こんにちは!
いかがお過ごしでしょうか?
久し振りにお話を書きました。
良かったら、読んでみてください♪
ヘビさんは気づきました
あるところに、小さな丘がありました。
その丘のてっぺんに、まっしろいヘビが住んでいます。
そのヘビが、シクシクと泣いています。
「ひとりぼっちはイヤなのに、ひとりぼっちでいないといけない。だってわたしはヘビだから。わたしを見ると、みいんな、叫んで逃げてゆく」
そう言って、シクシクシクシク泣いています。
おや?
花束が歩いてきました。
ちょろちょろちょろちょろ。
右に左に揺れながら、花束が歩いてきます。
あれ?
花束ではないようです。
花をたくさん抱えたネズミのようです。
そのネズミは、ヘビのそばに来て言いました。
「泣かないで、ヘビさん。ボクも嫌われているよ。ボクを見ると、みいんな、汚いって言うんだ」
ヘビは、涙を流しながらネズミを見ました。
「そうなの。でもネズミさん、なんだかあなた、とっても幸せそうよ」
「うん。幸せだよ。だって、こんなにきれいな花があるのだもの。ほら、あそこに」
ヘビは、ネズミが指さした方を見ました。
「あら、きれい……」
チューリップ、パンジー、タンポポ、それから、名前の知らないいろんなお花。
ネズミが指さした方には、お花畑が広がっていたのです。
「こんなに近くにお花畑があったなんて。泣いてばかりいたから、気づかなかったわ」
そうつぶやいたヘビは、少し考えました。
次に首を振って、涙を払い落としました。
そして、ネズミににっこりと笑いかけたのです。
「ネズミさん、ありがとう。わたし、もしかして、とっても幸せかもしれないわ」
