映画「宮松と山下」凝った作り方に何度も騙された | 私の5 室は映画館・映画レビュー

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劇場公開日:2022年11月18日 87分

12/15(木)鑑賞

⚠ネタバレが気になる方へ

読む場合は、自己責任でお願いします



あらすじ 



エキストラ俳優・宮松(香川照之)は


映画の世界で、来る日も来る日も

名もなき登場人物を、生真面目に演じる





ある時は、弓矢に撃たれ
ある時は路上で銃撃され
ひたすら殺され画面の端に消えていく




毎日、数ページだけ渡され

「端役」ばかりを演じる






名もなき誰かの人生を演じる

そんな彼には、過去の記憶がない


自分が何者だったのか

自分は何が好きだったのか

どこで何をしていたのか一切思い出せない


ロープウェイの仕事を掛け持ちしていて

「なんでこの仕事(ロープウェイ)をしているのか」と同僚に聞かれますが「エキストラだけで食べていけない」と宮松は答えます


そんなある日、宮松のもとへ



一緒にタクシーの運転手をしていたという
(尾美としのり)が現れる


宮松は、山下という本名で

年の離れた妹(中越典子)がいるという





宮松は、なぜ記憶を亡くしたのだろうか


感想 



冒頭侍に刀を振りかざした香川が斬られ倒れる。しかし死んだはずの香川が、立ち上がり移動し、衣装を変えてまた斬り倒される



そんな主人公宮松のエキストラ役を通して、映画の撮影現場や、制作スタッフのリアルな働き方が垣間見られる作品でした



時代劇の斬られ役は、同じ人が衣装を変えて何度も斬られ、1日で4回死ぬことも!



作品は変わった、とても面白い手法です

現実のシーンか、エキストラのシーンか

曖昧でわからない凝った作り方をしていて

何度も何度も騙されました。



アッ撃たれた!!と 慌てたこの場面



「カット!」の声で胸を撫で下ろし


宮松の記憶?なのか、妄想?なのか

匂わせ映像を混ぜ込む、手の混んだ作りに

謎を、誰かと答え合わせしたくなりました



中盤の尾美としのり登場からは

宮松=山下にどんな過去があったのか

何故記憶と過去を捨てたのか、判明します

そうか、そういうことか


そして記憶を取り戻すトリガーは、五感

宮松の場合は、味覚と嗅覚、感覚でした



記憶を取り戻す過程でトリガーに触れて

味わい、刺激され、戸惑い、喜び、苦悩

本当に香川照之さんは上手いと思いました


気になった方は、是非観てみて下さい(^^)