来年は栃木県に干ぴょうが伝来して300年になる
干ぴょう生産は現在 栃木県が全国の約95%以上の
生産量を誇っている
干ぴょうは栃木県で栽培が広まったのだが
その理由の一つは 土壌が適していたことである
夕顔の根は浅根性で横に広がり
深根でも40cm位の深さで 旺盛な生育に
多量の水分を必要とするため 保水力のある土が必要である
根の発達のためには 排水が良く軽い土が必要で
干ぴょうが定着した地域にはこの条件に合っている
黒色の火山灰土が広く分布(関東ローム層)しており
夕顔の栽培に適していた
干ぴょう畑
もう一つには 気象条件にも恵まれていたことである
干ぴょうは7~8月が生産期となるが
栃木県は雷(地元では方言で「らいさま」と呼ぶ)
の名産地でもあり
夏のこの時期 日光や那須連山に発生した雷が
勢力を強めながら南東に進み
夕方になって干ぴょうの産地に雨を降らせる
この雨が灼熱の地表を冷やし 暑さに弱いとされている
根の伸びをよくする
またその水分は 夕顔が開花してから2~3週間で
収穫する夕顔の実(ふくべ)を太らせるため
干ぴょうにとっては恵みの雨になっている
(干ぴょう生産者は待ちに待ったその雨が降ってくると
「お金が降ってきた」とよく形容した)
つづく