今年見逃した花しょうぶの写真を探していると、2019年5月24日(金)万博記念公園・日本庭園で撮ったものが出てきました。

 

 

日本庭園は日本万国博覧会に政府出展施設として、日本の造園技術の粋を集めて造られた名園です。造園家の田治たじ六郎(1904~1978)氏が庭園の設計・施工指導を担当しました。庭園は、上代から現代までの4つの時代の造園様式を一堂に見ることができ、季節ごとに移ろう美しい景観が訪れる人々を魅了し続けています。

 

 

「平和のバラ園」同様、日本庭園もリニューアルされ、案内板が新しくなっていました。上代から順に周るより、万博日本庭園八景を①から順に周ると良いようです。

 

 

万博日本庭園八景①「心字池(しんじいけ)」

 

「心字池」は、草書体の「心」という文字の形をした雄大な池です。中央休憩所から、芝山(築山)を背景に、心字池、石組み、多くの名木、雪見灯篭など、日本庭園の成熟期にあたる「池泉回遊式庭園」の景観を鑑賞しました。

 

 

福岡県久留米市から移植したクロマツ

 

 

芝山(築山)

 

 

おそらく亀島

 

 

石組

 

 

おそらく鶴島

 

 

広大な池の中を、身の引き締まった鯉が泳いでいました。

 

 

万博日本庭園八景②「松の洲浜(まつのすはま)」

 

「松の洲浜」は、川が河口付近から海へと注ぐ姿をかたどったものです。西端の「深山の泉」からの湧水が南北二つの流れに分かれ、やがてここで合流して心字池へ流れていきます。

 

 

白い砂利のまわりにクロマツやハマボウなどの海岸に生える植物が植えられており、設計者である田治六郎氏は、ここに枯山水庭園の起源となる景観を再現した、と語っています。

 

 

万博日本庭園八景③「竹林の小径(ちくりんのこみち)」

 

日本庭園を造成する前の千里丘陵には大規模な竹林が広がっていました。「竹林の小径」は、郷土の風景を再現するためにつくられた場所です。

 

 

タケの下にはセンリョウ、マンリョウ、ナンテンなどが植えられ、“もののあわれ”を感じさせる静かな流れも配置されています。

 

 

万博日本庭園八景④「深山の泉(みやまのいずみ)」

 

平安時代は中国大陸の影響を大きく受けて、海をイメージした庭が発達しました。「深山の泉」に立つ石は、島々を表し、手前の石敷きは海岸の多様さを表した洲浜をイメージしています。

 

 

また、平安時代は貴族の“寝殿造り”と呼ばれる邸宅に付随して「寝殿造り庭園」が作庭されていました。

 

 

源氏の庭を連想させる紫蘭シラン

 

 

空木ウツギの花も緑いっぱいの庭に彩りを添えていました。

 

 

万博日本庭園八景⑤「木漏れ日の滝(こもれびのたき)」

 

「木漏れ日の滝」は、高さ3.5mの二段落ちの滝を中心に、その左に一つ、右に二つの形の違った小滝で構成されています。主瀑に使われている石は、庭園で最も大きく、その重量は1個で17tもある巨石が用いられています。

 


滝口からの渓流は、流音、姿とも人工の流れとは思えないほどの力強さがあり、両岸にはモミジが多植され、新緑の薄葉を通す光や樹冠の隙間を通る木漏れ日、秋に真っ赤に染まった葉など、訪れるたびに違った表情を楽しめる紅葉渓の景色を呈しています。

 

 

浅瀬におしどりが泳いでいました。

 

 

万博日本庭園八景⑥「千里庵の枯山水(せんりあんのかれさんすい)」

 

茶室「千里庵」は、禅院の方丈ほうじょう(居室)をかたどって造られています。

 

 

室町時代には、方丈前の小さな空間に、水を使わずに石や砂、草木などで自然風景の山と水を象徴化する「枯山水」の庭が発達し、禅僧はこの庭の前で悟りを開こうとして日々座禅に取り組んでいたといいます。

 

 

一見簡素で変化に乏しい庭ですが、太陽の移ろいによる砂紋の陰影、植物の多様な緑、生垣越しに広がる空の青も含めて違った色彩を見せてくれます。

 

 

対岸に見えるのは、最初に入った中央休憩所。建物の中央に「太陽の塔」が見えます。

 

 

心字池の背後にあった築山。

 

 

その隣にあった芝山。これは横から見ると亀のように見え、心字池は「鶴亀の池」である事に気付きました。

 

 

万博日本庭園八景⑦「つつじヶ丘(つつじがおか)」

 

「つつじヶ丘」は、クルメツツジの園芸品種のほか、ヒラドツツジ、サツキなど多種類のツツジを群植し、「ツツジの名所」となるように作庭された場所で、赤・ピンク・白など多彩なツツジが咲き乱れる花のじゅうたんを楽しむことができます。

 

 

江戸時代は園芸ブームが起こり、人々が競って品種改良を行うことで多くの品種が生まれ、変わり種や手塩を掛けて育てた自慢の草花を持ちより、その美しさを競い合う「花くらべ」と呼ばれる品評会が各地で開かれました。

 

 

 

 

GW辺りが見頃なのでしょう。ツツジはほとんど残っていないし、サツキは咲き始めだし。間が悪かったです。

 

 

万博日本庭園八景⑧「旋律の鯉池(せんりつのこいいけ)」

 

「旋律の鯉池」は、現代庭園をイメージして作庭され、自然石を使わず、直線に切り取られた切石が、オブジェのように並んでいるモダンな庭であり、切石を山々がつながる様子と見立て、そこから湧き出た水が川を経て海に流れる自然の風景を描いています。

 

 

設計者である田治六郎氏は、日本庭園の伝統を受け継ぎながらも、その殻を破ろうとする試みとして、新たな創作を表現したと語っています。大地から隆起したような切石は力強さを感じ、池を泳ぐ鯉は、静かな中にも躍動を感じさせ、動的な風情を添えています。

 

 

万博日本庭園八景のうち、唯一の現代庭園。緑が美しく、とても良い時期に見れました。

 

 

続いて「花しょうぶ田」。約90品種・約12,000株のうち、早咲き種が少しだけ咲いていました。

 

 

野辺の桜

 

 

連休白

 

 

藤魁

 

 

竜眼

 

 

播磨の乙女

 

 

また満開の花しょうぶ田を見たいものです。

 

 

17時閉園。日本庭園を出て、公園東口駅に向かいました。