を忘れている工藤を、このま
ま姉ちゃんに会わせるワケにもいかへんし

何せ、ホンマの工藤の意思やから

これには、和葉もオレも困ってしまう
賢い工藤はすぐにあの手、この手で攻めて来
るからな

和葉は、腹を括り、知らぬ存ぜぬで行くしか
無いと言うて、オカンや親父らを説得し

とにかく、1週間後の仮入院日までに、工藤
の身体を治して、万全の状態にしたいと説得
して歩いた

午後からは、和葉に家事を禁じ、とにかく、
和葉もケガを治すこと、体力を回復させる事
に集中させる事にした

和葉を理由に、工藤にも、とにかく姉ちゃん
に会いたいのであれば、まずは身体を治して
からやと言うて、静養させる事に

3人で、推理ドラマや映画を観て
ソファで寛いでいると、和葉も工藤も居眠り
を始めた

やっぱり小学生の体力には、キツいよなぁ

工藤の両親が現れたのは、夕方で
工藤の中身が13歳になっとる事を知ると、

工藤の母ちゃんは、到着が遅れた事を心底、
悔しがっていた

「残念だわ!」ぐりぐりしたかったのにー
と言うて、工藤を捕まえて、ぐりぐりした

止めてくれーと絶叫する工藤と
いいじゃないーと懇願する工藤の母ちゃん

和葉はけらけら笑うて、その様子を撮影して
後で纏めるんやと言うていた

「すまなかったね、すっかり世話になってし
まったみたいで」

工藤のおとんはそう言うと、お礼は後で、と
工藤がこちらに来てからの事を聴取された

「新一は、君に会いに来たんだろうと思うん
だが」

「オレも、最初はそう思うたんやけど
少し、違うかもと思うてん」

「ほう」

もしかしたら、工藤は和葉に会いに来たんや
ないかって

工藤が無意識で言うた
和葉に会うて、ホッとした、言う呟きが
気になってん

もしかして、和葉を心配して来たんやないん
かっては

和葉の身を心配したんか
和葉から、何かを聞きたかったんか

どちらかやったんやないかってな

和葉の顔を見るなり、安心してぶっ倒れたみ
たいやし

「なるほど」

工藤の親父さんも、それはあり得る推測かも
知れへんと言うた

和葉に甘えるように、母親から逃げまくるその
工藤の様子を見て、

オレもその筋が正しいような気がして来た

ただ、そうなると、オレにとっては緊急課題や

和葉の身に、何か危険が迫っている可能性がか
なり濃厚になるからや

困ったな、と思うオレは、工藤や工藤のオカン
うちのオカンと戯れる和葉を眺めていた

to be continued