体験はどのように行動になるのか
― 私たちの内側で起きている「見えない連鎖」―
私たちは毎日、たくさんの体験をしています。
同じ出来事に出会っても、取る行動は人それぞれです。
その違いはどこで生まれるのでしょうか。
体験から行動に至るまでには、外からは見えないプロセスの連鎖があります。
この連鎖を理解すると、人の反応も、自分の行動も、驚くほど分かりやすくなります。
見えているのは、最初と最後だけ
このプロセスで、他人に見えるのは二つだけです。
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何が起きたか(出来事)
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その人が何をしたか(行動)
しかし、その間には、
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何に注意を向けたか
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どう意味づけたか
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どんな感情が生まれたか
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何を信じているか
といった、頭の中の出来事が存在します。
例えば、同じ指摘を受けても、
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「責められた」と感じて落ち込む人
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「成長のチャンス」と受け取って行動する人
がいます。
違いを生んでいるのは、出来事ではなく、内側のプロセスです。
可能な解釈は無数、行動はひとつ
一つの体験には、いくつもの意味づけの可能性があります。
失敗したときでも、
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自分は能力がない
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今回は準備不足だった
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次はうまくいく
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新しいやり方を試そう
など、さまざまな解釈ができます。
しかし、その結果として現れる行動は、ひとつだけです。
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挑戦をやめる
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改善して再挑戦する
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誰かに相談する
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何もしない
つまり、どの意味を選ぶかが、未来の行動を決めているのです。
行動は信念を強化する
さらに興味深いのは、行動が信念を強めることです。
例えば、
「自分には無理だ」と思う
→ 行動しない
→ 結果が出ない
→ 「やっぱり無理だ」と確信する
逆に、
「試してみよう」と思う
→ 小さく行動する
→ 少し成果が出る
→ 「できるかもしれない」と信じるようになる
そして信念は、次に何に気づくかを決めます。
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可能性を見る人
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問題ばかりを見る人
この違いは、信念から生まれています。
人を変える前に、プロセスを見る
もし誰かの行動が理解できないとき、
「なぜそんなことをするのか」と責める前に、こう考えてみてください。
その人は、どんな意味づけをしたのだろう。
どんな信念を通して世界を見ているのだろう。
同じように、自分に対しても問いかけることができます。
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今、何に注意を向けているか
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どんな意味を与えているか
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その解釈は他にもあるか
ここを変えると、行動は自然に変わります。
行動を変える一番やさしい方法
体験は選べないこともあります。
しかし、意味づけは選べます。
そして意味づけが変わると、
気づくことが変わり、
感じることが変わり、
行動が変わり、
信念が変わります。
体験 → 意味 → 行動 → 信念 → 気づき → 次の体験
この連鎖は、今日から書き換えることができます。
大きな変化は必要ありません。
ひとつだけ、問いを変えてみてください。
「これは、どんな可能性として見ることができるだろう?」
その問いが、次の行動を変え、
次の自分をつくっていきます。