六甲ミーツアート、トレイルエリアの続きです。
36番の作品は、福島周平(1997~)制作の《wraps》。正面から見ると、灰色の物体が作者の分身で、青いビニールシートに包まれた荷物を運んでいるように見えます。
横から見るとあたかも動いているかのよう。ずっしり重たそうですが、作者のコメントによると中身は空洞になっているそう。ビニールシートに穴が開いていて中を覗けるそうですが、見逃しました。
続いて35番の作品は、nl/rokko project制作の《SYMBIOSIS:生命体の相互依存・共生戦略》。
森の中にあるテーブルは、動物や植物、それより小さな微生物たちの目線から将来について議論する場。おそらく学生対象のワークショップ作品なのでしょう。
兵庫県神戸県民センター長賞を受賞したとの事ですが…。私にこの作品の良さは分かりません。
枝道を出て、メインルートに戻りました。
バンノ山荘は有料なのでパス。
舗装路の脇に32番の作品《音の気配 森の声》がありました。
作者の春田美咲(1991~)は、冬から春にかけて何度も六甲山へ足を運び、自身の体で体験した六甲山を作品にしたとの事。
春田氏が感じた自然は砂嵐のように落ちる雪と強風の春の芽吹き、訪れるごとに表情が変わる天気や自然の風景。
作品を見た時は、鳥の鳴き声しか思い浮かばず。後で解説を読み、こんなに奥深かったのかと思いました。
ブナの道に名前の分からないアート作品。
奥まった所に、31番の作品《山の音》がありました。作者のウ・ヒョンミン(1991~)は、幼い頃からK-POPの世界で活躍し、兵役を転機にアーティストとして活動を始めたとの事。
この舟は、航海で亡くなった祖父の遺失物。自然の音は時間を超え、残された祖母の時間と彼自身の時間を繋いでくれます。
誰もいない新池。去年見た橋は健在です。
ROKKO森の音ミュージアムの外庭に、9番の作品《陶群Ⅱ》がありました。
陶芸家・大石章夫(1989~)が、山を散策中、ふと目に入る苔やキノコ、海岸に広がる貝殻やサンゴをモチーフにした作品。
全体的に白っぽいクリーム色の仕上がりになるのは、藁を使用した「藁灰釉」という釉薬を使って作られたためだそう。
館内は有料なのでパス。
風にたなびくタペストリー。これも有料エリアの作品です。
六甲高山植物園の紅葉は、11月4日(月)の時点で色づき始め。
園内は有料なのでパス。
何か楽しそうな作品があります。
坂道を下って45番の作品《六甲おろさない》。
山から海に向かって吹く風「六甲おろし」に抵抗するため、逆向きに扇風機を設置。跳ね返す風を「六甲おろさない」と呼ぶ一発ギャグをかました作品です。
松田修(1979~)のコメントによると、「海のほう」「山のほう」などという、阪神地域に存在する、住所による格差や差別に対して抗う態度を示したつもりだそう。
ここからの景色は絶景。
海と山が見える所に扇風機を置いたのもGood。とても良い作品なのに、賞に選ばれていないのは疑問に残ります。
この場を離れようとした時、電力供給機を発見。やはりたくさんの電力が要るのでしょう。とても大きな機器でした。
つづく