東電総合特別事業計画 多くの課題


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120428/t10014785001000.html


東京電力の経営改善策を盛り込んだ総合特別事業計画が27日、枝野経済産業大臣に申請されましたが、家庭向けの電気料金の値上げなど、今後の計画の実現に向けては多くの課題が残されています。

東京電力は27日、政府が出資する原子力損害賠償支援機構とともに、1兆円規模の公的資金投入などを盛り込んだ総合特別事業計画をまとめ、枝野経済産業大臣に申請しました。
計画には、家庭向けの電気料金を10%程度、値上げすることや、新潟県の柏崎刈羽原発の運転再開を目指すことなども盛り込まれ、枝野大臣の認定を受ければ、東京電力の経営は危機的な状況からはひとまず脱することになります。しかし、料金の値上げを巡っては利用者からの反発が予想されるほか、柏崎刈羽原発の運転再開についても、立地自治体を含め国民の理解が得られるかどうかは極めて不透明な情勢です。
さらに今回の計画では、数兆円単位とみられる廃炉の費用は手当てされていないうえ、原発事故の賠償の対象が今後どこまで拡大するかも見極められない状況が続いています。
今回の計画について、東京電力の新しい会長に事実上決まっている、機構の下河辺運営委員長は「一大難事を解決していくには、東京電力のみならず、政府、機構、そして金融機関など、関係者がそれぞれの立場で緊密に協力なければ前に進まない」と述べており、今後、計画を実現し、東京電力の経営改善を図るには、依然として多くの課題が残されています。

<大飯原発>再稼働で説明会開く 町民から不安の声相次ぐ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120426-00000101-mai-soci


 定期検査のため停止している関西電力大飯原発3、4号機の再稼働問題で、立地自治体の福井県おおい町は26日夜、町民向けの説明会を同町総合運動公園体育館で開いた。町民約8800人のうち546人が出席し、柳沢光美副経済産業相らが再稼働の安全性と必要性について説明。住民からは安全性に対する不安の声も相次いだ。

【これだけは見過ごせない】原発再稼働の問題点とは

 原発再稼働を巡り政府が住民に直接説明するのは初めて。再稼働の可否を判断するにあたり、住民が政府から直接説明を聞く必要があるとして、町が要望していた。

 説明会への参加は安全確保を理由に町民に限り、会場に金属探知ゲートを設けるなど厳重な警戒が敷かれた。

 説明会で、ある男性は事故時の拠点となる免震事務棟が未完成であることに触れ、「建ててから再稼働の話をしてもらいたい。原発が動かないことによる雇用問題にも緊急対策をしてほしい」と求めた。別の男性は「この地域は地震と無縁ではない。想定以上の揺れが来たらどうなるのか。大飯原発の下に活断層があるのかどうかの検証なくして再稼働はありえず、あまりに拙速すぎるのではないか」と指摘した。

 また、無職の男性(55)は取材に「周辺自治体の了解なく再稼働させたら、『加害者』の立場になる。『そんなに原発マネーがほしいか』と言われたくない」と話した。

 時岡忍町長は終了後、「私自身としては安全を大前提に(再)稼働できればと思う」と従来の主張を改めて述べたが、町としての判断については、「住民の理解が得られたかどうかは議会の意見を聴いて判断したい」などと話すにとどめた。

 同原発3、4号機を巡っては、野田佳彦首相と関係3閣僚が今月13日、政府の決めた「安全性の判断基準」を満たしていると確認し、夏場の電力不足緩和のためにも再稼働が必要と結論付けた。翌14日、枝野幸男経産相が福井県を訪れ、西川一誠知事と時岡町長に再稼働を要請した

放射性物質:高線量域20年後も 政府、初の予測地図公表

http://mainichi.jp/select/news/20120423k0000m010076000c.html?inb=yt


 政府は22日、東京電力福島第1原発事故で福島県内に放出された放射性物質を巡り、20年後までの年間空間線量率の予測図を発表した。昨年11月の航空機モニタリング結果を基に▽12年3月末▽1年後▽2年後▽5年後▽10年後▽20年後--の6枚を公表。平野達男復興相は「理論値に基づいた予測図であり、除染の要素は加味していない」と説明した。

 政府が長期にわたる将来予測図を示したのは初めて。各自治体が住民の帰還計画などを作る際の判断材料にしてもらうため、第1原発から北西方向に延びる高汚染地帯を中心に作成した。それによると、原発が立地する大熊町と双葉町の境界付近では20年後でも居住が原則制限される帰還困難区域(年間被ばく線量50ミリシーベルト超)が、両町に加えて浪江町、葛尾村では居住制限区域(同50ミリシーベルト以下20ミリシーベルト超)が残る。

