<161> 働きながら親を介護 | 備忘録

<161> 働きながら親を介護



働きながら親を介護…
知っておきたい両立を支援する制度

とは?

​超高齢化社会を迎えている日本にとって、介護は切実な問題です。
昔とライフスタイルが変わり、核家族化してきたこともあって、
介護を受ける側が家に居ながらの介護は難しくなってきています。
また、最近では女性の社会進出が進んできたこともあり、男性そ
して女性ともに働きながら親の介護を続けていくことが求められ
るケースも増えています。
しかし、働きながら介護を続けていくのはなかなか容易ではあり
ません。
このような問題に対して、現在、国による支援制度が設けられて
います。

介護休業

働きながら要介護状態の家族を介護するための支援制度として、
「介護休業制度」が設けられています。
ここでいう要介護状態とは、「負傷、疾病または身体上もしくは
精神上の障害により、 2 週間以上の期間にわたり常時介護を必要
とする状態にある」ことをいいます。
護保険制度の要介護認定の条件とは異なりますので注意してくだ
さい。

制度を利用できる対象者

介護対象となる家族を介護する労働者(日々雇用を除く)が利用
できます。
期間を定めて雇用されているパートやアルバイトの方は、申し出
る時期によって条件が異なります。

<2022(令和4)年3月31日までの申し出>

入社1年以上であること
取得予定日から起算して、93日を経過する日から6ヶ月を経過
 する日までに契約期間が満了し、更新されないことが明らかで
 ないこと。


<2022(令和4)年4月1日以降の申し出>

取得予定日から起算して、93日を経過する日から6ヶ月を経過
 する日までに契約期間が満了し、更新されないことが明らかで
 ないこと。


介護の対象となる家族

配偶者(事実婚を含む)
父母

配偶者の父母
祖父母
兄弟姉妹


利用できる期間 対象家族1人につき3回まで(通算93日まで)

介護休業給付金

前述の介護休業を利用した場合、公共職業安定所に申請すること
で介護休業給付を受けることができます。
給付を受けるための要件は以下のとおりです。

給付要件

まず、家族を介護するための休業をした方であることが要件です。
そのうえで以下の要件を満たしている必要があります。

介護休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある
 完全月が1年以上あること。

介護休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12ヶ月ない場
 合であっても、当該期間中に本人の疾病等がある場合は、受給
 要件が緩和され、受給要件を満たす場合があります。


 そしてそのうえで、

介護休業期間中のそれぞれ1ヶ月ごとに、休業開始前の1ヶ月あ
 たりの賃金の8割以上が支払われていないこと

就業している日数がそれぞれの支給単位期間(1ヶ月ごとの期間)
 ごとに10日以下であること。


給付金額および給付期間

休業開始時賃金日額×支給日数×67% で計算された額が、93日

を限度に3回までに限り支給されます。
(参考:厚生労働省「介護給付」(※1))

介護休暇

介護休業とは別に、必要な時だけ休暇を取れる制度が介護休暇

です。
利用できる要件は介護休業とほぼ同じです。

取得できる日数および単位 対象家族が1人の場合:

年5日まで(対象家族が2人の場合は年10日まで)で、1日もしく

は時間単位で取得できます。

短時間勤務制度の利用

短時間勤務の内容は会社によって異なりますが、会社は介護を行

う労働者のために、以下のいずれかの制度を設ける必要があります。

1.短時間勤務制度
2.フレックスタイム制度
3.時差出勤制度
4.介護費用の助成措置

利用できる期間および回数

これらの制度は、対象家族1人につき、利用開始の日から連続す

る3年以上の期間で2回以上利用できます。

所定外労働時間の制限

残業免除ともいわれ、会社は従業員が介護のために申請した場合

は、残業を免除する義務があります。

利用できる期間

1回につき、1ヶ月以上1年以内の期間(回数の制限はありません)。

時間外労働時間の制限

従業員が介護のために申請した場合は、会社は、1ヶ月について

24時間、1年について150時間を超える時間外労働をさせてはな

らないことになっています。

利用できる期間

1回につき、1ヶ月以上1年以内の期間(回数の制限はありません)。

深夜業の制限

従業員が介護のために申請した場合は、会社は深夜に働かせては

ならないことになっています。

利用できる期間

1回につき、1ヶ月以上 6ヶ月以内の期間(回数の制限はありません)。
(ここまでの制度における参考資料:厚生労働省「介護休業制度」
 (※2))

まとめ

介護を理由とする離職を防ぐため、現在では仕事と介護を両立す

るためのさまざまな支援制度が設けられています。
また、これらの制度の導入は事業主の義務とされており、事業主

は介護のための制度を利用する従業員に対して不当な扱いをして

はならないとされています。
介護にあたっては、その状態によっては自治体への申請やケアマ

ネジャーとの話し合いなどが必要となります。
また、介護認定を受けてサービスが利用できるまでにはかなりの

時間がかかります。
その間は自分たちで介護を行うしかなく、仕事をしながらの負担

はかなりのものになるでしょう。
介護に集中できるよう、さまざまな制度が用意されていますので、
介護する家族の状態、そして自身の仕事の状況に合った制度を選

んで利用しましょう。

(※1)厚生労働省「Q&A~介護休業給付~」
(※2)厚生労働省「介護休業制度」