この人と あっちの人と あの人と
数えきれない 皆の大空
「空はどこからが空なの?」
幼稚園へと向かう道で、タケオくんはママに聞きました。
「う~ん、そうねえ・・・」
ママは空を見上げて考えます。
「う~ん、おてての届かないところからかな?」
「ふ~ん。」
何を思ったのか、タケオくんはしゃがみこんで、地面に手をかざしました。
「じゃあ、アリさんのお空はでっかいねえ。こ~んなちっちゃいところから空なんでしょう?」
しゃがんだまま空を見上げるタケオくん。
ママもいっしょにしゃがんで、空を見上げます。
「うん、でっかいねえ。アリさんにとっては、タケちゃんもママも、お空の中にいる人なんだね。」
「うん、そうだね!」
二人はにっこり笑いあい、また、幼稚園へと歩き始めました。
