4月22日(金)のイペ散策は、みなと公園からスタート。
イペの花は出入口付近に咲いていました。
咲き始めか散り始めかよく分からないけど、青空に映える花である事には違いありません。
歩道橋を渡って鯉川筋へ。
イペはノウゼンカズラ科の広葉樹で、ブラジルの国花でもあります。
鯉川筋のイペは、ブラジル移住100周年を記念して、平成20年(2008)に植えられたそう。
海外移住と文化の交流センターからメリケンパークまでをつなぐ約2キロの道とその周辺に約45本。
イペが植えられている場所をたどると、かつて神戸からブラジルへ移住した人々が通った道と重なります。
大丸を通過。
JR元町駅に到着。駅前には移住者の歩いた道のモニュメントがあります。
神戸からブラジルへ。明治41年(1908)から平成6年(1994)までの間、各地から集まった約25万人の移住者を送り出し、その多くがコーヒー農園で働いたそう。
見つめる女の子像の悲しそうな顔は、移住先での生活が過酷だった事を物語っています。
ブラジル風の教会をイメージした元町駅前の交番。南米へ移住した人々に思いを馳せて、平成14年(2002)に再建されたそう。
交番のそばにもイペの花が咲いていました。
鯉川筋を北上。イペ散策は続きます。
山手幹線沿いに鉢植えの木がありました。
他にも数本ありましたが、この辺りはほとんど終わりかけです。
山手幹線より北は急な坂道が続きました。
坂を上り切ると、山麓線沿いに海外移住と文化の交流センターが現われます。
大きな建物の前に、「ブラジル移民発祥ノ地」碑がありました。
碑文によると、明治41年(1908)4月28日、ブラジル第1回移民船「笠戸丸」が781名の移民を乗せて神戸港を出港。その後も引き続き、約25万人が神戸港からブラジルへ移住したとの事。
また、この建物は、昭和3年(1928)に国立移民収容所として開設され、後に「神戸移住センター」と改名し、昭和46年(1971)に閉鎖されたとか。
そして平成21年(2009)。ブラジル移住100周年を記念して「海外移住と文化の交流センター」がオープンしました。
地面に書かれた花文字。日本とブラジル間で、現在も文化の交流が続いている事を物語っています。
来館した子供たちが、毎日散った花を集め、花文字を何度も直している姿が思い浮かびました。
満開のピークは3日前だったのかな。
そんな事を考えながら、海外移住と文化の交流センターを出ました。
外壁のパネルによると、石川達三(1905-1985)は、小説「蒼氓」でこの建物を舞台に自身の体験を描き、昭和10年(1935)に第1回芥川賞を受賞したとの事。
その小説の中で、『移住者は、この建物から大きな希望と、それと同じぐらいの不安を胸に、神戸港の乗船場へ行くために鯉川筋を下って行った。』と述べています。
小説と状況が異なりますが、鯉川筋を下り、JR元町駅に戻りました。