 予測図は福島市内でこの日開かれた原発周辺の8町村長との意見交換会で示した。帰還困難区域は賠償が長期にわたるため、細野豪志原発事故担当相は「しっかり検討する地域だと認識している」と述べた

<原発30キロ圏>「避難対策めど」ゼロ 21道府県調査

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120423-00000015-mai-soci


 東京電力福島第1原発事故を受け、国が事故時に避難などの措置をとる範囲に指定する方針の原発30キロ圏について、住民全員の避難手段と避難先確保のめどがついた地域は、現時点では一つもないことが、毎日新聞の調べで分かった。渋滞対策など課題が山積し、実現性を疑問視する自治体も目立つ。国は原発の再稼働を急ぐが、人口密度の高い日本では、前提となる十分な防災対策が困難な現実が浮き彫りになった。

 国は防災対策が必要な区域を現行の8~10キロ圏(防災対策重点地域、EPZ)から30キロ圏(緊急防護措置区域、UPZ)に広げる方針。今後発足する原子力規制庁が決め、シミュレーションも行う。

 05年の国勢調査を基に原発周辺の人口を調べた谷謙二・埼玉大准教授(人文地理学)によると、54基の商業用原発(今月19日付で廃止された福島第1原発4基を含む)の30キロ圏には全国で延べ約442万人が居住し、最も多い茨城県の日本原子力発電東海第2原発周辺は約93万人に上る。

 それぞれの30キロ圏に入っている計21道府県に取材した結果、避難手段の確保では、北海道電力泊原発のある北海道だけがバス1500台で住民7万5000人を搬送するめどが立っていると答えた。当該区域に人の住んでいない岐阜県を除く他の19府県は検討中か今後検討するとし、茨城県は「非常に難しい」との見解を示した。

 また、大半の県は自家用車による避難を想定。人口の多い地域や道路、橋など避難ルートが限られている地域では、大渋滞で立ち往生する可能性も指摘されている。

 一方、避難先を確保しているのは九州電力玄海原発の30キロ圏内の佐賀、長崎両県だけで、30キロ圏外にある学校や公民館を地域ごとに割り当てている。両県とも避難手段は自家用車が原則。渋滞対策や自家用車のない人たちをどう避難させるかは今後検討するという。

 更に、入院患者や介護が必要な高齢者の避難対策は事実上手つかずの状態だ。西端の一部が玄海原発の30キロ圏にかかっている福岡県のみが「入院患者は県内の災害拠点病院に受け入れ可能」と回答したが、移送手段は決まっていない。他の県からは「病床の空いている病院を探すのは難しい」(長崎県)、「県境を越えた対応が必要だが、自治体同士の調整には限界がある」(島根県)などの声が上がっている。

この国と原発:第5部・立ちすくむ自治体 遅れる政府防災指針 地方の計画に支障

http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20120423ddm010040023000c.html?inb=yt


 東京電力福島第1原発事故は、住民の生活を根こそぎ奪い、原発の「安全神話」を打ち砕いた。人口密度の高い国土に54基(今月19日付で廃止された同原発4基を含む)もの商業用原発が建つ日本。50キロ圏に国民のほぼ1割の1200万人が住んでおり、被害を最小限に抑える体制の確立は急務だ。しかし、政府は防災指針も固まらないなか、関西電力大飯原発(福井県)をはじめとする停止中の原発の再稼働へ突き進んでいる。原子力防災と、その最前線である自治体の現状をまとめた。

 福島の事故を受けて、原子力防災指針の見直しを進めていた内閣府原子力安全委員会の専門部会は3月、中間とりまとめを出した。眼目は、従来原発から半径8~10キロ圏だった防災対策重点地域(EPZ)を緊急防護措置区域(UPZ)として30キロ圏に広げた点だ。

 また、5キロ圏を直ちに圏外への避難を求められる予防防護措置区域(PAZ)とし、50キロ圏の放射性ヨウ素防護地域(PPA)では、放射性ヨウ素が甲状腺に蓄積するのを防ぐ安定ヨウ素剤の準備を義務づける。

 更に、福島事故で、入院患者や高齢者が避難中に亡くなったことを考慮。患者らを搬送する際に海路の活用を検討したり、移動による被ばくや疾患悪化のリスクを踏まえて病院内に一時待機したりすることを検討すべきだとした。

<大飯再稼働>滋賀知事「時間かけ議論」…副経産相が説明

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120423-00000044-mai-soci


 定期検査で停止している関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働判断を巡り、牧野聖修・副経済産業相が23日、滋賀県庁を訪れ、嘉田由紀子知事に政府の判断理由を説明した。現時点での再稼働を「見切り発車」と批判する嘉田知事は、京都府の山田啓二知事と共同で7提言を国に提出している。

