今回は、海龍王寺の歌碑です。
しぐれの あめ いたく なふりそ こんだうの はしらの
まそほ かべに ながれむ 秋艸道人
(歌意) 時雨の雨よ、そんなに激しく降ってくれるな。金堂の柱の赤 い塗料が白い壁に流れるではないか。
(注)激しい雨の中、赤と白とを対比しつつ、その美しい言葉のひびきに古代へのロマンをかきたてている。
海龍王寺は真言律宗の寺。光明皇后の発願で建てられた寺で、皇后宮の東北隅に建てられたことから、隅寺ともいわれれています。
こじんまりとした寺ですが、本堂には奈良で一番美しいといわれる十一面観音菩薩像(上)が安置されています。しかし1年に、春と秋の3回合計40日ほどしか公開されません。私たちが訪問した5月の末は、ちょうど非公開期間中でした。そのため、保存状態がよく極彩色豊かな色彩の残る本尊を拝観できず、画像のみ拝借します。
これは国宝の五重小塔です。創建時のままといわれている西金堂に置かれています。
歌碑の周りには清掃が行き届かず、草がおい茂っていましたが、この方が會津八一ふさわしいのではないかとも思いました。
外の門
海龍王寺はバス道路の傍に門(外の門)があり、私たちが訪問し寺の中では一番ひなびた感じがしました。