米原子力委 日本の発表は適切


http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20111220/index.html


日本を訪れているアメリカ原子力規制委員会のヤツコ委員長は、福島第一原子力発電所を事故後初めて視察したあと、都内で記者会見し、日本政府が「冷温停止状態」になったと発表したことについて、適切な判断だと評価したうえで、再発防止に向けて今回の事故を巡る国際的な情報の共有が重要だとの考えを示しました。
アメリカの原子力発電所の規制・監督を担う原子力規制委員会のトップを務めるヤツコ委員長は、19日、事故後初めて福島第一原発を視察し、20日午後、都内のアメリカ大使館で記者会見しました。
この中でヤツコ委員長は、福島第一原発では、事故後、不測の事態に備えた様々な対策が取られたと指摘したうえで、「原子炉内の温度は十分に下がった」と述べ、日本政府が「冷温停止状態」になり、事故の収束に向けた工程表の「ステップ2」の完了を宣言したことを適切な判断だと評価しました。
また、ヤツコ委員長は、原発の安全対策を巡る日米の協力関係について、「今回の事故によって、両国の協力関係はさらに強固なものになった」と指摘したうえで、「事故の情報共有をどのように進めていくか、国際社会が大きな関心を寄せている」と述べ、今回の事故を巡る国際的な情報の共有が重要だとの考えを示しました。

12月20日のニュース一覧
米原子力委 日本の発表は適切 (12月20日 23:30更新)
2、3号機取水口 濃度横ばい (12月20日 23:30更新)
東北・関東の放射線量 20日 (12月20日 20:15更新)
除染地域指定 懸念や不公平感も (12月20日 6:45更新)


これまでのニュース

国会原発事故調査委が初会合 (12月19日 23:15更新)
取水口付近の濃度 横ばい続く (12月19日 23:15更新)
国負担で8県102市町村除染 (12月19日 17:45更新)
東北・関東の放射線量 19日 (12月19日 17:45更新)
東電福島第一原発 汚染水230トンを発見 (12月19日 6:15更新)
避難区域再編 地元から懸念も (12月19日 6:15更新)

自民党エネルギー政策議連の提案(たたき台)…河野太郎氏のブログより

http://www.taro.org/2011/12/post-1137.php


自由民主党エネルギー政策議連で提案する、「新しい日本のエネルギー政策の提案」の議論のたたき台です。

ひろく皆様からのご意見をお待ちしております。
http://www.taro.org/contact/ より、ご意見をお寄せください。

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「新しい日本のエネルギー政策の提案」(案)

商業用原子炉の新増設は今後、行わない。

運転開始後40年を経過した原子炉は廃炉にする。

現在国内にある原子炉(54基)の中で、電力の安定供給のために必要な原子炉数を特定し、その他の原子炉は安全性の問題の大きいものから順次廃炉にする。

原子力安全庁は三条委員会として新設する。

原子力安全基盤機構は原子力安全庁に統合し、また、核、放射能関連事業を行っている中央官庁の部門も原子力安全庁に統合する。

原子力関連予算を整理統合し、再生可能エネルギーやスマートグリッドの普及拡大、シビアアクシデント対応および高レベル放射性廃棄物と使用済み核燃料の中間貯蔵と最終処分の予算にその大部分を組み替える。

環境関連法令の適用除外を削除し、原子炉由来の環境汚染について環境省も所管する。

全ての原子力発電所および関連事業、使用済み核燃料およびその最終処分責任を電力会社から国に移管する。

電力会社の地域独占を廃止し、電気事業を自由化する。総括原価方式は速やかに廃止する。

電力会社の配送電部門を分離独立させ、送電網会社を設立する。送電網への発電会社からのアクセスの平等性、公平性を担保する。

東京電力には公費の追加投入をせず、債務超過になった時点で破綻処理を行い、一時的な国有化を行う。ただし、燃料の購入その他事業の継続に影響が出ないように資金繰りは政府が全面的に責任を持つ。国有化後に、発電部門、配送電部門、福島第一・第二原発処理部門に三分割し、発電部門、配送電部門は再上場する。

