ヘビさんは気づきました | めむたんの絵本

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めむたんは、Amazonで絵本を電子出版しています。
タイトルは、「きみといっしょに」、「あのもんのなかに」等です。

絶賛発売中です!!

こんにちは!
いかがお過ごしでしょうか?

久し振りにお話を書きました。
良かったら、読んでみてください♪

ヘビさんは気づきました

あるところに、小さな丘がありました。
その丘のてっぺんに、まっしろいヘビが住んでいます。
そのヘビが、シクシクと泣いています。
 
「ひとりぼっちはイヤなのに、ひとりぼっちでいないといけない。だってわたしはヘビだから。わたしを見ると、みいんな、叫んで逃げてゆく」
 
そう言って、シクシクシクシク泣いています。
 
おや?
花束が歩いてきました。
 
ちょろちょろちょろちょろ。
右に左に揺れながら、花束が歩いてきます。
 
あれ?
花束ではないようです。
 
花をたくさん抱えたネズミのようです。
 
そのネズミは、ヘビのそばに来て言いました。
 
「泣かないで、ヘビさん。ボクも嫌われているよ。ボクを見ると、みいんな、汚いって言うんだ」
 
ヘビは、涙を流しながらネズミを見ました。
 
「そうなの。でもネズミさん、なんだかあなた、とっても幸せそうよ」
「うん。幸せだよ。だって、こんなにきれいな花があるのだもの。ほら、あそこに」
 
ヘビは、ネズミが指さした方を見ました。
 
「あら、きれい……」
 
チューリップ、パンジー、タンポポ、それから、名前の知らないいろんなお花。
ネズミが指さした方には、お花畑が広がっていたのです。
 
「こんなに近くにお花畑があったなんて。泣いてばかりいたから、気づかなかったわ」
 
そうつぶやいたヘビは、少し考えました。
次に首を振って、涙を払い落としました。
そして、ネズミににっこりと笑いかけたのです。
 
「ネズミさん、ありがとう。わたし、もしかして、とっても幸せかもしれないわ」

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