警察署からの帰り道。
時間は帰宅ラッシュに差し掛かっていた。
国選弁護人でこのままいくのか。
私選弁護人(U先生)に新たに依頼するか。
人混みの雑踏の中、歩きながらずーっと考えていて、
でもやっぱり考えが纏まらなくて、
でもとりあえず相談したいという気持ちは抑えられなくて。
帰宅ラッシュの人混みの中、U先生に電話をした。
無料相談に行ってから、現在までの経過。
国選弁護人の見解。
国選弁護人に信頼をおけていないこと。
被害者の供述経過。
現在容疑をかけられている罪名よりは恐らく軽くなるだろうと言われていること。
U先生は丁寧に私の話を聞いてくださった。
ただ。
(鑑別所から出すという希望は)かなり可能性的に厳しいものがある。
簡単に「頑張りましょう!」とは言えない。
もし、そう言ってくれる弁護士の方が他にいるなら、そちらにお願いされた方が良いかもしれない。
との答えだった。
やっぱり、結果は同じなのなら、国選弁護人にこのままお願いするしかないのかな。
このままあと4週間も学校に嘘は突き通せないし、
いずれバレて、本当の事を話さないといけない日がくる。
私立高校で校則も厳しく、退学は免れることは不可能と簡単に予測できた。
これから先どうするかな。
息子の将来が。
息子の未来が。
不安で、心配で。
でも諦めれなくて。
そんな時、主人が背中を押してくれた。
普段は正直ほんとに頼りなくて、私が決定権を握っているような家庭。
でもそんな主人が。
「やれるだけのことやって、それでも無理なら諦めもつくけど、やらなかったらずっと後悔するんちゃう?」
後悔はしたくない。
今、私選をつける100万円は今の私達にとって大金なことは間違いないけれど。
長ーい人生というスパンで見たら、たった100万円で後悔はしたくない。
私(達夫婦)は賭けに出ることにした。
地下鉄の通勤ラッシュの構内で、U先生にもう一度電話をした。