出てきてから聞いた、鑑別所の中での様子を書きたいと思います。
鑑別所の中では、朝が1番辛かったそうです。
朝起きると、夢の中から一気に現実に戻り、
今の現実を毎朝、思い知らされていたそう。
7時になると流れる朝の音楽があるそうなんだけど、その音楽がこないだコンビニでかかっていたらしく、すごく嫌な思い出が鮮明に蘇ってきたらしい...。
たしかに音楽って、その時代の情景や感情を、タイムスリップしたかのように思い出すもんね。
夜は夜で、なかなか眠れず、私からの手紙を枕元に忍ばせて、こっそり読んだり、家族の写真を見ては、泣いていたみたい。
送った手紙は、もう何回読んだかわからんって言ってた。
家族の写真も、こんなに元気貰えるものなんやって初めて知ったって。
テレビは夜の決まった時間に、決められたチャンネルなら見ることはできるみたい。
あまり面白いチャンネルではなかったみたいだけど、イッテQがかかった時には凄く嬉しかったみたい。
おやつやジュースも私達が預けていたお金で週一回買える。
パイの実とジュースを買ったみたいやけど、ずーっと食べずに置いてたみたい。
いつまで鑑別所にいるのか分からなかったから、
食べたら楽しみが無くなると思ってなかなか食べれなかったそう。
法務教官に、いつ食べんの?って何回も聞かれた。とか。
お風呂も週2だったかな?で、入れるそう。
浴槽もあるけど、なんか色々浮いていて汚かったと言っていた。
他の収容されてる子達と会うのはその時くらいだったそう。
会話は許されていない。
でもどう見ても年上と思われる人ばっかりだったみたいで、話そうとも思わなかった。と。
タトゥーが入っていたりする人が多かったらしく、自分とは異次元の世界だと感じたそう。
他者とのコミュニケーションは許されていないものの、各部屋の壁は薄くて、
法務教官が近くにいない時には、隣の部屋から、コンコンと叩いてこられてたらしい。
自分は返さなかったみたいだけど、何回もコンコンと叩かれるから、それもかなりの苦痛だったと話していた。
なんだか切なくなったのが、
法務教官の腰に沢山の鍵がついてるみたいなんだけど、
その鍵の音がジャラジャラと近づいてくると、なんだか妙に嬉しい気持ちになるんだそう。
自分に面会かな?
この空間から少しでも今から出れるのかな?
と、期待してしまうんだとか。
なんだか凄く惨めで可哀想な気持ちになってしまった。
(勿論、自分のした事が原因で、その環境に置かれているのだけど...)
これだけ現実の世界とは異次元な空間に収容されて、
悪い事をしたら、こんな事になるんだって。
こういう異次元な世界もあるんだって。
身をもって、よくよく理解したと思っています。
もし、今回の事件で捕まっていなかったら、
今後どんどん調子に乗って、
もっと悪い事に手を染めていたかもしれない。
半グレの様な人生を送ることになっていたかもしれない。
ギリギリ引き返せる地点で、引き返すきっかけを頂いたのだと思います。
被害者の方がいるので、勿論軽い意味ではありませんが、
今回の事件をきっかけに、
自分の問題点
生き方
他人への怒りの対処法
様々な視点から考え直す機会となったと
私は信じています。