当方は1997年の香港返還まで5年近く仕事で香港に駐在していた、そして当時の自由な
雰囲気の香港が好きだった。
1990年に中国全人代で採択された香港基本法には「高度な自治」を保障し、
「資本主義制度を50年間変更しない」と一国二制度を明記している。
昨1日の香港返還25年記念式典に出席した習近平は、香港に高度な自治を認めた
「一国二制度が成功だった」と自賛、中国共産党の一党独裁を正当化し、そして更に、
習近平は2019年に起きた大規模な政府への一国二制度を守れとの民主化デモ等を指して
「香港は乱れてはならない」と強調した。 どの口が言っているのか!
香港をこれ程までに混乱させたのは習近平の責任ではないのか。
2014年の大規模な雨傘デモは民主的な“普通選挙の実施”を求めたものだが、親中派が
8割以上を占める選挙委員の選定からして恣意的であり、民意が反映される 民主選挙
からは程遠い。 「高度な自治」を堅持しようと香港人が立ち上がったのを習近平は
どう考えているのだろうか。
【 ”雨傘運動” の民主活動家の周庭さんらも一時は収監された】
だが習政権は、2020年施行の反政府的言動を弾圧する香港国家安全維持法(国安法)
は民主派に壊滅的な打撃を与え、国際社会からは 「習近平は一国二制度を崩壊させた」
と猛烈に非難されているのは周知の事実だ。
そして習近平は、中国政府が香港に対して「全面的な管轄統治権」を持つと改めて強調し
これが香港に与えられた高度な自治の根源だ」と述べた。「中国共産党による指導は中国
の特色ある社会主義の最も本質的な特徴だ」とし、香港住民は「尊重すべきだ」と訴えた。
これで25年前までの ”自由な香港” は取り戻すことは夢のまた夢になってしまった、
残念無念の極み。
(掲載写真はAsahi.com/NNNニュースなどから転載)