「こんな試合が、ずっとしたかったから、
だからすごく満足してる」
引退試合を終えた息子くんはそう言ってました。
こんな試合。
先制されたけど、みんなで勝利を掴み取った試合。
アシストを記録した試合。
自分の調子が良くて、納得のいくプレーができた試合。
それも勿論そう。
でも試合前からこの試合の事をみんなで話してて、
ポジションをどうする?
背番号をどうする?
相手はどんな感じ?
そして、絶体勝とうって話し合う。
そんな試合。
当たり前のようだけど、当たり前じゃない。
この試合、得点を決めた時、みんな本当に喜んでた。
自分が決めたゴールじゃなくても、心から喜んでた。
チームメイトは、ポジションを争うライバルじゃなくて、一緒に勝利を目指す仲間。
息子くんの中でも、こんな試合っていうのがどんな試合なのか、はっきり形になってる訳じゃ無いと思う。
トップチームでスタメン出場してた時も、満足のいく試合だったと思うけど、やっぱり自分のプレーが常に評価され、その評価次第で次の試合に出れるかどうかが決まる。
それが高校サッカーだし、当たり前なんだけど、
でもこの試合は違ったんですよね。
監督からも何も言われない。
目指すのは、チームで勝利する事だけ。
途中交代も無い。
最初から最後まで、ピッチに立ち続け、思う存分サッカーする。
そんな試合ばかりじゃない事ぐらい、充分わかってる。
だからこそ出た言葉なのかな。
相手も勝利を目指して、最後まであきらめないタフな相手だった。
その相手に勝てたことも、嬉しかったんだと思います。
こんな試合がもっともっと沢山できる高校サッカーであって欲しかったけど、中々難しいですね。
でも最後にこんな試合ができて良かった。
キラキラした舞台には、立てなかったのかもしれないけど、この経験を次に繋げて欲しいと思います。