バッハと私 (361) 老年の時節(3) | 日々新面目あるへし

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ブログを続ける指針に、会津八一の書「学規」に学びたい。
 一、この生を深く愛すへし
 一、かえりみて己を知るへし
 一、学藝を以って性を養うへし
 一、日々新面目あるへし

2016.5.16


 会津八一の「学規」、第三項に「学芸を以って性を養うへし」とある。

自己流に学問と芸術を以って≪いのち≫を養う指針として、学問は

言葉で考える、藝術は言葉で表現出来ない対象と考えている。


 学芸はバランスの在り方として、学問は生存面で藝術は生活面で

何れに偏っても≪いのち≫は成立たないと、こういう観方を老年の

時節には何かと考えさせられる。


 自分は単純に学問は≪小説≫、藝術は≪バッハの音楽≫と割り

切っている。人生は読書と音楽、前者は生存面の仕事につながり、

後者は生活面に、とりわけバッハの音楽は生き甲斐に他ならない。


 今朝、教会カンタータ147番を聴いて、まさに言葉では表せない

充実感や安心感を実感として受けとめていた。人生という自然現象

は大まか言葉で表せない対象と独りごちる。


 老年に関して多くの書物があるが、私はバッハの音楽を聴くことで

納得している。バッハの音楽を経験することが出来る、それは老年

の時節に極めて相応しいものと思わずにいられない。