あらすじ
エキストラ俳優・宮松(香川照之)は
映画の世界で、来る日も来る日も
名もなき登場人物を、生真面目に演じる
毎日、数ページだけ渡され
「端役」ばかりを演じる
名もなき誰かの人生を演じる
そんな彼には、過去の記憶がない
自分が何者だったのか
自分は何が好きだったのか
どこで何をしていたのか一切思い出せない
ロープウェイの仕事を掛け持ちしていて
「なんでこの仕事(ロープウェイ)をしているのか」と同僚に聞かれますが「エキストラだけで食べていけない」と宮松は答えます
そんなある日、宮松のもとへ
宮松は、山下という本名で
年の離れた妹(中越典子)がいるという
宮松は、なぜ記憶を亡くしたのだろうか
感想
冒頭侍に刀を振りかざした香川が斬られ倒れる。しかし死んだはずの香川が、立ち上がり移動し、衣装を変えてまた斬り倒される
そんな主人公宮松のエキストラ役を通して、映画の撮影現場や、制作スタッフのリアルな働き方が垣間見られる作品でした
時代劇の斬られ役は、同じ人が衣装を変えて何度も斬られ、1日で4回死ぬことも!
作品は変わった、とても面白い手法です
現実のシーンか、エキストラのシーンか
曖昧でわからない凝った作り方をしていて
何度も何度も騙されました。
アッ撃たれた!!と 慌てたこの場面
「カット!」の声で胸を撫で下ろし
宮松の記憶?なのか、妄想?なのか
匂わせ映像を混ぜ込む、手の混んだ作りに
謎を、誰かと答え合わせしたくなりました
中盤の尾美としのり登場からは
宮松=山下にどんな過去があったのか
何故記憶と過去を捨てたのか、判明します
そうか、そういうことか
そして記憶を取り戻すトリガーは、五感
宮松の場合は、味覚と嗅覚、感覚でした
記憶を取り戻す過程でトリガーに触れて
味わい、刺激され、戸惑い、喜び、苦悩
本当に香川照之さんは上手いと思いました
気になった方は、是非観てみて下さい(^^)