警戒区域で見た過酷な現実

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111211-00000530-san-soci


【福田徳行のふくしま復興コラム】

 東京電力福島第1原発事故で未だに多くの県民が県内外で避難生活を余儀なくされる中、原発から半径20キロ圏内で全員が避難している警戒区域の過酷な現状を目の当たりにして言葉を失った。

【図で見る】作業員死亡で浮かび上がる過酷で劣悪な作業環境

 11月16日。警戒区域に指定されている大熊町で、初めて住民のマイカーによる一時帰宅が実現し、報道陣も取材が認められたため、警戒区域に入った。

 午前8時すぎ、集合場所の広野町中央体育館には住民が続々とマイカーで詰め掛けた。防護服に着替え、車の屋根の部分には一時帰宅の印である赤いリボンが付けられた。帰宅が認められる時間は移動時間も含め5時間。住民たちは先を急ぐように我が家に車を走らせた。それを追うように報道関係者を乗せたバスが検問で警察のチェックを受け、いよいよ警戒区域内に入った。

 途中の道路は段差だらけで、道ばたの雑草が秩序もなく生い茂げっていた。紅葉だけが季節の移り変わりを感じさせる。ほどなく、バスは住宅が点在する場所に到着し、そこから報道陣が各々、取材のため民家を回った。

 歩くこと10分。自宅から思い出の品や生活用品を持ち出す老婆と息子を取材できた。この自宅は第1原発からわずか2キロの地点。黙々と持ち出し準備をする息子は開口一番、東電への怒りをぶちまけた。

 「死ぬまでに悲しみと怒りと憎しみを背負っていかなければならない。東電のやっていることは人の道を外れている。誠意を示してほしい」

 息子は抗議の意味で、持参しなければならない放射線の線量計を持ってこなかったという。「東電からは国の方針で線量計を下げてくれと言われたが、自分たちが起こした事故に対して国の方針というのはおかしい」と声を荒げた。傍らでは母親が黙々と冬物をビニール袋に入れていた。

 「じっちゃん(お爺さん)の冬靴も持って行がねば」

 年老いた体に防護服姿は痛々しく映り、改めて事故の爪痕の大きさを感じさせた。

 一通りの取材を終え、バスは大熊町と双葉町内の視察へと向かった。そこで見たものは想像を絶する世界だった。

 大熊町にある双葉病院。まず目に飛び込んできたのは外に無造作に置かれたベッドだった。その数は約30。同行した担当者に聞くと、地震発生と同時に患者が全員ベッドのまま外に避難し、そこから自衛隊の誘導で別の場所に避難したのだという。

 突然襲った巨大地震のショックからか、搬送中に亡くなった人もいたという。外側から病院内を除くと無数の布団が避難したそのままの状態で敷き詰められていた。患者はどれほどの恐怖を味わったのだろうか。パニックに陥ったのかもしれない。地震発生時の混乱した様子が垣間見えた。

 続いて訪れたのが大熊町内にある老人ホーム。ここは第1原発を望める高台にあるが、やはりホーム内は混乱の爪痕がくっきり残されていた。食器や食物があちこちに散らばり、ベッドも倒れていた。しっかりと時を刻んでいる目覚まし時計が妙に不気味さを感じさせる。わずか数キロ先に見下ろせる原発が人々の生活を奪ったと思うと、複雑な心境にかられた。

 報道陣を乗せたバスは最終目的地の大熊町の中心街に到着した。そこに飛び込んできたのは人間の息づかいが全く聞こえない非日常の世界だった。

 崩れ落ちた民家、中がめちゃくちゃになっている薬店、入り口のドアが壊れている電気店、放置されている自家用車、伸び放題となっている雑草…。こうした異様な光景の中、カラスの鳴き声と「ヒュー、ヒュー」という風の音だけしか聞こえてこない。街のあちこちには誰が置いていったのか、ペットフードがいくつもあった。もちろんそれを食べる犬猫の姿はない。

 約15分間、街を歩いたが、我々が日常暮らしている当たり前の姿が残念ながらここにはない。3月10日まではここでは人々があいさつしながら行き交い、笑い声が聞こえ、時には泣き、人の息吹が街を形作っていたと思うと、胸が締め付けられる思いがした。

 原発と共存共栄してきたにもかかわらず、一瞬にして人々の生活を奪った原発事故。これまでは映像でしか現場の状況を知ることができなかったが、今回、初めて警戒区域に足を踏み入れたことで、1日でも早く町の復興を果たさなければならないと感じた。

 11月に行われた大熊町長選では、現在のままでの町の復興を訴えた現職と町の移転を唱えた新人の一騎打ちとなったが、結果は現職が当選を果たした。町民は今のままでの大熊町の復興を選択したのだ。

 以前、青森市に避難している大熊町の一家を取材した時の母親の言葉を思い出した。「必ず大熊町に帰るんだという気持ちを持ち続けたい。山があって川があって…。やはり故郷は忘れられない」。故郷を思う気持ちを持ち続けることで、不便な避難生活の中にも唯一の心のよりどころとなる。