【大飯原発】「被害地元」を強調 京都・滋賀知事、国に7項目共同提言

 嘉田知事は「滋賀の場合1450万人の水源をお預かりしている。福島の原子力災害は人ごとではない。節電には昨年に続き今年も協力したい」と述べた。

 牧野副経産相は「脱原発依存の政府の方針は変わらない」と述べたうえで、資料を読み上げる形でストレステスト(安全評価)の結果、夏の電力需給見通し、電気料金の値上げなどを挙げ、「この1年間積み重ねた対策や知見を踏まえた判断基準がいずれも満たされていると判断した」と再稼働に理解を求めた。これに対し嘉田知事は「少し時間をいただき、今後設置する専門家委員会で議論し、市町や議会の意見も聞き、知事として責任ある判断をしたい」と述べるにとどめた。

 牧野副経産相は同日午後、京都府庁に移動して山田知事とも面談する

元北電職員が実名激白 「原発ゼロでも電気は足りる。泊停止を機に自然エネ転換を」


http://news.livedoor.com/article/detail/6484900/


震災から1年を経た今年3月11日、旭川市内で開かれたイベントで、元北電職員が一般市民120人を前に口を開いた。「原子力発電所が停まっても、電気は賄えるんです」。在職中から反原発の立場を公にし、今もその姿勢を貫く水島能裕さん(65)。福島第一事故後はいっそうその思いが強まった。これを機に自然エネルギーへ舵を切らないと、日本は大変なことになってしまう――。電力供給不足を盾に再稼動を唱える原発推進派に、職歴35年の元当事者が顔と名前を晒して反論する。

(聞き手・小笠原淳 、北方ジャーナル 2012年5月号に掲載)

■「元北電」は困るって北電の関係者に言われました

 水島さんは58歳で北電を退職、子会社の北電興業に5年間在籍し、63歳で引退した。マンション管理士の資格を活かし、管理組合連合会の役員を引き受けてから1年が経とうとしていた2011年3月、東北地方を襲った巨大地震の報に接することになる。すぐに頭をよぎったのは「福島」の被害状況。直後から、新聞・テレビ・雑誌・インターネット等の報道をくまなくチェックし、あらゆる情報を集め続けた。

     ◆   ◆   ◆

 3・11以降、新聞や雑誌に片っ端から眼を通しました。北方ジャーナルも拝見してますよ。まさに地震の起きた日に店頭に並んでいた『週刊現代』に東京電力のタイアップ広告が載っていたのも憶えてます(同2011年3月12日号・19日号)。お笑いの浅草キッドが柏崎刈羽原発の所長にインタビューする趣向で、「中越沖地震でもほとんど被害がなかった」とアピールしている記事。しかし、あそこは7機中3機が以後もトラブル続きで再稼動できないままでしたし、変電所の火災では自力消火ができていません。地震の被害は決して小さくなかったんです。

 それから3年半もの間、国と電力会社は中越沖の教訓を生かすことをせず、地震・津波による電源喪失の危険について何の対策も講じませんでした。3・11直後の福島第一でも、廃炉を恐れて格納容器への海水注入をためらったことがわかっています。

 今年3月11日に旭川平和委員会など11団体が主催した講演会では、一連の報道からの引用に私自身が調べた事実を加えて資料をつくり、参加者の皆さんに配布しました。その資料は北電にも渡しましたので、社内で回されていると思います。イベント翌日の新聞記事に私の名前が出たので(「北海道新聞」旭川地域版3月12日付夕刊)、すぐに北電の関係者から電話があり、どんな話をしたのかと訊かれました。その時にメールで送ってあげたんです。反論などはとくに届いてません。「『元北電職員』というのはやめて欲しかった」と言われましたが、もう出ちゃったからどうしようもないですね。その後UHBの番組に出た時も、とくに何も言われませんでした(『スーパーニュース』3月19日放映)。

 福島の事故から1年、日本は何も変わらないのではないかと危惧しています。ドイツは昨年6月、電力量の24%を占める17基の原発を10年でゼロにすると決めました。日本では原発を減らす方針も示されないまま、再稼動に前のめりになっています。

 私が訴えたかったのは、北電には段階的に泊を停める計画をつくって欲しいということ。3号機も20年ぐらいで廃炉にするとか、長期的な計画を立てて貰いたい。同時に、できるだけ早く風力や太陽光などの自然エネルギーに転換していく。そうすれば電力は充分に賄えます。そして、原発の使用済み核燃料は原則として地元で管理する。泊の物は泊でずっと管理し続けていくしかないと思います。

