学位取得には、大学院入学から実に8年掛かった。倍である。学生の頃から人より時間が掛かる点は変わっていない。

きちんと研究に集中させて貰えたのは、大学院2年目の夏からで、しかもたった2年間しか基礎研究に集中できなかった。その後は通常の臨床業務をこなしながら、夜中、週末を使ってラボに通い延々と実験を続けた。医局の大学院生及び学位の扱いは相変わらず酷いものだと思う。きちんと4年以内に論文をまとめ、卒業する優秀な先生も当然おられるが、普通に考えれば、実験のイロハを覚えるところから始めたのでは、 実質2年+αで卒業するのは無理ゲーである。他の医学部ではどうなのだろうか?自分と同じ苦労をしろとは言わないが、到底自分で実験をして書いたとは思えない論文で大学院を卒業していく人が後を絶たない。

一つのラボしか経験していないため比較出来ないが、かなり厳しいラボだったと思う。当時の写真を見ると、凄い痩せっぷりである。周囲からは指導教官の運が悪かったとか、テーマが悪いとか、逆算して考えてないからだとか、臨床医なのにそんな掘り下げてどうするの?とか、いつになったら論文出るの笑、など散々言われたが、結果的にはラボの選択も含めて間違って無かったと思っている。そのお陰か、留学先を探す際にも、オファーを貰えなかった所は結局1箇所だけだった。指導教官にも本当に感謝している。何よりも留学のきっかけを作って下さり、今の自分があるのはあの人のお陰だと言える。辛い時は長かったが、今は懐かしい思い出になっている。