名探偵コナンから、平和な2人を
体調優先、ゆるりと連載
今日は短く

狂想曲 4


「なぁ、和葉」

オマエ、コナン見つけてどうやってここまで
運び込んだんや?

ふと、気になった事を聞いてみた

和葉を見るなり意識を手放したと言うコナン
いくら小学生とはいえ、学校帰りの和葉には
ひとりで運ぶの、大変やったんやないかって

「合気道の稽古着があったから、その紐で、
コナンくん、くくりつけてん」

意識がないコナンを抱っこすんのも、おんぶ
するのも難しいと判断して、帯とか胴着を使い
身体に括って搬送したと言う和葉

「ケガ、酷かったし、頭とかあまり揺らした
らアカンと思うて」

必要以上に揺らさないよう運ぶのが大変やった
と言う

確かに、先生も和葉の搬送と応急処置が良かっ
たから、コナンの回復も衰弱が回復したら早い
やろうと言うてた

オカンに見ててもろうてる間に、和葉が台所に
立つのを手伝った

衰弱しきっているコナン
多分、間も無く目を覚ますやろと言う先生も、
もう二度目の往診をしてくれた

和葉が救出してから一晩が過ぎた

高熱は点滴や投薬が効いて、落ち着いて来たが
昏睡状態はまだ変わらへんまま、眠り続けてん

でも、和葉は、そろそろ起きるやろうから、と
衰弱しとるコナンに、少しでも、と、梅粥やら
スープを作っている

お茶も、冷茶も温かいのもすぐ出せるように、
スポーツドリンクも、風呂も沸かして、コナン
の目覚めを待った

「コナンくん、目を覚ましたで?」

オカンの声に、オレと和葉は駆けつけたんやけ
ど、困惑するしかない

コナン、記憶喪失やねん

工藤新一と名乗り、自分はまだ小学生やと言う
んや

つまり、工藤新一としての記憶にも影響が出て
しもうてる様子

こう言う時、腹を括るのは、和葉の方が早いと
言う事を知る

自分とオレ、オカンの自己紹介をして、友達や
と言うたんや

そして、ケガを治す事をまず第一にしようって
言うて、工藤くんって呼ぶより、コナンくんっ
て呼んだ方がええかも知れへんから、暫くの間
我慢してな、と言うてん

目線を合わせて話す和葉の顔をじっと見ていた
工藤は、頷くと、よろしくね、和葉姉ちゃん、
と笑うた

オカンは静華さん
オレは平次兄ちゃんと呼ぶ工藤

オレと和葉は、何とか工藤の両親にコンタクト
を取り、今、仕事で海外に居ると言う2人が
帰国するまでの間、保護する事にした

工藤の両親が、毛利家には上手い事言うてくれ
ると言うのでお願いした

和葉は、どうやら別ルートで工藤の正体につい
て知っとったらしく、困った、と言うた

姉ちゃんは、知らんねん
毛利夫妻も

工藤が、コナンとしての記憶を無くして
新一としての記憶を一部欠いてしもうてる状況
では、ケガが回復したとして、姉ちゃんの元に
戻すワケにはいかへんからや 

「取り敢えず、ケガと体力を回復させよう」

もしかしたら、回復する過程で記憶を取り戻す
かも知れへんし

暫く、静観する事に決めて、工藤の世話をする
事に決めたオレ達は、オカンにこっそり親父ら
にSOSを出すよう依頼した

オレや和葉も、マークされとる可能性があるか
らや

工藤は、和葉が用意した粥やらスープ、お茶を
元気よう平らげると、薬を言われた通りちゃん
と飲んで、爆睡し始めた

取り敢えず、回復は早くなりそうやから、それ
まで、工藤の身柄の安全を護るため、和葉と共
にあれこれ計画し、実行する事にしたんや

to be continued