■自然エネの可能性に期待してるんです

 4月1日に着任した北電の川合克彦新社長は、役員人事を発表した3月29日の記者会見で、改めて泊再稼動への強い意志を表明した。同社は昨年来、原発停止時の電力供給不足について再三その深刻なことを訴え続けている。一方、自然エネルギーの連系(発電者から電力会社への送電)を希望する声は増えており、北電の発表によれば11年度の風力発電受付には計187万kWの応募があり、また太陽光発電(メガソーラー)の連系検討申し込みは計90万kWになった。これらをすべて受け入れるには、道内で7000億円の費用(うち5000億円は電源開発所有の「北本連系線」分)と15年以上の時間が必要と北電は説明するが、水島さんはもっと早く、安く実現できるという考えだ。

     ◆   ◆   ◆

 風力と太陽光、合わせて270万kW以上の申し込みがあったわけですよね。それだけあれば、原発なしでもやっていけますよ。

 道庁が公開している資料によれば、太陽光発電の稼働率(設備利用率)は現在12%、風力は26%となっています(同経済部産業振興局環境・エネルギー室「北海道の省エネルギー・新エネルギー促進の取組について」12年2月16日)。ただ、経産省のまとめを見てみると、風力の稼働率はもっと大きい。冬から春にかけての宗谷管内などで40%を超えていて、発電所単位で見れば1月の胆振管内で67・3%に達したこともあるんです(同原子力安全・保安院 北海道産業保安監督部「北海道における風力発電の現状と課題」11年9月29日)。北海道の冬は、風が強いでしょう。まさに電力の需要が最も大きくなるのが、その季節ですよね。電気が最も必要な時期に、風力発電の稼働率が最も大きくなる。

 今の連系申し込みをすべて北電が受け入れたら、2年ぐらいで自然エネルギーに転換できますよ。スペインでは、日本の半分の系統容量で日本の10倍の風力を導入できていて、電力量で2割を超える最大の電源になっています。お金だって、原発推進派が言うほどはかからない。そもそも、原発は安全性の確保や万が一の事故対応、廃棄などに膨大なコストがかかるんです。それに対し、小規模分散型の風力や太陽光は、普及さえ進めばすごい勢いでコストが下がっていきますよ。

 自然エネルギーは不安定だ、という批判もよく聞かれます。これも、普及が進めば安定してくる。瞬時の変動ではなく、ゆったりとした変化になる筈です。天然ガスや水力などの電源で供給調整は可能ですし。

 何よりも、自然エネルギーは膨大です。持続可能なのは自然エネルギーだけと言ってもいい。私は北電で、幌延や利尻の風力発電所の土地取得を担当したんですが、その時「日本は風力が遅れてるなあ」と実感しました。図書館に通って文献を読み漁り、自然エネルギーの可能性に期待したものです。太陽光も日照率の高い北見などで進んでたのに、補助金が出なくなってほとんどなくなってしまいました。

 原発をすぐやめろ、とは言いません。ただ、時間をかけてもいいから自然エネルギーへのシフトを進めていって貰いたいんです。送電網などに大きなお金がかかる、との話もありますが、自然エネルギーは本来地産地消なんです。工夫すればそれらの費用も抑えられると思います。

■福島が「泊」だったら北電は潰れてますよ

 その職場を選んだ理由は「北海道内に勤務できそうだったから」という。空知の産炭地・上砂川町で生まれ育った水島さんは、地元の高校から東北大法学部に進学。就職活動を控えた3年生のころに父を亡くし、「北海道に戻って欲しい」と母に請われて北電の門を叩くことに。以来、58歳で退職するまで最初の勤務地・旭川から一歩も動かず、最後まで部下を持つ"ライン職"に就くこともなかった。一貫して反原発の姿勢を崩さなかったことで、面と向かって「会社を辞めろ」と言われたことが何度もある。それでも留まり続けたのは、「異論があったほうが組織は発展する」と信じていたからだ。

     ◆   ◆   ◆

 原子力行政については、就職前はさほど大きな関心を持ってませんでした。ただ、こういうふうには思っていました。電力会社は潰れないだろう、潰れるとしたら原子力発電所がらみだろう――。

 私の入社前年に組合が分裂しまして、全北電というのと北海電労というのがあったんです。私は多数派の北海電労に参加し、青年・婦人部で活動しました。その集会でいろいろ発言してたのが原因なのか、気がつくと「あいつは本店に行かせるべきじゃない」ということになってたんですね。原発の情報を漏らされたら困る、みたいな。私、現相談役の近藤龍夫さんと同期なんですよ。彼は新入社員の時から本店で原子力セクションに就いていました。旭川支店長を務めたことがある南山英雄さんも、九州電力の玄海原発に20年ほど出向していたと話していました。お2人はその後、社長になりました。