 11月16日は故郷とは何か、原発とどう向き合えばいいのかを改めて考えさせられると同時に今後、記者生活を続けていく上で一生忘れることができない1日となった。

除染ガイドラインを作成 環境省

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111211/t10014558471000.html


原発事故で広がった放射性物質を取り除く除染について、環境省は、除染に携わる自治体や市民向けに、効果的な除染の手順や除染で出た土の保管方法などをまとめたガイドラインを作成しました。

このガイドラインは、福島県の警戒区域などを除いた地域で除染を行う場合を想定して作られたもので、11日に開かれた環境省の専門家による検討会で示されました。ガイドラインは、▽放射線量の測定方法▽除染の方法▽除染で出た土などの収集と運搬の方法、それに▽土などの保管方法の4つのパートに分かれ、図解による説明も含め164ページにわたっています。

この中では、建物、道路、土壌、草木など対象ごとの除染手順が示されています。建物では、むやみに水を使うと放射性物質を含む水が周辺に飛び散り、汚染を広げることになるので、高圧洗浄機も落ち葉やこけなどを手で取り除いた後に使うことで、できるだけ水の量を少なくしたり、排水はバケツで回収したりすることが望ましいとしています。一方、除染で出た土の保管については、土の濃度や量ごとに適した保管容器の種類や住民の居住地域から隔離すべき距離が示されています。このうち、住宅の除染で出る4立方メートルほどの土を庭などで保管する際には、土のう袋に入れて防水シートで覆いをしたうえで、家屋から1メートル以上隔離することや、2万立方メートルほどの大量の土を地域で保管する際には、住宅から4メートル以上離れた場所に仮置き場を作り、大気中や地下水の放射線量を定期的に測定することで、安全を確保する必要があるとしています。

環境省は「具体的な仮置き場のイメージを示すことで、難航している仮置き場の確保が前進するきっかけになってほしい」と話しています。このガイドライン案は、今週水曜日にも公表される見通しで、環境省は東北や関東の自治体を対象に説明会を開き、理解を求めていくことにしています。

復興庁発足、2月に前倒し…復興相が言明

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111211-00000241-yom-pol


 平野復興相は11日、NHKの番組で、東日本大震災からの復興策を統括する復興庁の発足について、「3月ではなくて、2月を目途にやりたいと思っている」と述べ、当初想定していた来年3月1日から前倒しする考えを示した。

 復興庁の発足日については、9日成立した復興庁設置法を巡る国会審議でも早期設置を求める声が上がっていた。

自民党:河野太郎元幹事長代理 「脱原発」素案を提出

http://mainichi.jp/photo/news/20111209k0000m010002000c.html  


 自民党の「エネルギー政策議員連盟」代表世話人の河野太郎元幹事長代理は8日、国会内であった議連の会合で、東京電力福島第1原発事故を受けて「脱原発」を目指す新たなエネルギー政策の素案を提示した。商業用原子炉の新増設禁止、運転開始後40年たった原子炉廃炉のほか、再生可能エネルギーの電力需要量に占める割合を20年までに20%、50年までに50%にする目標の設定などが柱。来年2月にも提言として発表し、党のエネルギー政策の見直し議論に反映させたい考えだ。

原発:耐震指針改定へ…「海外の大津波も考慮を」

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111210k0000m040093000c.html


 原発の安全審査の基準となる耐震設計審査指針の改定を議論する内閣府原子力安全委員会=班目(まだらめ)春樹委員長=の小委員会は、原発ごとに最大規模の津波を想定する際、周辺地盤の調査だけでなく、海外で起きた大規模津波も考慮するよう求める方針を固めた。12日の小委員会で指針改定案をまとめる予定。

 現行指針では「極めてまれに発生する可能性がある津波によっても、安全機能が重大な影響を受けない」としか規定がない。電力各社は、02年の土木学会の基準に基づき、周辺で過去に起きた地震から想定津波の高さを設定。しかし、東京電力福島第1原発事故では5.7メートルの想定津波を超える約13メートルの津波に襲われ非常用発電機が水没。全電源が喪失し炉心溶融を招いた。

 改定案では、各原発周辺の地震動調査に基づいて規模を想定するだけでは「限界がある」として、海外で起きた大津波の発生機構の類似性などを比較するよう求める。海外で起きた地震に伴って発生する「遠地津波」も考慮するよう規定する。

 一方、想定を超えた津波が来た場合の対応については、指針ではなく電力各社に義務づける「過酷事故対策」で、機器、部屋、建屋の各段階で止水対策などを講じるよう事業者に求める方向で、安全委が最終調整を進めている。

玄海原発:1号機が定期点検入り 佐賀

http://mainichi.jp/select/photo/news/20111202k0000m040090000c.html


 九州電力は1日、玄海原子力発電所1号機(佐賀県玄海町)が同日午後6時に定期検査入りしたと発表した。玄海1号機の定期検査入りで、国内の原発54基のうち稼働中は9基となった。九電管内に限れば全6基のうち5基目の停止となり、25日には残る玄海4号機も定期検査に入る。

