よっちんの思い出は美しすぎて2025年8月19日 | yottinのブログ

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8月19日火曜日晴れ。暑い。

今日は、俳句の日(勝手な命名)。

今が盛りなりと鳴く公園の蝉。

暑い所為か誰もいない静かな公園。

数本の高木に止まった蝉の鳴き声だけが

五月雨のように降り注ぐ。

『閑さや心にしみ入る蝉の声』

高木を見上げた先の

青空をぼーっと眺めていると

幻影が現れた。

麦わら帽子をかぶった俺と従兄が

トンボ網を持って蝉を追っている。

蝉を捕まえたが手で持てない俺。

従兄が掴んで虫かごに入れてくれた。

従兄の家はこの公園よりも広く、

高い樹木が何本もあった。

庭は煩いほどの蝉時雨。

庭の隅には川が流れていて、

土手のくるみの木に止まっている

蝉を捕まえようとして

麦わら帽子を川に落としてしまった。

従兄はじゃぶじゃぶ川に入って

麦わら帽子を取ってきてくれた。

優しい従兄だったんだ。

その従兄も2月に逝ってしまった。

青空に従兄の顔が浮かんだよ。

急に何とも言えない寂しさを感じた。

『うれしさはかなしみとなり蝉時雨』

阿部みどり女。

青空から従兄の顔が消えると、

蝉の鳴き声がするだけ。

子供の頃の楽しかった思い出から

現実に戻ったよ。

どうせなら、

あのまま夢を見続けていたかったな。

八神純子の歌じゃないけれど、

『思い出は美しすぎて

それは悲しいほどにもう二度と

手の届かないあなた遠い人』か。

ウェーン、ウェーン、爺時雨。

よっちんでした。