高速増殖炉は、全ての原子炉がフェードアウトされる時期に実用化が間に合わないので開発を中止する。

「もんじゅ」を廃炉にする。地域への財政および雇用に関する支援を当面、国が行う。「もんじゅ」に替わる国の研究施設を地域に設立する。

六カ所再処理工場は稼働させずに廃止する。地域への財政および雇用に関する支援を当面、国が行う。再処理工場に替わる国の研究施設を地域に設立する。

再処理を前提とする現行の特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律を改正する。

日本が保有するプルトニウムを国際管理に移管する。

使用済み核燃料の原子力発電所内での乾式貯蔵を始める。

使用済み核燃料の乾式貯蔵による長期中間貯蔵施設を建設する。

日本原子力研究開発機構を改組し、福島原発の廃炉管理、放射性物質の除洗技術の開発、使用済み核燃料および高レベル放射性廃棄物に含まれる放射性物質の半減期をより短くするための研究開発を実施する。

原子炉の輸出に関する政府の支援は行わない。

NPTに加盟していない国との原子力協定を速やかに破棄するとともに、NPTに加盟していない国々に対するいかなる原子力関連物品、サービスの提供を禁止する。

企業の生産性と国民生活の利便性を損なうことなく、2020年までに国内の電力需要量20%削減、2050年までに国内の電力需要量40%削減を目指した省エネ目標を設定し、必要な法令改正および研究開発支援を行う。

スマートグリッド導入に関する検討を進め、必要な法令改正を実施する。

再生可能エネルギーの固定価格の買取制度を充実させる。再生可能エネルギー普及のための規制緩和並びに法改正を速やかに実施する。

2020年までに再生可能エネルギー(水力含む)で電力需要量の20%をまかない、2050年までに再生可能エネルギー(水力含む)で電力需要量の50%をまかなうための導入目標を設定し、必要な法令改正および研究開発支援を行う。

国内の周波数問題の解消に向けての戦略を定める。

高圧直流電線によるアジアグリッドの研究を進める。

2012YOKOHAMA脱原発世界会議…2012.1.14-15 パシフィコ横浜

「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」

未来をつくる、世界とつくる

福島の原発事故による放射能の被害が広がる中、私たちは何を学び、どこへ向かうのか。世界の中で考えましょう。原子力に別れを告げ、自然エネルギーを中心とする新しい社会をつくりだすときです。国境や世代をこえて、集い、学び、一歩踏み出しましょう。

「脱原発世界会議」がめざすもの

世界へのメッセージ: 福島から学び、世界中の経験を交流させながら、原子力からの脱却を発信します。
行動の提言: 世界の叡智を結集させ、日本や各国がとることのできる行動計画をつくり、提言します。
できること発見: くらしの中で生かせる実践例にあふれ、新しいアイデアやプロジェクトが生まれる場をつくります。

開催趣旨

2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力の福島第一原発での事故は、世界に大きな衝撃を与えました。地震、津波、核災害という三重苦の中で日本の人々は、命の重みをかみしめながら、復興へ歩もうとしています。しかし原発はいまだ安定せず、労働者は過酷な業務を余儀なくされています。放射能汚染が広がり、子どもたちを含む多くの人々が被ばくを強いられ、政府の支援がないために避難もできずに、健康被害におびえています。地域経済は破壊されました。 →続きはこちら  

イベント詳細

タイトル:「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」
日時: 2012年1月14日、15日
場所: パシフィコ横浜
   アクセス方法は、パシフィコ横浜のホームページよりご確認ください。
   
http://www.pacifico.co.jp/visitor/accessmap.html
12月14日チケット販売開始予定

実行委員会

脱原発世界会議 2012 YOKOHAMAは、実行委員長を吉岡達也(ピースボート共同代表)とする実行委員会が下記6団体により形成され、ピースボート内に事務局が設置されます。


