U先生の事務所へ到着したのは21時を回っていたと思う。


初回接見を終えて、事務所へ戻ってこられた時刻あたりに伺った。


着手金の説明、成功報酬の説明、出張費、実費でかかる費用の説明。


ごく普通の一般家庭にとって高額であることは間違いない。


「本当に、宜しいですか....??」


と、先生に確認されたが、私たちの意思は固まっていた。


「やれるだけのことはやりたいのでお願いします。」


と言って、正式に私選弁護人を依頼する契約書を交わした。



そこからは、明朝、準抗告に動いて頂けるとの事で、書類などこちらで準備していたものをお渡しした。


まず


①両親親族からの陳述書


これは、主に、私達家族、親族で、息子を解放してくれたら、責任持って監督します!というような文書。

私達親族は皆んな近くに住んでいるので、皆んなでしっかり協力していきます。との誓約。

更に身体拘束が長期間にわたることによる不利益が、息子の更生を逆に妨げてしまうのではないかと言う部分にもスポットをあてた。高校を退学になってしまうと自暴自棄になることも予想されるので逆に更生しにくくなる、このまま高校を続けることによって、もう一度真面目に更生させます!という内容を盛り込んだ。

最後に両親の他、両祖父母、叔父叔母にも署名捺印してもらい、これだけの大人の目で息子を監督していくことを約束した文書として仕上げた。


②前年度の通知表

息子は真面目に学校へは通っていたので通知表を添付した。

前年度は遅刻は数回あるものの、欠席はたった1日

だったので、その証明になるかなと思って。


③被害者への両親からの謝罪文

まだ示談は進んでいなかった。

検察庁も相手方と連絡が取れていない。と。

でもお会いできるとなった時点で焦らないよう、前もって作っていた。

その謝罪文を準抗告で提示する事で、謝罪する意思はしっかりあるという証明にもなる。




以上が準抗告で、私達両親から準備した書類。


完全にど素人が考えて、準備作成したものなので、何が正解かはわからない。


効果があるのかないのかも分からない。


でも私達なりに、勾留に代わる観護措置決定を下した裁判所には、私たちの思いは伝えたかった。


簡単に言ってるつもりはないが、


鑑別所に収容されるのは罰が重すぎると思った。


怒りの表現の仕方を息子は確実に間違えたけれど、


それまでの息子は、ほんとにどこにでもいる少しふざけた男子高校生だった。


まだまだやり直しが効く段階で、やり直すチャンスを与えてほしかった。




それらの書類をU先生に託し、事務所を後にした。


もう夜中に近くなっていたが、U先生はU先生からの書類を色々と作成してくださり、


明朝の準抗告の準備は整った。





この1日が、朝から夜中まで。


本当に目まぐるし過ぎて、


体感は1週間ほど経ったような感覚の1日だった。