一枚の葉書に君はあふれてて涙でにじむサヨナラの文字
祥子さんが家のポストをのぞくと、ダイレクトメールに紛れるようにして、一枚の葉書が入っていました。
送り主の名は、清水隆。
祥子さんの恋人です。
二人は5年前に大学のサークルで知り合いました。
初対面のはずなのに始めから会話が弾み、祥子さんは、あっという間に恋に落ちました。隆さんにとってもそうであったようで、すぐに二人は恋人同士になりました。
それは、社会人になってからも、遠距離恋愛という形で続いていました。
そんなある日の、隆さんからの葉書でした。
「葉書なんて珍しい・・。」
そうつぶやきながら葉書の文字を読み始めた祥子さんの目に、みるみる涙があふれました。
葉書の最後には、
『今までありがとう。さよなら。』
と書かれていたのです。