オフィシャルサイト 

http://npfree.jp/


チケット購入 → http://npfree.jp/ticket.html


会議プログラム → http://npfree.jp/download/20111213_Overview_A4.pdf


資料ダウンロード → http://npfree.jp/download.html

東日本大震災:「ゆうだい君の手紙」が本に 僕のお父さんは東電の社員です。

http://mainichi.jp/life/edu/maishou/news/20111125kei00s00s007000c.html


突然とつぜんですが、ぼくのおとうさんは東電とうでん社員しゃいんです。

 毎小「ゆうだいくん手紙てがみ」をまとめた書籍しょせきぼくのおとうさんは東電とうでん社員しゃいんです」が、本日発売ほんじつはつばいされました。東京電力福島第とうきょうでんりょくふくしまだい原発事故げんぱつじこをめぐり、小学生しょうがくせいから大人おとなまで毎小まいしょうつうじて意見いけんわした紙面しめん内容ないようが、ほんというかたち記録きろくのこることになりました。

 ◇まだまだつづ原発問題げんぱつもんだい

 「ゆうだいくん手紙てがみ」とは、4月上旬がつじょうじゅん東京都とうきょうと小学しょうがくねんのゆうだいくん仮名かめい)が毎小編集部まいしょうへんしゅうぶおくってくれた手紙てがみのことです。3がつ11にち東日本大震災ひがしにほんだいしんさい東電福島第とうでんふくしまだい原発事故げんぱつじここり、原発げんぱつ管理かんりしていた東電とうでんへの批判ひはんたかまっていた時期じきでした。

 そのさなかにとどいたゆうだいくん手紙てがみには、「突然とつぜんですが、ぼくのおとうさんは東電とうでん社員しゃいんです」とつづられていました。そして、「事故じこ責任せきにん東電とうでんにある」とみとめたうえで、「原発げんぱつつくったきっかけは、電気でんき必要ひつようとした日本人全体にっぽんじんぜんたいにあるといえるので、責任せきにんはみんなにもある」とうったえ、「いま大切たいせつなことは、みんなではなうことです」とむすばれていました。

 5がつ18にち毎小まいしょうでこの手紙てがみ=<下>抜粋したばっすい=を紹介しょうかいしたところ、ゆうだいくんびかけにこたえ、全国ぜんこく読者どくしゃから編集部へんしゅうぶおおくの手紙てがみとどきました。小学生しょうがくせいだけでなく、中高大学生ちゅうこうだいがくせいどもをおやからの手紙てがみもありました。

 あつまった手紙てがみは、ゆうだいくん賛成さんせいのものもあれば、東電とうでん政府せいふへの批判ひはん節電せつでん方法ほうほう原発げんぱつわるエネルギーげん提案ていあんなど、さまざまな内容ないようでした。一部いちぶ紙面しめん紹介しょうかいしたところ、その意見いけんたいする手紙てがみがさらにとどきました。まさに、ゆうだいくんのぞんだ「みんなではなう」毎小まいしょうつくることができました。

 書籍しょせきでは、紙面しめん紹介しょうかいできなかった手紙てがみふくむ、えらばれた65つう全文ぜんぶん掲載けいさいされています。そして、映画監督えいがかんとく作家さっか森達也もりたつやさんが、すべての手紙てがみとおした感想かんそうせてくれています。

 がったほんをいちはやんだゆうだいくんは、「想像そうぞうよりもたくさんの手紙てがみあつまっておどろきました。みなさん、ぼく手紙てがみについて、あんなにかんがえてくれてありがとうございます」と感激かんげきしていました。

