六甲ミーツアートの続きです。

 

バス道を歩いて六甲山地域福祉センターに到着。

 

 

海外移住と文化の交流センターを拠点に活動するアーティスト集団「C.A.P.(キャップ/芸術と計画会議)」の作品群「CAP LAB ROKKO」を見ました。

 

 

  オブ字絵「ケア」

 

以下の文章は一部展示物から引用しました。

 

漫画《オブ字絵道ー歴史編》

 

オブ字絵の原型は李朝民画の文字絵です。李朝民画は柳宗悦(1889~1961)を中心とした民藝運動の中で紹介されました。民画という言葉も柳氏によるもの。吉祥や民衆の願いが反映されていて、最近は韓国でもブームになっています。

 

 

C.A.P.がオブ字絵の制作を始めたのは、六甲ミーツアート2021での事。第1作目のオブ字絵は「HOPE」。旧六甲スカイヴィラ迎賓館(現:六甲山芸術センター)の黄色い部屋にでかでかと展示されていました。

 

 

漫画《オブ字絵道ー構想編》

 

六甲山福祉センターから連想して、今年のオブ字絵を「ケア」に決定。六甲山登山道のゴミや、地域の方から不用品を譲ってもらい、それを素材に文字絵を制作しました。

 

 

漫画《オブ字絵道ー登山編》

 

メンバーで六甲山系の山を調査。諏訪山から再度公園へ向かう途中、ゴミの他に廃墟などを目撃。学習の森付近では突如として「不法投棄取締重点巡回地域」という看板を多数目にし、谷に向かって大型ゴミが投げ捨てられている状況を目撃しました。

 

 

ファウンド・オブジェ・ブック

 

諏訪山神社~鈴蘭台付近を登った時に目撃した廃墟のドローイング。

 

 

投げ捨てられた大型ゴミのドローイング。

 

 

六甲山地域ふれあいのまちづくり協議会の協力を得て、地域住民から募集した不要物のドローイング。

 

 

Yanoさんの衣服のドローイング。全部で20着あるそう。

 

 

オブ字絵屏風

 

ファウンド・オブジェ・ブックをコピーし、コラージュして作ったオブ字絵「ケア」の原画。

 

 

 

集まったオブジェを素材に、CAP LAB ROKKOの企画「六甲山町美術館」で使用していた木枠のパーテーションを再利用して屏風を制作。

 

 

屏風にオブ字絵「ケア」を組み込み、オブ字絵屏風が完成。展示物を一つ一つ読み込まないと理解できない、とても難しいアート作品でした。

 

 

  capsule 六甲山特別号

 

「capsule/キャプスル」は、2022年5月に創刊した、C.A.P.の会報誌です。六甲ミーツアート2023のための「六甲山特別号」は、「六甲山」をテーマにした記事から気になるものを集め、自分だけの会報誌を作るというものでした。

 

 

地元の人の声が詰まった会報誌。観光地として訪れるだけでは分からない、誰かにとっての「六甲山」の姿、人々が生きる場所としての「山」がここにあります。

 

 

  タオルベアハウス@六甲山

 

C.A.P.のメンバー・紙野永子が、1988年に約半年間滞在したイタリア・フィレンツェの語学学校や下宿で知り合った旧友のうち、6人をピックアップ。彼らをタオルベアに見立て、身の回りにあるこだわりの小物などと共に展示した作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

  にわか庭

 

林に面した裏庭。個性的な形状の作品が並んだことでそこには新たな風景が生まれます。にわか仕立ての庭の完成です。ふたりの陶芸作家「ぼん」さんと清水聖弥まさみさんの作品を見ました。

 

 

ぼん《オボロゲナ光と影ばかり》2003年

 

 

ぼん《芯を持たない物体(部分)》2003年

 

 

ぼん《脱ぎ捨てたばかりの濁った抜け殻の形》2002年

 

 

ぼん《ハナタケ》2004年

 

 

ぼん《気配のない物体(部分)》2004年

 

 

ぼん《ハナタケ》2004年

 

 

清水聖弥《流転》2021年

 

 

清水聖弥《tsunagari》2019年

 

 

清水聖弥《輪廻》2020年

 

 

作品は陶なので、持ち上げると重かったです。清水さんの作品は一部室内にありました。

 

 

清水聖弥《回想》2022年

 

 

清水聖弥《流々と》2023年

 

 

清水聖弥《地面からざぶんとくじら》2018年

 

 

「CAP LAB ROKKO」の鑑賞だけで小1時間かかりました。

 

 

外壁にオブ字絵「ケア」をモチーフにしたバナー。やはり、4つのテーマの中でもっとも難解だったオブ字絵がメインテーマだったようです。

 

 

しょっぱなから手こずりましたが、この日のミッションは果たせるでしょうか?山道を早足で歩き、次の目的地に向かいました。

 

 

つづく