三島由紀夫を巡る女性たちに就いて、今迄幾度か当ブログに書いた。独身時代の三島が
交際した一般女性の他に文壇、映画や舞台等々を通じてお付合い、或は単なる交流をした
女性たちを含め、こんな女性達がいた。 (敬称略)
文壇関係) 有吉佐和子/森 茉莉/宇野千代/瀬戸内晴美
映画芸能関係)村松英子(女優)/越路吹雪(歌手)/若尾文子(女優)/美輪明宏
(当時シスターボーイと云われた丸山明宏)/岸田今日子(女優)
高峰秀子(女優)/石井好子(歌手)
プライベート)平岡瑤子(妻)/豊田貞子/湯浅あつ子/三谷邦子/東久世壽々子
北白川祥子/酒井美意子/紀平悌子/板谷諒子
三島由紀夫は、お付合いのあった人たちを小説のモデルにしていることが結構あるの
だが、無論そのまま私小説として描いている訳ではない、フィクッションとしているが
いつ頃お付合いしていた誰々さんをモデルとしていると容易に推定出来るものがある。
そして小説にする前、或は又脱稿後に三島『今度の小説XXXは君をモデルにしているよ』
と本人に伝えている場合もある。そして交際中に自分が女主人公として小説に書かれて
いる事に嫌気がさして別れた女性もいる。
【三島由紀夫の永遠の女性と云われている豊田貞子さん】
遍く知られている処では小説『沈める滝』の主人公の菊池顕子、そして、もう一つの
短編『橋づくし』の料亭の娘、満佐子としても登場している豊田貞子だ。この女性こそ
三島が心底愛していた女性だ。 此の女性と結婚していたら三島由紀夫の最期は違って
いたとも言われている程だ。
実際に彼女は赤坂の高級料亭『若林』のお嬢さんで、昭和29年7月三島は歌舞伎座の
中村歌右衛門の楽屋に偶々来ていた10歳年下の19歳の貞子を見初めたのだった。
この女性のエピソードに就いては、2020年12月9日付けの当ブログに書いたので見て
頂ければ幸いです。
(参考文献:評論三島由紀夫/三島由紀夫研究年表/直面三島由紀夫若き日の恋/
彼女たちの三島由紀夫)