 ただ、原発事故げんぱつじこから8かげつてもなお、事態じたい収束しゅうそくしていません。調査ちょうさすすみ、放射性物質ほうしゃせいぶっしつ福島県ふくしまけんだけでなく、ひろ首都圏しゅとけんまでらばったこともかりました。わたしたちは、事故じこからなにまなび、日本にっぽんをどうなおしていくのか、まだまだかんがえなければならないことはたくさんあります。「ゆうだいくん手紙てがみ」はまだつづくのです。

==============

 突然とつぜんですが、ぼくのおとうさんは東電とうでん社員しゃいんです。(省略しょうりゃく原子力発電所げんしりょくはつでんしょつくったのはだれでしょうか。もちろん、東京電力とうきょうでんりょくです。では、原子力発電所げんしりょくはつでんしょつくるきっかけをつくったのはだれでしょう。それは、日本人にっぽんじん、いや、世界中せかいじゅう人々ひとびとです。そのなかには、ぼくも、あなたもはいっています。

 発電所はつでんしょやさなければならないのは、日本人にっぽんじんが、夜遅よるおそくまでスーパーをけたり、ゲームをしたり、無駄むだ電気でんき使つかったからです。

 さらに、発電所はつでんしょなかでも、原子力発電所げんしりょくはつでんしょつくらなければならなかったのは、地球温暖化ちきゅうおんだんかふせぐためです。その地球温暖化ちきゅうおんだんかすすめたのは世界中せかいじゅう人々ひとびとです。

 そうかんがえていくと、原子力発電所げんしりょくはつでんしょつくったのは、東電とうでんふくみ、みんなであるとえます。

 ぼくは、東電とうでん過保護かほごしすぎるかもしれません。なので、こういう事態じたいこそ、みんなではなってきめるべきなのです。そうすれば、なにかいいあんまれてくるはずです。そして、みんなでこの津波つなみりこえていきましょう。(毎小まいしょうがつ18日掲載にちけいさいより)

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 ここに再掲さいけいしたゆうだいくん手紙てがみ抜粋ばっすい、そして、今回出版こんかいしゅっぱんされたほんんで、ともだちや家族かぞくとさらにはない、いまのあなたのかんがえを手紙てがみいておくってください。紙面しめん紹介しょうかいします。

 〒100-8051(住所不要じゅうしょふよう) 毎日小学生新聞まいにちしょうがくせいしんぶん 「ゆうだいくん手紙てがみ

※販売元「現代書館」のサイトhttp://www.gendaishokan.co.jp/ http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-5671-2.htm

※アマゾンの購入サイト

http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%83%95%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%88%B6%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AF%E6%9D%B1%E9%9B%BB%E3%81%AE%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%81%A7%E3%81%99-%E6%A3%AE%E9%81%94%E4%B9%9F-%E8%91%97%EF%BC%8B%E6%AF%8E%E6%97%A5%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E7%94%9F%E6%96%B0%E8%81%9E-%E7%B7%A8/dp/4768456715/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1324204348&sr=1-1


「見なかったことにはできない」/篠山紀信

 「激写」シリーズや有名女優のヘアヌード、カメラを連結する「シノラマ」、最近ではデジタル写真集など、常に新しい表現に挑み続ける巨匠が、東日本大震災の被災地を取材した最新作「ATOKATA」(日経BP社)を刊行した。迷いとためらいを乗り越えての撮影行だったという。3・11を境に「表現が変わらなかったらウソです。これからいろんな表現が出てくるはず」と熱く語る。写真家は、震災とどう向き合ったのか-

以下下記のサイトヘ

http://www.sankei.co.jp/netview/yahoo/kdk/111213.html



篠山紀信オフィシャルサイト

http://www.shinoyamakishin.jp/index.html

細野大臣 “除染などに全力を”

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111217/k10014715751000.html


細野原発事故担当大臣は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の収束に向けた工程表の「ステップ2」の完了を政府が宣言したのを受けて、17日、福島第一原発を訪れ、今後は、住民の帰宅に向けた除染などに全力を挙げる考えを強調しました。