 当時、大卒の新入社員はだいたい3年ぐらいで一度本店に行くことになってたんですが、私は一回もなかった。25歳で結婚したんですが、母親は「息子さん、定年までいても係長にもなれないね」と言われたって言っていました。私も腹を括って、20歳代で旭川にマンション買ってしまいましたよ。そこに、もう38年住んでます。

 逆のパターンもあるんです。「岬めぐり」と呼ばれてたんですが、とにかくあちこち次々に転勤させられる。原発反対の立場を捨てれば、支店や本店に戻して貰える。そういう人もいたようです。私は、予想通り最後まで旭川。

 組織というのは不思議なもので、ほんとに悪い人なんてあんまりいないんです。ただ、一人一人が集まって大きな組織になると、違う顔が見えてくる。後輩の中には、屈託なく「水島さん原発反対でしょ、なんで北電にいるの」と訊いてくる人もいました。私は「たまに毛色が違うのがいてもいいじゃないか」と。みんながみんな同じことを考えてたら、会社なんて発展しない。考えの違う者を排除せず、異論に耳を傾けたほうがいい方向に行くと思うんです。

 昨年、プルサーマルシンポジウムでのやらせが発覚しましたが、実際にやらせが日常的に行なわれていたかどうか、私は知りません。ただ、「泊人事」という言葉は聞いていました。自嘲的に「ぼくは泊人事ですから」と言う人に会ったこともあります。原発立地の地元から1人採用すると10人黙らせることができる、なんて言われていました。東電に勤めていた拉致問題の蓮池透さんも、いわゆる"柏崎人事"で採用になったらしく、著書にいきさつが書いてあります(『私が愛した東京電力』かもがわ出版、2011年)。

 1954年3月にビキニの核実験があった時、私は小学2年生でした。同じ年の11月に『ゴジラ』という映画が公開されます。あの怪獣は、放射能による突然変異で生まれたという設定なんですね。北電に入社し、原子力の何たるかを知った私も、入社当時はまだ「使用済み核燃料は、30年も経てばきっと最終処分の方法が見つかるだろう」と楽観していました。科学の進歩がそういう問題を解決してくれると思っていたんです。しかし、未だにそんな技術は生まれていません。これからもあり得ないでしょう。原子力発電は、人間がやるべきことではなかった。福島のような事故が泊で起きたら、北電なんてすぐ潰れてますよ。

 今回、名前が出てしまったことで、いろいろなところから反響がありました。OBの中には賛同してくれる方もけっこういますし、4月15日には札幌で音楽をやってる若い人たちの企画で、ススキノのバーで講演させて貰うことになりました。今後もそうしたイベントなどを通じ、ささやかながら声を上げていこうと思っています。

(3月25日午後、旭川市内で収録)

(聞き手・小笠原淳、北方ジャーナル 2012年5月号に掲載)

◇関連サイト
・月刊誌「北方ジャーナル」 - 公式ブログ
http://hoppojournal.kitaguni.tv/
・小笠原淳 - ツイッター
https://twitter.com/ogasawarajun

福島第一原発1~4号機、19日付で廃止に

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20120419-00000046-nnn-soci


 事故を起こした福島第一原発の1号機から4号機が、19日付で法的に廃止される。

 東日本大震災で施設が大きく損傷した福島第一原発の1号機から4号機は、電気事業法に基づき、19日付で法的に廃止される。これにより、現在、国内に54基ある原発は20日午前0時をもって50基に減少する。4基の廃止により、東京電力が所有する原発は13基となり、発電能力は事故前に比べて約16%減少する。

 一方、福島第一原発では燃料の取り出しなどが行われておらず、施設としては今後も存続することなどから、地元の福島・大熊町は今年度も固定資産税などを課税し、復興財源に充てる方針。今後、4基の施設を解体して最終的に廃炉にするには、少なくとも30年以上かかるとみられている。

【関連記事】
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4月16日 4号機使用済燃料プールの温度上昇について 小出裕章(ソコトコ)

http://hiroakikoide.wordpress.com/


2012年4月16日(月)、文化放送の「吉田照美 ソコダイジナトコ」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。

テーマは……。

・4号機の使用済燃料プールの温度上昇
・夜間の青白い光
・2号機の格納容器内の水位(そこから60センチ)
・遮水壁が作られない理由
・新しく見直された3つの避難区域
・スイシンジャーへの出演

についてです。