 玄海1号機は出力55万9000キロワットで、九電管内で最も早い1975年10月に稼働した。経済産業省原子力安全・保安院の11月29日の意見聴取会では、専門家から、想定以上に圧力容器が劣化しているとして廃炉を求める意見も上がった。【

海原発:冷却水漏れ1.8トン 九電公表せず

http://mainichi.jp/select/jiken/news/m20111210k0000e040127000c.html


 九州電力は9日深夜、定期検査中の玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機で、原子炉補助建屋内にある1次冷却水の浄化やホウ素濃度調整をするポンプから1次冷却水1・8トンが漏れたことを明らかにした。九電は当初ポンプの温度上昇のみを同日午後3時半以降に佐賀、長崎両県や報道各社に伝えたが、1次冷却水漏れは公表しなかった。

 九電によると、9日午前10時48分、3号機の充てんポンプ3台のうち稼働中だった1台で、通常は30~40度の温度が80度以上に上昇して警報が鳴った。このため、休止していた他のポンプに切り替えた。1次冷却水はコバルトなどの放射性物質を含んだ汚染水で、原子炉補助建屋内のピットと呼ばれる回収ますに出たが、回収。外部への影響はないという。

 3号機は昨年12月11日に定期検査入り。原子炉内には燃料が装着されており、冷温停止状態を保つために冷却水を循環させていた。九電は高温になった原因は、冷却水不足や1次冷却水の不良などの可能性があるとみて調べている。

 九電は、温度上昇の警報が鳴った約4時間半後の9日午後3時半以降に佐賀、長崎両県、同6時ごろに報道各社にポンプの異常のみを知らせた。汚染水漏れについては、報道機関の問い合わせに、事実関係を認めていた。九電によると、汚染水漏れが設備内にとどまっているケースでは法規上、公表する必要はないという。九電は「1次冷却水の漏れは原子炉補助建屋内にとどまっており、広報する必要はないと判断した」と説明した。

 経済産業省原子力安全・保安院も、今回のポンプの異常や冷却水漏れは、法令による報告義務の対象にあたらないとしている。ただし、九電からは、警報が鳴ってすぐにポンプを停止し、冷却水が外部に漏れていないことや、モニタリングデータに問題がないとの報告があり、原因を調査することを確認したという。【

<福島第1原発>浄化汚染水の海への放出 当面見送りに

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111208-00000114-mai-soci


 東京電力は8日、福島第1原発の「中期的安全確保の考え方」に基づく施設運営計画を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。建屋地下などに流入した汚染水を浄化して海に放出することを検討したものの、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の抗議などを受けて計画には盛り込まず、当面見送ることにした。

【写真特集】福島第1原発:淡水化装置から汚染水流出

 東電は同原発の冷温停止状態を維持するための施設運営計画の策定にあたって、汚染水の処理方法を検討。地下水が建屋内に1日あたり200~500立方メートル流入して汚染水が増え続けており、将来貯蔵タンクの容量を超えると試算した。汚染水や地下水を新たに処理し、法律に基づく放射性物質の濃度限度を下回らせて放出することを検討していた。だが、全漁連から8日に抗議を受けて再検討していた。

 提出した計画は、原子炉格納容器や使用済み燃料プールからの燃料取り出しなどについて策定した。保安院は9日、専門家の意見聴取会を開いて計画の妥当性を評価する

東電、汚染水の海洋放出を検討=低濃度処理、来年3月にも―全漁連が抗議

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111208-00000054-jij-soci


 東京電力が福島第1原発1~4号機のタービン建屋などにたまった高濃度汚染水を、原子炉等規制法が定める基準値以下のレベルに下げた上で、海洋に放出することを検討していることが8日、分かった。同社によると、来年3月上旬に滞留水が現行のタンク容量を超える可能性があるためで、経済産業省原子力安全・保安院に提出する中長期の施設運営計画に盛り込む方針という。
 同日東電を訪れた全国漁業協同組合連合会の服部郁弘会長らが明らかにした。東電は「まだ実際に放出するかどうかは決めていない」としている。
 東電の松本純一原子力・立地本部長代理によると、福島第1原発では現在、地下水の流入により、1日当たり200~500トンとされる滞留水が生まれている。現在のタンク増設は年内に終了する予定で、高濃度汚染水を基準値以下に浄化するシステムを検討している段階という。
 松本代理は「放出する際には、諸外国にもきちんと説明したい。施設運営計画に具体的にどのように盛り込むかはまだ検討中」と述べた。
 服部会長は東電に対し、「4月4日の汚染水放出は国際社会の痛烈な批判を浴び、国内でも水産物の安全に対する不安をかき立て、漁業者を苦しめている。二度と流させないという申し入れを無視した計画書の提出は決して許されない」と強く抗議。対応した西沢俊夫社長は「(なるべく)海への流出がないよう努めたい」と話した。