以下、下記のサイトヘ

        ↓

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111217/k10014715751000.html

東電福島第一原発 安全維持と廃炉が課題


http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20111217/1030_kadai.html


政府は16日、東京電力福島第一原子力発電所の事故収束に向けた工程表の「ステップ2」を達成したと宣言しました。
今後は、原発の安全性を維持するとともに、最長で40年を目標に進められる過去に例のない廃炉作業という二重の課題に挑むことになります。
政府は16日、福島第一原発について、原子炉の底の温度が安定して100度以下になり放射性物質の放出が抑制される「冷温停止状態」となったとして、工程表の「ステップ2」を達成したと宣言しました。
しかし、福島第一原発では、今月上旬、汚染水の処理施設で水漏れが発生し、高濃度の放射性ストロンチウムを含む水150リットルが海に流れ出て、管理が十分にできていないという批判を受けています。
原子炉を冷やしながら汚染水を処理するといった、原発の安全性を維持する作業は、これまでと変わらずに今後も続くことになります。
また、野田総理大臣が16日に「事故そのものが収束に至ったと判断される」と発言したことに対し、地元福島県からは「まだまだ早計だ」「避難生活を続けているうえ、除染も終わっていないので、全く収束してない」といった批判の声も多く聞かれ、政府が今後地元に対しいかに説明をするかも課題となりました。
さらに国と東京電力は、来週、廃炉に向けた新たな工程表を公表する予定で、1号機から3号機の原子炉から溶け落ちた燃料の取り出しや原子炉や建屋の解体を最長で40年を目標に進めることになります。
この中では、格納容器を修理して水で満たしたうえで、溶け落ちた燃料を遠隔操作のロボットで取り出すという、世界でも過去に例のない作業を長期間にわたって続けなければなりません。
このため原発の安全性を維持するとともに、廃炉作業という二重の課題に挑むことになり、これまで以上の対策や態勢作りが求められることなります。

12月17日のニュース一覧
原発作業員 ノロウイルス集団感染か (12月17日 14:45更新)
東北・関東の放射線量 17日 (12月17日 17:40更新)
“原子炉の状況把握が重要” (12月17日 13:45更新)
東電福島第一原発 安全維持と廃炉が課題 (12月17日 10:30更新)

「原発事故収束」住民なお不安 安全な帰宅、いつ実現

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111217-00000102-san-soci


 政府が福島第1原発の冷温停止状態を16日、宣言した。「事故そのものは収束に至った」と野田佳彦首相。だが地元は「関係ない」と冷ややかだ。住民らが何よりも求めているのは「安全な帰宅」。今後、検討が始まる避難区域の見直しにも、「本当に帰れる状態になるのか」と、期待と不安が錯綜(さくそう)する。

 ▼「帰りたい」

 「帰りたい。帰りたいよお」。福島県浪江町から二本松市の仮設住宅に避難している無職、菊地ナミ子さん(74)は話すうちに涙が止まらなくなった。

 避難区域の見直し作業では、放射性物質の自然減衰や除染の効果を慎重に見極めることになるが、長期間にわたり人が住めない地域も出るとみられる。仮に帰宅が現実味を帯びてきたとしても、地震で損壊した道路や学校、水道などのインフラ整備も大きな課題となる。

 菊地さんは、「原発がどうなったって関係ない。帰りたいけど、どうせ帰れない」と、帰郷への思いに揺れる胸の内を語った。

 年間被曝(ひばく)量が現状でも20ミリシーベルト未満の地域が大半と、落ち着きつつある楢葉町出身の無職、佐竹和夫さん(73)は「除染が終わるのはいつのことになるのか。3年くらいしたら帰れるのかな」と話す。だが、政府の発表をにわかには信じられない。「宣言は嘘で、放射能はまだ漏れてるんじゃないか?」。避難先の会津若松市は、楢葉町より雪が多い。「遠くに来てしまったなあ」

