バッハと私(368) 人生とバッハの時間 | 日々新面目あるへし

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ブログを続ける指針に、会津八一の書「学規」に学びたい。
 一、この生を深く愛すへし
 一、かえりみて己を知るへし
 一、学藝を以って性を養うへし
 一、日々新面目あるへし

2016.5.29

 一日一日ゆっくりと過ぎ行くようだが、振り返って一ヵ月
や一年が瞬く間に過ぎ行く速さに驚く。バッハに行き着いた
時に、この短い時間にバッハの音楽だけは、出来る限り聴い
て過ごしたいと思った。

 七十五歳という年齢を眺めると、無意識のうちにも時間が
少なくなっている予感がある。早々と逝ってしまった友人や
知人も少なくない。その中でバッハに傾倒していた友人と共
に聴いた農民カンタータやコーヒーカンタータを思い出す。

 人生とは何だろうか、それを考えるのが人生であり、何も
考えないのも人生に違いない。何が正しいかと考えることが
正しいことなら、何も考えないこともまた正しいことかもし
れない。

 かえりみて何も考えない時間に、何かを考えさせようとす
る時間がある。バッハの音楽を聴いていて何も考えなくとも
そこから何かを無意識が受けとめている。この音楽は何故こ
のように充たされ安心出来るのであろうかと。