音楽療法の効果 | ★こころノート★心の問題(心の悩み・心の傷・心の病)をいろいろな角度から考えるネットカウンセラーのブログ

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うつ病を治療されている方は、普段寝ていることもよくありますが、寝ていても眠くない時がかなりあるようです。

睡眠薬を服用しても眠れないこともよくあります。そんな時、雑誌や本を読んでも、テレビを見たりネットサーフィンをしたりしても落ち着かないこともしばしばです。

このような場合、マイナス思考で占められた脳が無秩序に活性化してしまっているのです。これを比較的安易に鎮め、心も体も安らかに安定させることができる方法の1つは音楽を聴くことでしょう。

音楽の治癒的とも言える癒し効果を療法的に研究したものが音楽療法です。音楽療法は古代ギリシャ時代から始まったといわれています。

音楽療法には、ストレスで疲れた心身を癒し、自律神経を正常に戻していく効果があると一般にいわれていて、ストレス解消効果が最も高いとされているのは、クラシック音楽です。

音楽療法にはいろいろなジャンルがありますが、ジャンルにとらわれずに自分の好きな音楽を聴くのが良いでしょう。


では、音楽にはなぜストレス軽減などの治療効果があるのでしょう。

社会的、精神的ストレスの増大は、心を落ち着かせる副交感神経を抑え、交感神経を優位にさせてしまう働きがあります。

これが不眠を引き起こし、気力、集中力の低下を招くのです。

自律神経をバランス良くさせるには、自然に触れる森林セラピーや適度な運動、呼吸法など多様な方法があると言われています。

その中で気軽に副交感神経を刺激できるのが音楽療法なのです。

自律神経はストレスフリーの状態であっても35歳ぐらいを過ぎると交感神経が優位に働いてきます。

そこに心身両面でのストレスが拍車をかけるのですから、常時アドレナリンが分泌されてしまいます。

これが一定の血中濃度を超えてくると不都合なことが起こってくるのです。

年齢差や個人差はありますが、アドレナリンが増えると血管が収縮するので血圧が上がります。

また、毛細血管に血が届きにくくなるので低体温や冷え性にもなります。

これらは健康面で大きなマイナスです。

毛細血管も含めて血流が悪くなるので、血が詰まりやすい状態になることで脳梗塞、心筋梗塞が心配されます。


白血球の約55%を占める好中球という免疫細胞があります。

これは体内に侵入した細菌を活性酸素で殺します。

ところがストレスが多い現代社会では、交感神経優位でアドレナリンが増えてくるので、この分だけ好中球が増えてきます。(アドレナリンが直接に好中球を活性化させるというのは、定説ではありません)

つまり、ストレスが多いと活性酸素も増えるのです。

好中球の寿命は2.5日くらいです。その後は血管や消化管の壁で死にますが、その時に活性酸素を体内に放出するのです。

このために、活性酸素が原因で、血管内では動脈硬化を消化管では潰瘍を引き起こします。

さらに遺伝子を傷つけ発がんにも結びつきます。

ストレスで胃潰瘍になるのは当然の流れなのです。


交感神経優位がさらに心までを脅かしてしまうというのが現代社会なのです。

ストレスを取り除くことだけでなく、加齢による交感神経優位を変えるため、副交感神経を刺激しバランス良くさせることがとても大事なことです。

交感神経優位の社会の中で、いかに副交感神経を保ってバランス良いものに変えていくことができるか、これがうつやがんを減らす近道になるのではないかと考えられます。

その方法の1つとして音楽療法があると考えればいいでしょう。

人は年齢に関係なく、副交感神経を刺激する周波数に対し生理的に反応します。

音に対して好き嫌いに関係なく直接的な生理反応を示すのです。

これは条件反射と同様のものと考えればわかりやすいでしょう。

人だけでなく、すべての動物にもあり、植物にもあります。

だから、ある種の音楽は生物全体に対して癒し効果があると言えるのかも知れません。


副交感神経を刺激する音域があります。

それを多く含んでいるのがモーツァルトの曲だと言われています。

ある音楽療法士の方は特にバイオリン協奏曲K218やK219を勧めているようです。

モーツァルト以外ではバッハのG線上のアリア、中国の二胡の曲なども高い効果を得るとのことです。


体は交感系、副交感系の神経に支配されています。脳内はセロトニンとドーパミンによって穏やかになったり行動的になったりします。

脳細胞は約1000億個あり、情報伝達と情報処理をしています。

そのメリハリは脳内の神経伝達物質が行います。

活性化する時はドーパミン、穏やかにするときはセロトニンが動いています。


脳が活発に動いているときはベータ―波が出て、音楽を聴いて安らかになるとアルファー波が出ます。

眠くなるとシーター波が、熟睡するとデルタ波が出ます。

脳が活発化する状態は持続性がないため、脳が疲れてしまいます。

一般的には45分から60分持続状態が続くと言われています。

この間隔で脳を休ませれば、次の集中力を生み出すことができます。


うつの人は、この脳のメリハリがない状態です。

いつもふさぎ込み、落ち込む、集中力がない状態が続きます。

そこでうつの人には能動的な音楽療法と受動的な音楽療法が必要になります。

能動的には歌を唄うことが一番です。

これで脳は活性化します。

その後は、受動的に音楽をBGMとして聴くことで脳のメリハリがとれ、改善へと向かう効果が期待できると考えられています。

現在の研究では、音楽は脳の複数の部分に働きかけるので、神経を伝達する道筋に深い部分で関われるとされています。

人が頭の中に保存している情報を外に出すのに、音楽が手助けをしてくれるのです。

そのため音楽は「記憶の扉を開けるカギ」とも言われており、子どものときに歌った唱歌や若いころに流行した曲を選ぶと、昔のことを思い出して、さらに脳を活性化させる効果も期待できます。

音楽を治療に応用するようになったのは、アメリカで第一次世界大戦の帰還兵のPTSD(心的外傷後ストレス障害)を癒したことが最初だと言われています。

その後、認知症やパーキンソン病、統合失調症の治療、うつ病の治療やがん患者の終末期のケアなど、様々な場面で利用されるようになりました。


音楽療法士にとって大事なことは、どんな音楽を選んで聴かせればいいのかということです。

音楽では薬と同じような作用を期待することは困難です。

要するに、「何々の曲が何々に効く」と単純に公式通りにはいかない面があるのです。


選曲にあたって重要なのは「同質の原理」と言われるものです。

同質の原理とは、患者の気分や精神テンポに合った音楽を使用するということです。

例えば、患者が憂鬱な状態であったなら、まず憂鬱な音楽をかけ、それから、だんだんと明るい方にもっていくようにするといったものです。

憂鬱だから元気にしようとして、いきなり明るい曲を聴かせるのはかえって良くないといわれています。従って選曲は、その時の気分に合った、好きな曲を聴くのが基本になると言えます。

気分が落ち込んでいるときに明るい曲で元気を出そうとすると、「悲しい」という感情を無理矢理閉じ込めてしまうことになるということに注意する必要があるわけです。

このように、癒しを得るためには、その時のその人の感情に最も近い音楽を聴くと良いというのが「同質の原理」です。

音楽療法の古典とされる「エドワード・ポドルスキー博士による音楽処方」というものがあって、うつなどの病状に合う曲が紹介されています。以下にそのリストがありますのでご参照ください。

http://www.bodysonic.cc/bodysonic/podolsky.htm



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