撫順(ぶじゅん)の朝顔 | よしやんのブログ

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法隆寺は奇跡の寺。謎の寺。不思議がいっぱい。
この寺と斑鳩の自然、文化遺産を後世に伝えたい。

 私たちが知っている普通の朝顔より小さく、青い小さな花だ。直径5~6センチほどの可愛い可憐な花。昨年秋、舞鶴の友人S君が10粒ほどの種を送ってくれた。葉が出るまで、ブロ友のさゆりんのお母さんに育ててもらい、いま私の庭で花をつけはじめている。

 昨日は1輪、今日は2輪さいた。

 

撫順の朝顔(ぶじゅんのあさがお)

 

 少し長い話をしよう。撫順は中国東北地方(旧満州)の都市の名。人口は現在207万人。地方としては大都市だ。1949年の中華人民共和国建国後、ここに戦犯や捕虜の管理所がおかれた。

 当時ソ連のシベリア収容所には60万人の日本人が過酷な労働に従事させられていたが、そこから969人が選抜されて、中国の撫順戦犯管理所に移された。おもに中国戦線で戦犯をおかした人達だ。

 

6月27日初めての花

 

 ところが移ってきた日本人たちは予想外の待遇に驚いた。労働なし、食事は十分、散髪や入浴もできた。処刑前の一時的な花園ではないかと疑う人達もすくなくなかった。 

 当時の中国首相は周恩来、国は出来たばかりで貧しかったが、「罪を憎んで人を憎まず」の人道主義をつらぬいたと言われる。周恩来は、中国を侵略した日本人たちも、日本軍国主義の犠牲者だといったという。

 また、のちの日中国交正常化への布石だったともいう人もいる。

 

6月28日2輪咲いた

 

 5年後、収容者が帰国する際、現地で咲く朝顔の種をおくられ、「今度大陸へ来るときは二度と武器をもってこないで下さい」「日本に帰ったら綺麗な花を咲かせて下さい」と言われた。

 

 こうして日本各地に親睦会とか、連絡会のようなものが出来、日本の多くの場所で「撫順の朝顔」が咲いている。

 

 山形の私の同期生S君がその種で花をさかせ、舞鶴のS君に種をおくり、舞鶴のS君が昨年、全国の同期生に種を分けたという次第です。いま毎週のオンライン同期会では朝顔の開花情報が大きな話題になっている。

 高松のO君は7輪ほどが綺麗に咲いたと報告している(6月28日)。