 やはり楢葉町から会津若松市の仮設住宅に避難している主婦、坂本美香子さん(37)は「放射能もあるし、子供の学校もこっちに慣れたから帰れない」と話す。避難区域の指定が解除されたとしても避難を続けるつもりだ。

 ▼不信の言葉 

 地元行政側も、これまでの政府の対応に振り回されてきただけに、不信の言葉が出る。

 「本当に収束したのか。大気に放射性物質は出ていないのか。余震や津波が来たときの構えはどうなっているのか」。浪江町の馬場有(たもつ)町長は宣言に対して、立て続けに疑問を投げかけた。

 町長は、最悪、帰還実現が困難となった場合の対応も考え始めている。町外に住民や企業を集める集積地を確保して、そこで生活をするという。

 大熊町の渡辺利綱町長は「放射性物質の放出も抑制されて安定が続いている」と事態が落ち着いてきたことに安堵(あんど)する。その上で「『事故収束』とは、冷温停止のことではなくて、町民が戻って安心して生活できる状態のこと。今回の宣言は一里塚にすぎない。除染、廃炉などこれからが大事だ」と話した。

 避難区域の見直しについては「戻るか戻らないかで、町が分断される不安が現実に起きてくる」と新たな課題を指摘した。

 福島県の佐藤雄平知事は冷温停止宣言について、「故郷帰還の思いが実現する新たな一歩と期待しているが、事故収束に向けた道のりは長く、険しい。完全収束の道半ば」と厳しい表情。「県民は汚染水などの放射性廃棄物が増え続けることに不安を感じている」とも指摘した。福島県では、今後の具体的な工程の情報開示と、避難区域の設定見直しについての方針を示すよう国に求めた。

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<福島3号機>現場独断で冷却停止…3月13日、高圧注水系

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111216-00000017-mai-soci


 東京電力福島第1原発事故で、3号機の原子炉を冷やすための最後の要となる「高圧注水系(HPCI)」が3月13日に現場の独断で止められ、再起動できなくなっていたことが、政府の事故調査・検証委員会の調べで分かった。3号機は翌日、水素爆発した。1号機でも冷却装置「非常用復水器(IC)」が止まったが、吉田昌郎前所長が稼働していると誤認して事故対応していたこともすでに判明している。指揮系統が機能していなかったことが重大事故につながった可能性がある。今月末に公表される中間報告書に、こうした対応が不適切だったと記載される模様だ。

【すべてはここから】津波に襲われる福島第1原発の写真特集

 ◇政府事故調、中間報告へ

 東電が今月2日に公表した社内調査中間報告書などによると、3号機では東日本大震災が発生した3月11日、電源が喪失し、「原子炉隔離時冷却系(RCIC)」と呼ばれる別の冷却系が作動、原子炉に注水した。だが、12日午前11時36分には原因不明で停止。原子炉の水位が低下し同日午後0時35分にHPCIが自動起動したが、13日午前2時42分に停止した、としている。

 複数の関係者によると、事故調が経過を調べた結果、運転員がバッテリー切れを恐れ、吉田前所長の判断を仰がずHPCIを止めたことが分かった。その後、HPCI、RCICともに起動を試みたが再開しなかった。報告書は「HPCIを止めない方がよかった」と指摘する見通し。

 一方、報告書は津波対策にも言及するとみられる。東電は08年、想定していた高さ5・7メートルを上回る10メートル超の津波の可能性を試算したが、社内で「防潮堤のかさ上げは費用が高くなる」との意見が出された。当時原子力設備管理部長だった吉田前所長らが「学術的性格の強い試算で、そのような津波はこない」と主張したこともあり、具体的な対応は見送られたという。

 さらに、報告書は法律に基づいて設置された現地本部が十分機能しなかったことや、政府が「炉心溶融(メルトダウン)」を軽微に感じさせる「炉心損傷」と修正した点にも触れる見込み。閣僚の具体的な関与では今月から聴取を始めており、来夏に作成する最終報告書に盛り込む。

