このまま中止にして三連休を東京で過ごすか、それとも他の山に向かうか?台風は日本列島を横断する勢い。私は単純な発想で少しでも台風から遠い東北を目指すことにした。今回の目的地は日本百名山であり、温トレには最適な歩いてしか行けない秘湯ある安達太良山に決定。台風の影響の少ないうちに行動しようと自家用車で深夜1時に新宿を出発。東北道を突っ走り、午前4時にはあだたら高原スキー場の駐車場に到着。数台の車が朝を待っている様子。僕らは夜明け前から歩きだし山頂で朝食を食べようという魂胆。ヘッドランプを点けて出発。でもスキー場の中にある登山道を探りながら真っ暗な道を進むのって結構、難しい。地図とヘッドランプの光を頼りにゲレンデ内の道を進む。何度か登山道を探りながらリフト上の尾根道に取り着いた。
しばらく急登の尾根道を登り、振り返ると雲海の中から日の出を拝むことが出来た。ラッキーな一日の始まり!駐車場から1時間半ほどで五葉松平、続いて薬師岳みはらし台へ到着する。ここは夏でも運行しているゴンドラの駅からもすぐの場所。板敷の遊歩道が整備されていて歩きやすい。
安達太良山の山頂も目の前に見えてきて、力が湧いてくる。
「この上の空がほんとの空です」ですと書かれた木の柱を見かける。帰ってきてから知ったけど、高村光太郎が智恵子に詠んだ歌からの引用だったのですね。
「 阿多多羅山の山の上に毎日出ている青い空が、智恵子のほんとの空だといふ 」(あどけない話) 高村光太郎
(続く)
写真は山頂付近からの1900年の噴火口だった沼ノ平。有毒ガスで立ち入り禁止になっています。
