大阪府立自然史博物館で見た特別展「毒」を振り返ります。

 

 

  第1章 毒の世界へようこそ

 

館内撮影OKですが、人が多すぎて撮影する気になれませんでした。以下の文章と画像は公式サイトからの引用です。

 

 

  第2章 毒の博物館

 

攻めるための毒、守るための毒

生物の毒(動物·植物·菌類)の目的の多くは明確で、主に「攻めるため」と「身を守るため」です。説明に使われた拡大模型が圧巻でした。

 

《ハブ》

 

《オオスズメバチ》

 

《イラガの幼虫》

 

《西洋イラクサ》

 

 

日本の3大有毒植物

 

《オクトリカブト》

 

《ドクウツギ》

 

《ドクゼリ》

 

 

さまざまな毒虫

人を咬んだり刺したりすることで、皮膚のかゆみやかぶれ、痛みなどを引き起こす生き物を総称して「毒虫どくむし」と呼ぶこともあります。

①ウシアブ ②マメハンミョウ ③アオバアリガタハネカクシ ④トビズムカデ ⑤ヒトスジシマカ ⑥シュルツェマダニ ⑦ネコノミ ⑧キョクトウサソリの一種 ⑨ヨコヅナサシガメ

 

有毒爬虫類と両生類

 

《コモドオオトカゲ》

唾液に血液凝固阻害や血圧低下を引き起こす成分を含み、自分より大きな獲物も、咬み傷からの失血によって徐々に弱らせて捕食します。

 

《ブルーノイシアタマガエル》

南米産。自身が分泌する毒液を相手に注入するタイプの毒をもちます。

 

 

海洋の有毒動物

海洋には様々な有毒動物が見られ、少なくとも3万種前後の有毒動物が知られています。

 

《ハブクラゲ》

クラゲやサンゴ、イソギンチャクなどの刺胞動物は、すべての種が刺胞と呼ばれる毒の注入装置をもっています。

 

《トラフグ》

フグに含まれるテトロドトキシンは、摂取するとしびれ、麻痺などの症状が発生し、重度の場合には呼吸困難によって死亡することもあります。

 

 

毒きのこ、いろいろ

地球上に存在するきのこ(推定で10万種以上)のうち、大半は食毒不明!痙攣、腹痛・下痢、幻覚症状、細胞破壊…様々な中毒症状を引き起こします。

 

《ドクツルタケ》

 

《カエンタケ》

 

《オオワライタケ》

 

《アスペルギルス・フラブス》

カビはマイコトキシンと呼ばれる300種類以上の様々な毒を生産します。

 

 

鉱物に由来する毒

鉱石の中から目的の鉱物を取り出した結果、副産物が水を汚染する例もあるし、毒性のある物質を利用する目的で抽出する場合もあります。利用を意図した段階ではわからなくても、後で毒性が判明する場合もあります。

 

《毒の原料となる鉱物・硫砒鉄鉱》

ヒ素が万能薬とされた時代もありました。酢酸銅と亜砒酸銅からつくられた緑色顔料は、布の染色、壁紙、建材の塗色などに用いられました。主成分であるヒ素は、代表的な鉱物由来の毒。かつては暗殺に用いられたことも…!?

 

 

人間が作った毒

シラミ駆除のために使用されたDDT 、工業的に利用されたPCB、プラスチック製品の焼却などによって生じるダイオキシンなどの物質は、POPs(残留性有機汚染物質)と総称される難分解性の物質です。

 

これらの多くは発がん性を始めとする毒性をもち、マイクロプラスチックに吸着されて生物濃縮(食物連鎖を経て毒が濃くなること)され、他ならぬ私たちを苦しめる結果となっています。

 

 

  第3章 毒と進化

 

警告色

警告色には自身が有毒動物であることを周囲に伝え、その動物と外敵の双方にとって無用な争いを避ける効果があります。

 

《キオビヤドクガエル》

黄色と黒の縞または班紋模様の「警告色」

 

《アカハライモリ》

防御姿勢をとるアカハライモリ(腹面の警告色を見せています)

 

 

盗用

自身で毒を作れない有毒生物は他者の毒を利用または盗用しているといえます。猛毒生物として知られる多くの生物にも、実は他の有毒生物を食べて毒を蓄積している、つまり他者の毒を盗用しているものも多いです。

 

《ムカデミノウミウシ》

他の生物の有毒器官(刺胞)を食べて自身の防御に盗用します。

 

 

毒に耐える

 

《コアラVSユーカリ》

コアラは有毒植物であるユーカリを食物とするため、毒に対抗する様々な特徴を発達させています。肝臓の酵素で解毒をおこなうほか、食物とするユーカリの葉の毒性を味や匂いで敏感に感じ取り、毒性の少ない葉を選別することができます。

 

 

  第4章 毒と人間

 

毒の人類史

 人間が毒をどう扱ってきたのかという歴史は、同時に人類の科学的活動の歴史を示していると言えます。

 

パラケルスス(1493~1541)

スイスの医学者・化学者・錬金術師。「あらゆる物質は毒である。毒になるかクスリになるかは、用量によるのだ。」という言葉を残しました。

 

フリッツ・ハーバー(1868~1934)

ドイツの化学者。空気中の窒素からアンモニアを合成する方法の開発に成功し、1918年にノーベル賞受賞。第一次世界大戦時には毒ガスの開発に関わりました。

 

 

毒を操る

植物が昆虫などの食害から身を守るために合成している毒性物質を私たち人間は、自分たちに都合の悪い害虫を避けたり、殺したりするのに利用してきました。

 

蚊取り線香の原料は白花虫除け菊。その成分はピレトリンで、昆虫や両生・爬虫類に対する神経毒です。

 

 

  終章 毒とはうまくつき合おう

 

人間の活動が招いた温暖化などの気候変動や物流は新たな環境へ毒生物の分布を広げる一因となっています。未来に向け私たちが地球規模で今考えなくてはならないこと、向き合っていくべきこととは何でしょうか。

 

難しい問いかけですね。個人でできる地球温暖化対策って、節電・省エネ・ゴミを減らす事ぐらいかな。

 

それにしても、人間が毒を作っているという認識はあまりなかったですね。特別展「毒」は、知らない事ばかりで、とてもためになりました。