 ◇高圧注水系◇

 非常時に原子炉内に注水するために備えられた緊急炉心冷却装置(ECCS)の一つで、原子炉内の水位が異常に下がった場合に働く。原子炉の余熱で発生する蒸気を利用してタービン駆動のポンプを動かし、復水貯蔵タンクなどの水を勢いよく炉内上部から炉心(核燃料)に注ぎ込む。停電時でもバッテリーで使用できるのが利点。

 ◇解説…有事の指揮系統、機能せず

 これまで東京電力は「原発事故防止のためにさまざまな取り組みをしてきた」「想定を上回る津波だった」などと主張してきた。しかし、政府の事故調査・検証委員会による関係者聴取から浮かぶのは、「不十分な備え」であり、「人災」という側面すらみえる。

 同委員会の調査で、福島第1原発3号機で「高圧注水系(HPCI)」を運転員が独断で止めたことが判明した。今夏までの調査でも1号機の非常用復水器(IC)の停止を吉田昌郎前所長が把握できていなかったことが判明している。重大事故時の備えがなく、運転員にこのような行動をさせた点こそ問題だ。

 また、東電の過酷事故時の手順書には、全電源喪失が長時間続くことを想定せず、格納容器を守るためのベント(排気)の手順なども盛り込まれていなかった。備えが不十分で現場の指揮系統が混乱し、最善策を取れなかったとうかがわせる。

 過酷事故対策は79年の米スリーマイル島原発事故を契機に、世界的に整備が進んだ。日本でも検討され、原子力安全委員会は92年、事業者に過酷事故対策を求めた。だが、事業者の自主性に委ね、それ以来、対策内容を見直してこなかった。あらゆる警告を謙虚に受け止めることが関係者に求められる。


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教科書、原発の負の側面を強調 各社が訂正申請


http://www.asahi.com/national/update/1215/TKY201112150707.html


 東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故を受け、来年度の小中高校の教科書の多くが書き換えられる。文部科学省によると、中学の教科書では全体の3割で訂正申請が出された。原発については安全性の記述が弱まり、負の側面を教える記述が増えた。「シーベルト」などニュースでよく耳にする言葉も盛り込まれた。

 文科省によると、来年度発行予定の教科書は小中高で計約1300点。今月8日までにこのうち106点について震災・原発事故関連の訂正申請があり、認められた。

 とくに中学校用は全131点の3割近い37点に及んだ。検定作業が終了したのは3月末で、直前に起きた震災と原発事故は盛り込めなかったため、検定段階の内容から改めた。高校用の大半と小学校用は現行の教科書を書き直した。

 原発関連はこれまで効率の良さや温暖化への影響の小ささの記述が目立ったが、負の側面の記述を大幅に増やした教科書が多い。

 東京書籍は高校現代社会で「原子力発電の『安全神話』は根底から覆された。世界では『Fukushima』の事故を契機に、原子力発電所の全廃を決めるなど『原発推進』を見直す国が出てきている」とした。開隆堂出版は中学技術・家庭(技術分野)で「原子炉は、コンクリートなどでできた何重もの厚い壁で守られ」との記述を削除した。

 清水書院の中学社会(公民)も「(事故が起きれば)大きな被害が生じる危険性がある」を「とり返しのつかない大きな被害が生じる」と強めた。一方、太陽光などのクリーンエネルギーの記述は「石油や石炭をおぎなえるようにはなっていない」から「大きな期待がかけられている」へと前向きに書き直した。

 放射線への関心の高まりを受け、放射線の強さと体への影響の関係を示した図や「暫定規制値」といった言葉、「シーベルト」の説明などを書き加えた教科書もある。数研出版の高校物理基礎は、放射線の影響を「将来のがんの発症の原因となったり、被曝(ひばく)量が大きい場合には急性の障害を引き起こすこともある」と説明した。