お釈迦さんワールド | よしやんのブログ

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法隆寺は奇跡の寺。謎の寺。不思議がいっぱい。
この寺と斑鳩の自然、文化遺産を後世に伝えたい。

龍谷大学の龍谷ミージアムに行ってきました。「お釈迦さんワールド」というイベントや展示会が開かれていて、その見学です。

 

仏教は世界三大宗教の一つであり、今も世界中に多くの信者がいます。とりわけ、日本は仏教国といわれるほど信者が多い。しかし日本では開祖である釈迦よりも、のちに発展した日本独自の宗派(浄土宗とか真言宗など)の宗祖の方が大きな存在感を持っています。

開祖である釈迦は、日本への仏教伝来当時から釈尊とか釈迦如来、釈迦仏と呼ばれ、信仰の対象として神様のような存在となっていました

釈迦誕生仏立像(広島・康徳寺)

 

 

しかし釈迦は、私たちとおなじ人間。その名をゴータマ・シッダッタ(サンスクリット語)とか、ガウタマ・シッダールタ(パーリ語)といい、2500年ほど前、インド北部のシャーキャー族の王子として、生まれ、出家して、苦労して悟りを開いていった人間なのです。

 

この展覧会は、のち仏陀として信仰の対象となり、さまざまに脚色され、偉人化・伝説化した釈迦と、その中から人間としての釈迦、すなわちガウタマ・シッダールタの姿を探ろうとした意欲的な企画でした。

 

龍谷ミージアム(京都)。国道1号線である堀川通りに面している。

 

ミージアムの反対側にある西本願寺の御影堂門。

奥に見えるのが御影堂。

 

展覧会では第1章お釈迦さんの時代、第2章お釈迦さんの生涯、第3章お釈迦さんを追慕する、第4章お釈迦さんの遺骨、に分けて展示されていました。

ここでは2回ぐらいに分けて紹介したいと思いますが、今日はそのダイジェストです。

 

印象に残ったのは、若き日のシッダールタの姿が、仁和寺の重要文化財・悉達太子坐像であらわされていることや、初公開となった鎌倉時代の十二門経(幻の経典、大阪金剛寺蔵)を見られたこと。さらに手塚治虫の漫画「ブッダ」直筆の原画も展示され,お釈迦さんの思想が分かり易く説かれていました。

 

仏教がインドから大陸を通じて日本に伝わる軌跡を、19世紀後半、日本で最初に行った西本願寺の「大谷探検隊」が学術調査をしましたが、その一部ベゼクリク石窟の洞窟図が復元されていました。

ベゼクリク石窟の復元図

 

釈迦の誕生から涅槃まで、天井まで届く大きな絵でしたが、私は10年ほど前の2008年9月中国新疆ウイグル自治区のトルファン郊外にあるベゼクリク石窟に行ったことがあります
ベゼクリク石窟。上はミージアムの図録から。

       下は私が撮影してきたもの(2008年)

 

当時のことですが、現地のウイグル人の間ではイギリス、フランス、日本などの「先進国の探検隊」が石窟から重要な遺跡を持ち去ったと評判がよくなかったことを覚えています。こうして展示されると「先進国の探検隊」の活動、当時は許されたことですが、学術的にはそれなりにいい役割を果たしているのかなと感じました。